2017シーズンのFIAヨーロピアンF3選手権(ユーロF3)もいよいよ終盤戦。18歳の高校生ドライバー佐藤万璃音(さとうまりの)は、オランダ・ザントフールトで開催された第7大会を終え、いよいよ9月にはドイツ・ニュルブルクリンクの第8大会とオーストリア・レッドブルリンクの第9大会を迎える。さて、つかの間の気晴らしとなった18歳の高校生ドライバーのモナコの休日とは――。
「ザントフールトは肉体的に厳しかったというのが本音です。ドイツ・オッシャースレーベンのチームファクトリーにあるドライブシミュレーターを使った事前テストでは、チームメイトの誰よりも速いラップタイムを記録していたので、初めてのサーキットでもそれなりに走れると思っていたのですが、少し甘かったようです」
「もっとも、僕より経験豊富なドライバーでさえ、走り始めからわずか5周で首が“いってしまった”と聞きましたし、誰にとっても大なり小なり肉体的に厳しいサーキットだったと思います」
「アップダウンやバンクは攻略が難しく、コース半ばの右コーナーとコース終盤の右コーナーは腕にも首にも厳しい。僕自身、決勝レース1では最終コーナーでコースアウト。残る2レースは背中の痛みに耐えながら走りきりました」
「レースの翌日の月曜日は、地面に叩きつけられたかのような全身の筋肉痛を抱えながら、約6時間をかけてザントフールトからオッシャースレーベンへクルマで戻りました。チームファクトリーで、次のニュルブルクリンクのレースに向けたトレーニングが待っていたからです」
「(ファクトリーまで)自分で運転するわけではありませんが、正直なところクルマでの移動は非常に疲れました」
「しかも、やっとオッシャースレーベンに到着したと思ったら、筋肉痛ではない体調不良を感じました。チームメイトのダビッド・ベックマンに、どうやら風邪をうつされてしまったようでした。トレーニングもそこそこに、オッシャースレーベンのホテルのベッドで横になっているしかありませんでした」
「さんざんな状態でしたが、8月下旬には精神的な気分転換と肉体的な静養を兼ねてモナコへ小旅行しました。F1モナコGPのコースや港を見下ろせるアパートで寝起きし、ひさしぶりに青い海を見て、美味しい料理を食べて、もちろん軽いメニューからフィジカル・トレーニングを始め、どうにかいつもどおりの“佐藤万璃音”を取り戻せました」
「残る3大会、精一杯の走りますので応援よろしくお願い致します」
今季のユーロF3も残すは3戦。第8大会のニュルブルクリンクも最終(第10)大会のホッケンハイムも、万璃音にとっては初めてのコース。しかし、第9大会のオーストリア・レッドブルリンクはテスト経験もあり、彼自身は秘かに期待しているようだ。
最後に、万璃音のユーロF3挑戦の模様はNHK BS1でも観られる。5月半ばにフランス・ポーの市街地コースで開催された第3大会がその舞台。9月の放映予定は公式サイト(http://www4.nhk.or.jp/P3976/)で紹介されているので、ぜひチェックして欲しい。