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「富士SUPER TEC 24時間を地域のお祭りに」2018年開催へ富士スピードウェイとS耐が意気込み

2017年09月02日 21:11  AUTOSPORT web

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2018年開催の富士SUPER TEC 24時間へ向け語る富士スピードウェイの原口英二郎社長、スーパー耐久機構(S.T.O)の桑山晴美事務局長
9月1日、富士スピードウェイは2018年に開催するスーパー耐久の富士戦について、『富士SUPER TEC 24時間レース』として日本国内で10年ぶりとなる24時間耐久レースとして開催すると発表したが、この24時間開催について富士スピードウェイの原口英二郎社長、スーパー耐久機構(S.T.O)の桑山晴美事務局長がメディアの取材に答えた。

■開催にはさまざまな課題も。「これからきちんと説明を」
 日本では2008年に十勝24時間の開催がなくなってから、24時間耐久レースは行われていなかった。そんななか、「今年のなかばくらいから構想が生まれはじめ、富士は日本で最初に24時間レースをやったコースですし、スーパー耐久もかつて24時間をやっていた。そこでレースをやるものとして、そして『耐久の富士』としては24時間をやりたい(原口社長)」と、10年ぶりとなる富士スピードウェイでの24時間レース開催に向けて準備が進められてきた。

 さまざまな協議を経て開催される方向となった富士SUPER TEC 24時間だが、もちろん課題は多い。原口社長も十分に問題が多いことは認識しており、「開催に向けてはハード、ソフト、そして理解活動を進めなければならないと思っています。とくに騒音の問題はいちばん気にしていて、現在は夜の20時までとなっている。当然、これからきちんと近隣にご説明をしていかなければ」と語っている。

 原口社長、桑山事務局長の話からはおぼろげながらレースの姿も見えはじめたが、基本的にエントリーはスーパー耐久のシーズンエントリーをしているチーム。桑山事務局長は「海外のエントラントも興味を示されるかもしれませんが、基本はスーパー耐久の根っこにあるエントラントの皆さんに参加して欲しいと思っています。また、個人的な考えとしては、これまでの歴史を作ってくれたような、リスペクトされる存在の方にも出ていただければ」と語った。

 開催時期は6月上旬とされているが、多くのエントラントから雨の心配も上がった。ただ、これについて原口社長は「ヨーロッパでもそうですが、6月は最も陽が長い時季です。梅雨の心配ももちろんありますが、今日も雨の心配はありましたし、時季を選んでも、ダメなときはダメだと思っています」と、夏至に近いことが理由だとしている。

■キャンプ、イベント……。富士SUPER TEC 24時間を地域のお祭りに
 また、ニュルブルクリンク24時間でも有名なキャンプをしながらの24時間レース開催も楽しむことができそう。すでにスーパーGT等では多くのファンがキャンプを楽しんでいるが、原口社長は「夏のスーパーGTのときにも、キャンプエリアのコンテンツを用意しました。24時間のときは場内宿泊も可能ですし、ファンの皆さんが楽しめるものを用意していきたい」という。ヨーロッパの24時間レースでは場内でライブが開催されたりと、さまざまな催しが用意されているが、これらも大いに参考になるだろう。

「私はル・マン24時間にも何度か行っていますが、ル・マンでもニュルブルクリンクでも、サーキットが何かをやっているというだけではなく、地域のお祭りにしなければならないと考えています。モータースポーツ文化への理解が進んでいる場所でなければ、24時間はできないと思っています。我々も地域の皆さんと一緒に、一体感のある24時間レースを開催したい」と原口社長。

 また、桑山事務局長も「時代が変化していくなかで、現在の時代にあった24時間レースを日本人の手によって作っていきたい。海外の力を借りずに世界に発信できる、アジアを代表したレースにしたいと思っています。ドイツならニュルブルクリンク、日本なら富士だね、と言われるようなレースを作りたいと思います」とアジアを代表する24時間レース作りに情熱をみせた。

 発表後、エントラント等からも聞こえたとおり、近年日本では開催されていなかった24時間レースに向けては、課題が満載だ。しかし、「ひとつずつしっかり課題を解決していきたいので、ぜひ応援していただければ」と富士スピードウェイ、そしてS.T.Oの両者の代表からは開催に向けた情熱が聞かれた。