フォース・インディアF1チームのCOOであるオットマー・サフナウアーは、セルジオ・ペレスとエステバン・オコンのいずれかでも今後さらに問題を起こすようなら、他のドライバーに交代させることも考えると発言した。ふたりは再びベルギーGPで接触したため、チームはイタリアGPを前に新しいルールを設けたという。
チームメイト同士のふたりは、ベルギーGP決勝中に2度にわたり接触し、2度目の接触でオコンのフロントウイングはダメージを負い、ペレスの右リヤタイヤは破損した。最終的にオコンは9位で完走したが、ペレスはリタイアせざるをえず(17位完走扱い)、チームは取れるはずだった大量のポイントを逃がす結果になった。
レースの後にメディアの取材を受けたペレスとオコンは、2度目のインシデントについてそれぞれ異なる見解をぶちまけた。特に激怒したオコンは、レース中にチームメイトが2度にわたって自分を「殺そうとした」とまで言い放った。
サフナウアーは「ふたりの間でこの問題を解決できなかったこと、チームが仲裁役を担わざるを得なくなったことに失望している」とし、さらに以下のように語った。
「本当にがっかりしている。最優先すべきはチームの利益であり、我々はそのために行動しなければならない」
サフナウアーは、ふたりのドライバーの間で緊張が高まっていたことを考慮すれば、チームメイト同士のバトルに関する規定をもっと早くに修正すべきだったかもしれない、と示唆した。ペレスとオコンは、アゼルバイジャンGPでも表彰台を狙える位置を走りながらクラッシュしたという経緯があった。
「我々が早いうちにバトルのルールを定めていれば、こういうことは起きなかったかもしれない」とサフナウアー。
「つまり、そのためにチームはコンストラクターズポイントを何点か獲り損ねたといえるだろう」
「だが、どのレースでもショーとして見せる要素と、ふたりを互いに真剣勝負させる要素とのバランスというものがある。それを人為的に制御することを、本当ならやりたくない」
ベルギーGP直後、サフナウアーは、次戦イタリアGPの週末の前にふたりを会議に呼び、新しい規定について明確に伝えると語った。
「規定を定める前に、まずさまざまな情報を集めてふたりと率直に話し合う必要がある」とサフナウアー。
「バトルに関する規定は修正する。それは決めたことだ。良くなる可能性がなく、むしろ悪くなるリスクしかないのなら、我々が正しい方向へ導いていくしかない」
サフナウアーは、今後もしアクシデントが起こるなら、どちらかを外す可能性もあると示唆した。
「また同じことが起きるなら、代わりに誰をマシンに乗せるのかを考えなければならないだろう」とサフナウアーが述べたとAUTOWEEKが伝えている。
イタリアGP直前にドライバーふたりに新しいルールを知らせたと、チーム代表のビジェイ・マリヤは明かした。
「シーズンのこの時期、ポイントを獲得できるチャンスを逃すことなく、最大限に生かすことが極めて重要だ。我々はふたりのドライバーたちに、スパで起きたようなインシデントの再発を防ぐために作った新しいチームポリシーについて知らせた」
「チームとして、我々には今のポジションを守る責任がある。これ以上問題が発生することなくシーズンを終えることができると信じている」
フォース・インディアは第12戦終了時点でコンストラクターズランキング4位の座についている。
レース直後はペレスに対して激怒していたオコンだが、気持ちを落ち着けた後、ペレスからの謝罪を受け入れると発言した。