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親から突然渡された「数百万円」の札束、こっそり使えば贈与税から逃れられる?

2017年09月04日 10:32  弁護士ドットコム

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親から、生前贈与で現金を手渡しで渡されたーー。このような投稿がインターネットのQ&Aサイトで散見される。金額は10万円台から数百万円まで様々だ。ただ、中には、「贈与税って手渡しではならないですよね」と勘違いしている投稿もあった。


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110万円の贈与となると贈与税がかかってしまう。このため、親からもらった現金を銀行に預金せず、こっそりチビチビ使っている人もいるようだが、こういった行為がバレた場合、どうなるのだろうか。また、バレるとしたらどういったことを端緒にバレる可能性があるのか。橘慶太税理士に聞いた。


●税務調査で追及されてしまう可能性

「まず結論から申し上げると、バレる可能性は非常に高いです(バレなければいいということでは全くありませんが)。相続税の税務調査が行われた場合、まず一番先にみられるのは、亡くなった人の過去10年分の預金通帳です。被相続人の預金通帳から多額の不明出金がある場合には、その使い道について追及されます。


この話をすると多くの人が『それであれば生活費として一緒に引き出せばわからないだろう」と言うのですが、住宅ローンの返済や子育てを終えられた世帯の生活費というのは、一般的にそこまで多額になることはありません(贅沢な生活をすれば話は別ですが)。


生活費として使い切るには多すぎる引出が散見される場合には、タンス預金や現金手渡しの生前贈与の可能性が追及されます。例を挙げればきりがありませんが、他にもタンス預金や現金手渡し贈与の見つけ方は存在します」


110万円を超えれば、必ず贈与税がかかってしまうということか。


「誤解されている方が非常に多いのですが、生活費や教育資金として子供や孫にお金を送金する場合には、贈与税は課税されません。国税庁のホームページにもばっちり書いてあります(https://www.nta.go.jp/taxanswer/zoyo/4405.htm)。


ただ、注意点として、生活費や教育費が非課税になるのは、必要な都度、贈与する場合に限定されていますので、いっぺんに渡してしまう場合には贈与税が課税されますので、注意してくださいね。


現金手渡し贈与を申告していないことが税務署にバレた場合には、贈与税だけでなく、重加算税という重いペナルティが課せられますので、絶対にしないことお勧めします」


【取材協力税理士】


橘 慶太(たちばな・けいた)税理士


相続税という分野では国内最大手である税理士法人山田&パートナーズの相続税専門部門で6年間の修行を得て独立開業。これまで手掛けた相続税申告は200件以上。日本全国の銀行や証券会社で年間133回のセミナーや研修の講師を行う。大手の品質を個人事務所の低価格で提供することをモットーとする。


事務所名   : 表参道相続専門税理士事務所


事務所URL:http://osd-souzoku.jp/


(弁護士ドットコムニュース)