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WEC:トヨタ、2列目から天候の読めない決勝へ。「最前列を獲得できる速さあった」

2017年09月03日 14:42  AUTOSPORT web

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3番手グリッドからスタートする7号車トヨタTS050ハイブリッド
9月2日、WEC世界耐久選手権第5戦メキシコの公式予選が行われ、2台のトヨタTS050ハイブリッドで参戦しているTOYOTA GAZOO Racingは、7号車トヨタが2台のポルシェに次ぐ3番手、8号車トヨタは4番手となった。

 セッション中に雨が降り出すことが予想されたため予定より5分繰り上げて開始されたLMPクラスの公式予選。実際にセッション終盤には細かい雨粒が落ちてきたものの、大きな影響は出ずLMP1とLMP2、各クラスのマシンによる激しいスターティンググリッド争いが展開された。

 ピットレーン出口のシグナルがグリーンになるとともにコースインしたポルシェの2台とは対象的に、少し時間を置いてからピットを後にした7号車トヨタと8号車トヨタ。そんな2台のうち、まずアタックを開始したのは中嶋一貴の駆る8号車トヨタだった。

 一貴はセクター1で最速タイムをマークしたが、続く第2セクターでわずかにミスをしてタイムを失ってしまう。翌周、再度アタックを行なうものの、最初のアタックラップの影響でタイヤパフォーマンスが低下しており、ライバルたちのタイムに及ばない。

 一貴から交代したセバスチャン・ブエミは、一貴の使ったタイヤとは種類の異なるコンパウンドのタイヤを履いてアタックに出て行くが、こちらも路面にマッチせず。僚友の7号車トヨタを含む3台のLMP1マシンが1分24秒台のタイムを出すなか、8号車トヨタは1分25秒を切ることができなかった。

「他のLMP1カー3台は同じ仕様のタイヤを装着していたけれど、僕たちはちょっと違うものを試していた。ただ、予選アタック時のコンディションには合わなかった」とブエミ。

 また、一貴も「予選は残念な結果になってしまいました」と落胆のコメント。

「最初のアタックでミスをしてしまい、また、タイヤもベストな状態でのアタックができませんでした。決勝レースについては、天候がどうなるのかを見極める必要がありますが、全力を尽くして、タイトル争いのために1点でも多くのポイントを獲得すべく戦います」と意気込みを語った。

 一方、2017年シーズン、すでに3回のポールポジションを獲得している7号車トヨタはマイク・コンウェイが前半のアタックを担当。2号車ポルシェに次ぐ2番手タイムを記録してピットに戻ってきた。

 セッション後半のアタックを任されたホセ-マリア・ロペスもコンウェイとほぼ同等のタイムを記録するが、ライバルの1号車ポルシェがタイムを縮めたため3番手にドロップしてしまう。

 チームは再逆転を狙いロペスに2度目のアタックを敢行させるも、運悪くLMP2クラスのマシンに引っかかってしまいタイムアップならず。結局、ポルシェの2台にフロントロウ独占を許してしまう結果となった。

「僕自身のアタックラップにはとても満足している。各セクターでわずかに遅れはしたけれど、最前列グリッド獲得には充分な速さだった」と語るのはトヨタ勢最速タイムをマークしたコンウェイ。

「チームは素晴らしい仕事をしてくれた。プラクティス3回目の後に施したいくつかのセッティング変更が効を奏したんだ。そのおかげでクルマの感触は良かったよ」

 7号車トヨタの後半アタッカーを務めたロペスは「僕たちはプラクティスでやや苦しみ、ポルシェが速かったこともあって、予選のラップタイムは僕らが予想していたものよりも若干速いものだった」とコメント。

「それでも、チームの素晴らしい努力の甲斐あって、ポールポジションには届かなかったものの僅差にまで迫ることができた」
 
「残念だったのは僕の最後のアタックラップだ。LMP2カーがバックミラーを見ずにペースダウンしたため、タイムをロスしてしまった。あれがなければ、恐らく最前列グリッドを獲得できていたはずだ」

 WEC第5戦メキシコラウンドの決勝レースは9月3日(日)の現地時間12時(日本時間3日26時)にスタートが切られる。週末にかけて不安定な天候が続き、決勝日も雨の予報が出ていることから、レースでは各チームの事前準備とコンディション変化への柔軟な対応が勝負を左右することになりそうだ。