9月1日、WEC世界耐久選手権第5戦メキシコ6時間レースが開幕した。走行初日に行われたフリープラクティス1回目でTOYOTA GAZOO Racingは7号車トヨタTS050ハイブリッドが総合3番手、8号車トヨタTS050ハイブリッドは同4番手につけた。
第4戦ニュルブルクリンクから約1カ月半のサマーブレイクを経て迎えた中米・メキシコラウンド。レースウイークの初日はあいにくの雨模様となり、各チームにとって最初の走行機会であるフリープラクティス1回目も、降雨こそなかったもののウエット路面でのセッションスタートとなった。
トヨタの7号車と8号車はそれぞれウエットタイヤを装着してコースイン。決勝レースでも雨が降ることが予想されていることから、ウエットコンディションでのハイブリッドエネルギーのリカバリー、ターボのブースト調整など、細かなチェックを行なった。
その後、レーストラックの状況を見ながら使用するタイヤをウエットからインターミディエイト、インターミディエイトからスリックへと変更していくが、路面が完全に乾いた終盤30分はスリックタイヤの評価、空力デバイスのアジャストに注力している。
スリックタイヤでの走行が始まるとラップタイムは急激に短縮されたが、限られた時間のなかではマシンの性能を完全に引き出すことはできず。この日のベストタイムは2016年のポールポジションタイムから2秒以上遅いものとなった。
トヨタはセッション最終盤、7号車トヨタを駆るマイク・コンウェイが1分28秒029をマークして2台のポルシェ919ハイブリッドに次ぐ総合3番手。僚友の8号車トヨタはセバスチャン・ブエミの1分29秒131が最速ラップとなり総合4番手につけている。
「ウエットコンディションを含む、この週末に向けてのあらゆるコンディションでの準備ができた」と語るのは3番手タイムをマークしたコンウェイ。
「しかし、時間が限られていたので、まだ改良すべきポイントはある。まずまずのスタートが切れたと思うが、まだ幾つかの領域でやるべきことがあり、それによってラップタイムは向上していくはずだ」
また、コンウェイと7号車トヨタをシェアする小林可夢偉も「変わりゆくコンディションのなかでの1セッションを終えただけなので、状況を語るのは難しいです」とコメント。
「コース上の混雑もあり、僕たちはまだクリアラップでのアタックはできていません。いつもは金曜日に行っている車両バランスに関する作業をこれから進めていき、明日はさらなるパフォーマンス向上を目指します」
8号車トヨタを駆る中嶋一貴は「コンディションがめまぐるしく変わるなかで、すべてのタイヤを試すことができました」と初日の走行を振り返った。
「ドライブするのが難しい状況で、ドライコンディションでのラップタイムに関してはまだ改良の余地があります。とはいえマシンの感触は良いので、さらなるパフォーマンスを引き出すべく作業を続けます」
6時間レースを行うほかのラウンドの走行スケジュールとは異なり、金曜にフリープラクティスが1回しか行われない第5戦メキシコ。2日(土)は予選前に2回のフリープラクティスが行われ、その後、18時20分(日本時間3日7時50分)から公式予選が行われる。