9月3日現地時間14時、イタリアGP決勝が行なわれた。前日とは打って変わって好天に恵まれ、気温24度、路面温度36度というコンディションとなった。
予選後にMGU-Kシャフト交換を断念しパワーユニットごと交換したストフェル・バンドーンを始め多くのマシンにグリッド降格ペナルティが科され、予選でクラッシュしたロマン・グロージャンが最後尾グリッドにつき、グリッド順は予選結果とは大きくとなっている。
1ストップ作戦が予想されるレース戦略だが、マックス・フェルスタッペン、ダニエル・リカルド、ジョリオン・パーマー、フェルナンド・アロンソはソフトタイヤ、それ以外の全車がスーパーソフトでスタートに臨む。
スタートでルイス・ハミルトンがイン側のストロールを大きく牽制し、その間に3番グリッドのエステバン・オコンがアウトからターン1にアプローチし2番手に上がる。
その後方ではキミ・ライコネンがバルテリ・ボッタスの前に出るがその周の終わりのパラボリカでボッタスがアウトに並びかけストレートで抜き去った。
その後方はセバスチャン・ベッテル、フェリペ・マッサ、フェルスタッペン、セルジオ・ペレスの順。
ボッタスは早くも3周目にストロール、4周目にオコンをいずれもターン1で抜いて2番手まで挽回する。
フェルスタッペンはターン2でマッサのインに飛び込むが右フロントタイヤがボディワークに接触しパンクを喫してピットインを余儀なくされる。
ベッテルは3周目のレズモでライコネンの前に出て、8周目にはオコンもパス。これで上位は首位ハミルトン、2番手ボッタス、3番手ベッテル、4番手オコン、5番手ストロール、6番手ライコネン、7番手マッサ、8番手ペレスの上位勢となった。
10周目にヒュルケンベルグが先陣を切ってピットインし、15周目にライコネンがピットインしてオコンのアンダーカットを狙うが左フロントタイヤの交換に手間取って3.7秒を要し、翌周ピットインしたオコンを抜くことができず。
メルセデスAMG勢、ベッテルはタイヤのデグラデーションが小さく、スーパーソフトのままで走り続け、同様にプッシュし続けるリカルドも中団勢を抜いて4番手まで上がってくる。
ストロールは17周目、マッサは21周目にピットインし、27周目を迎える頃にはベッテルも「リヤに苦しみ始めた」と報告する。ハミルトンはボッタスを5秒リード、その18秒後方に3番手ベッテル、さらにその14秒後方に4番手リカルド、5番手ペレスはそこから8秒という順。
ピットインを終えた集団はバンドーンを抜いてペレスの13秒後方に26周目にオコンを抜いたライコネン、ストロール、マッサが僅差で続く。
31周目にベッテルがピットインするとこれを見てハミルトン、ボッタスも立て続けにピットインし上位勢の順位は変わらず。
32周目にピットインしたペレスはマッサの後方9番手に戻り、ソフトで引っ張り続けたリカルドが最後に37周目にピットインしライコネンの後方5番手でコースに戻った。
スーパーソフトを履くリカルドはそのタイヤの差を生かしてライコネンを追い詰め、41周目にターン1でインを突いてオーバーテイク。
これで4番手に浮上しさらに前のベッテルを1周1秒速いペースで追いかけていく。ファステストラップを連発するリカルドに対してベッテルも自己ベストで対抗し、その差は1周あたり0.7~1秒。
後方ではマグヌッセンが10番手フェルスタッペンの背後に迫るが、46周目のロッジアのブレーキングでライン変更をしたフェルスタッペンを避けるためにコースオフし、逆に後方のクビアトに迫られることとなった。
ハミルトンは後続を寄せつけることなく53周を走り切って独走勝利。今季6勝目でついにチャンピオンシップでもベッテルを逆転してトップに立った。
ボッタスもハミルトンと5秒弱の差を維持して2位、リカルドは4秒及ばずベッテルが3位、ライコネン5位、6位オコン。7位争いは最終ラップまで3台による激しいバトルが続いたが、ストロールが7位、マッサ8位、ペレス9位のままでチェッカーを受け、フェルスタッペンが10位でレースを終えた。
パワーユニット交換で18番グリッドからスタートしたバンドーンは、33周目にパワーを失ったと訴えてピットに戻りリタイア。
アロンソは浮上のきっかけを掴めないまま次戦でのギヤボックス交換などを考えて51周目にピットに戻りリタイアした。