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WEC:今週末不振の8号車トヨタ。改善予兆も「予選になったら、あれ? みたいな」と一貴

2017年09月03日 18:22  AUTOSPORT web

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8号車トヨタTS050ハイブリッドを駆る中嶋一貴
TOYOTA GAZOO Racingにとって、WEC世界耐久選手権第5戦メキシコの公式予選は2017年シーズンの中で、もっとも苦戦を強いられる予選となった。特に8号車トヨタTS050ハイブリッドは、LMP1に参戦する4台のなかで唯一1分25秒を切ることができずに終わるなど、僚友の7号車トヨタと比べてもスピード差があるようだ。予選アタックも担当した中嶋一貴にその原因と決勝の展望を聞いた。

 予選後、開口一番に「ちょっと失敗しました」と語った一貴。計測2周目のセクター1で全体ベストタイムを出しながら、続くセクター2で大きくタイムを失ったことについて「引っかかったわけではなく、失敗しました」と自身のミスを認めた。

 予選でのポルシェとのタイム差は「思ったより近いかな、という感じはしますけど、ロングランのタイムを見ていると速そうですね」とライバルを警戒する。

 また、前日のフリープラクティス1回目では30分ほどしかできなかったドライコンディションへのマッチングについては「朝からクルマ的に苦労している」という。

「クルマの動きを良くするためにあれこれやって、3回目のプラクティスで少し良くなった気がしていたのですが、予選になったら、また元に戻ってしまったような感じです」

 具体的には「僕らの8号車はオーバーステアでリヤ(の安定感)がない」という一貴。午前中に行われたフリープラクティス2回目ではユーズドタイヤを履き、「その感覚としては丁度いいのかなと思ったのですけど、予選でニュータイヤを履いたら、あれ? みたいな。思いの外バランスが違っていました」と短い走行時間のなかで合わせ込みに苦労している様子が伺える。

 予選では一貴とセバスチャン・ブエミで違う種類のタイヤを使っていたが「セブ(ブエミ)がハード側のタイヤを着けてアタックしました。でも、予選のコンディションでは硬すぎたみたい」とスピード不足の一因を明かした。

 決勝でのタイヤ選択は「気温が上がるとまたややこしくなってしまうので、僕ら的には(データのある)低いままの方がタイヤチョイスが楽になると思う」と言う。

 そんな決勝に向けては「ロングランのタイムだけを見ると、やっぱりちょっと厳しい感じがしますけど、7号車は予選で結構(ポルシェに)近いところにいるので、チーム内で採り入れる所は採り入れていければいいかなと思います」と語った。

 雨の予報も出ている3日の決勝。ドライバーズランキング2位で2号車ポルシェを追う8号車トヨタにとっては、今後のチャンピオン争いの行方を左右するレースとなるだけに、ここからの巻き返しがあるのか注目したいところだ。