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竹野内豊、麻生久美子から“声”を褒められたと明かす 「自信を持ってもいいのかな(笑)」

2017年08月31日 15:32  リアルサウンド

リアルサウンド

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 本日8月31日、東京・渋谷のNHKにて、9月8日スタートのドラマ10『この声をきみに』の第1回試写会と記者会見が行われ、竹野内豊と麻生久美子が登壇した。


 同ドラマは、NHK連続テレビ小説『あさが来た』の脚本を手がけた大森美香による完全オリジナルドラマ。家族に捨てられた偏屈な数学講師・穂波孝が、町はずれの小さな朗読教室を訪れ、ミステリアスな女性教師と個性豊かなクラスメイトとふれあいながら、新しい自分を見つけていく模様を描く。


 主人公・穂波孝を竹野内、朗読教室の講師を麻生、朗読教室の主催者を柴田恭兵がそれぞれ演じるほか、ミムラ、片桐はいり、堀内敬子、仁科亜季子、戸塚祥太、大原櫻子、松岡充、平泉成、杉本哲太らがキャストに名を連ねた。


 会見に登壇した制作統括の磯智明氏は、「主人公・孝の抱える、人とうまく話すことができない、自分の気持ちを伝えることができないという悩みは多くの視聴者が共感するものでは」と語り、「誰もが思うような悩みを竹野内さんが素晴らしい演技で体現してくださいました。竹野内さんは本作がNHKドラマ初主演なのですが、こんなに情けなくて偏屈な男をお願いしていいのかなとも思いました。ご快諾いただき本当によかったです。麻生さんは昨年放送のドラマ『奇跡の人』でも素晴らしい演技を見せてくださっており、今回おふたりに出演していただけることは非常に幸運だったと思います」とコメント。


 本作は“朗読”がテーマということもあり、脚本を手がけた大森から「声が素敵な方を揃えてほしい」と要望があったことを磯氏は明かす。「その中で大森さんから挙がったお名前が竹野内さんと麻生さんでした。『Shall we ダンス?』のような“大人が楽しめるラブストーリー”を作りたいと思い、大森さんと相談したところ、案として挙がったのが“朗読教室”でした。感動とラブストーリーが詰まったドラマです」と手応え十分な様子。


 これまで演じてきた役柄を振り返ると“二枚目”なキャラクターが多い竹野内だが、本作では妻に出て行かれ、生徒からも人気がまったくない大学の数学講師・孝の姿を、これ以上ないほどの“格好悪さ”で演じている。竹野内は「とにかくはがゆくて情けなくて、みじめで……お前頑張れよ!と思わず応援したくなりました」と語り、「自分を何とかして変えたい、変えなくちゃいけないという気持ちで孝は朗読教室に飛び込みます。普通の人であれば、こんな偏屈な人に関わりたくないと思うようなキャラクターなんですが、それでも憎めない、無邪気な人という色付けをしていくことができればと思い、取り組んでいました」と役作りの裏側を明かした。


 第1話で孝を叱責する講師・江崎京子を演じる麻生は「私自身、朗読が好きで、読み聞かせも日常的に行っていたので、参加させていただけることを楽しみにしておりました」とコメント。


 これまでも朗読劇やナレーションの仕事をこなしてきた麻生だが、本作で朗読の一番重要な部分を知ったという。「谷川俊太郎さんの『夜はやさしい』をプラネタリウムとあわせて朗読させていただいたことがありました。初めに収録したときは谷川さんから『何かが違う』と意見をいただき、録り直すことになったんです。2回目は谷川さんが私の目の前に立ってくださいました。『僕に向けて読んで』と。私も読み方を特別に変えたわけではなかったのですが、谷川さんに向けて朗読をしたら1回でOKをいただいたんです。何が違ったんだろうとずっと疑問に思っていたのですが、本作を通して、相手に伝える気持ち、それが朗読には一番大切だったんだと改めて教えてもらいました」。


自身の声についてどう思っているかと質問が飛ぶと、竹野内は「自分の声や話し方にはすごくコンプレックスがあります。でも、麻生さんにお会いしたときに『声がステキですね』と褒めていただけて。自信を持ってもいいのかなと(笑)」と場内を笑わせた。


 竹野内は「スマホひとつあれば自分の思いや気持ちを誰にでも伝えられる時代です。でも、LINEやメールでは伝えることのできない、人の温もり、声で伝えることの大切さを視聴者の方々に感じていただければと思います」と本作の魅力を語った。(取材・文=石井達也)