FIAは、メルセデスが、F1ベルギーGPで投入した最新のエンジンを、新たな燃料規制が導入されるイタリアGP以降、使用し続けることができると確認した。
オイルを燃料として燃やすことを禁じると繰り返しF1チームに対して通達してきたFIAは、改めてイタリアGPから新たな規制を導入することを7月に明らかにした。
FIAは、チームがエンジンオイルを燃料として燃焼してパワー向上を得るという違法な行為を行うことを取り締まろうとしている。3月にはオイルの使用状況と化学成分について監視するとも述べ、アゼルバイジャンGP前には、改めてガイダンスをチームに通知し、オイルの化学成分のなかで、燃焼を向上させる効果を持つものの使用を禁止すると明言した。
さらにハンガリーGPを前に、FIAはチームに対して技術指令書を送り、新たな規制を設け、「2017年イタリアGP以降に導入されるパワーユニットのいかなるICE(内燃機関)エレメントに関しても、オイル消費量は0.9L/100km未満であることを我々は期待する。消費量がこれを超えた場合は、技術規則違反の可能性ありとして疑いを持たれ、調査されることになる」と通知した。一方、イタリアGP前までに導入されるエンジンの制限値は100kmあたり1.2リッターまでとされていた。
メルセデスは、ペナルティなしで使用できる4基目のエンジンをベルギーGPで投入した。これは1.2リッター規則に則したものであるが、これをシーズン最後まで使用し続けることができるのかどうかについて、疑問が生じていた。
マニュファクチャラーはワークスチームと同じ仕様をカスタマーチームに提供しなければならないという規則があるため、今後カスタマーチームが0.9リッター規則に沿って新エンジンを導入する際に、メルセデスも同様のものに変更しなければならないのではないかという考え方が出てきたのだ。
しかしFIAは、メルセデスはベルギーで投入したパワーユニットを使い続けることができると確認した。
「エンジン(ICEエレメント)がモンツァの週末、あるいはそれより後に導入される場合、オイル消費は常に0.9L/100kmより下でなければならない」とFIAのスポークスマンはコメントしている。
「エンジン(ICEエレメント)がスパの週末、あるいはそれより前に導入された場合、オイル消費は常に1.2L/100kmより下でなければならない」
メルセデスが規則変更直前のスパでフレッシュエンジンを投入したことに、フェラーリは不満を抱いているといわれている。
メルセデス・モータースポーツのボス、トト・ウォルフは、フェラーリが不満に感じているのであれば、直接話をしたいと語った。
「我々は今、ライバルと激しく戦い、厳しい競争関係にある。だからこそ、何か問題がある場合には、じっくりと協議する。非公開の場でだ」とウォルフが述べたと英AUTOSPORTが報じた。
「世間で物事が正しくない形にでっちあげられないよう、慎重に行動する必要がある。今のところ、それについては心配していない」