レッドブルF1チームは、パワーユニット供給に関するルノーとの金額交渉を巧みに進めようとしている。これによって2018年シーズンは、カルロス・サインツJr.がルノーでレースをすることになるかもしれない。
レッドブルとパワーユニットサプライヤーであるルノーは、関係が再び悪化している。先週末に行われたベルギーGP決勝ではマックス・フェルスタッペンがまたもやトラブルに見舞われ、たった8周でエンジンがシャットダウンしてしまったのだ。
チームとドライバーはともにルノーの責任を指摘しており、チーム代表であるクリスチャン・ホーナーは、ルノーが「標準レベルに満たないサービス」を提供していると非難している。
したがって、レッドブルはルノーから請求されるパワーユニットの費用について相当の減額要求を検討すると見られるが、その際に見返りのひとつとしてカルロス・サインツJr.のルノー移籍案を提示する可能性がある。
トロロッソのドライバーであるサインツJr.については、ルノーが以前から候補者リストに載せているものの、現在はレッドブルとの契約下にあるため2018年シーズンは移籍が不可能な状態だ。
停滞している自身のキャリアをさらに進めたいと望むサインツJr.にとって、来シーズンにルノーでレースができるチャンスがあれば、受け入れたいと考えるだろう。
しかしサインツJr.は「僕の今後についてはレッドブルと(チームのモータースポーツアドバイザーである)ヘルムート・マルコに完全に委ねている」と強調したうえで、以下のように続けた。
「すべては彼らが決めることだから、僕が話すことは何もない。僕が知っていることは、トロロッソとの間にあと1年、レッドブルとはさらにあと数年の契約が残っているということだけだ」
「だから僕の将来は、僕にとって何がベストなのか、どこに行くべきなのかを彼らがどう判断するか次第なんだ」
サインツJr.は7月の記者会見の際、来シーズンは自分にとってより良い環境に移りたいという希望を口にし、チーム首脳陣との関係が悪くなってしまった。このとき以来、彼はその野心を封じ込めている。
「願わくば、来年はトロロッソがもっと良くなって上位3チームに近づけると良いね」
「もう一歩前進したいと望んでいるドライバーは僕だけではない。中団グループには、僕と同じような状況にあるドライバーが多くいる。だから、自分たちのタイミングが来るまでは我慢強くあるべきだ」