8月31日の野菜の日に合わせ、カゴメは野菜の摂取量に関する調査を実施した。厚労省が定める一日あたりの野菜摂取量350グラムを満たしている人は、今回の調査では5%しかいなかった。
「一日70グラム程度」が最も多く、全体の4割に
調査は、一日に三食摂り、食事を自分で作ったり購入したり、選んだりすることがある20歳から59歳の男女140人を対象に、今年3月16日~18日の3日間行われた。野菜の摂取量は、被験者が撮影した食事の画像から算出した。
厚生労働省では、一日の野菜摂取量の目安を350グラム(5皿)と定めている。今回の調査でこの目安を越えて摂取していた人は全体の5%に留まり、平均摂取量は132.8グラム(約2皿)だった。最も多いのは「一日に70グラム未満」(1皿程度)取る人で36%と、全体の約4割が該当する。男女別に見ると、平均摂取量より少ない人は男女共に6割程度で、性別による傾向の差はみられなかった。
年代別に見ると、20歳~34歳の約8割で野菜摂取量が平均未満だった。各年代の平均摂取量は20歳~34歳が約99グラム、35歳~49歳が122グラム、50歳~69歳が163グラムと、若い人ほど少ない傾向にある。
食事構成に注目すると、野菜摂取量が1皿程度と最も少ない人は、朝食での野菜平均摂取量が19グラム、夕食での摂取量が55グラムだった。厚労省の定める目安である5皿以上の野菜を摂っている人は、朝食で120グラム、夕食で180グラムの野菜を摂取している。
摂取量が1皿程度の人は、5皿以上の人と比べて朝食での野菜摂取量が特に少なく、朝や昼に野菜を摂れなかった分、夕食で埋め合わせようとする傾向が強いようだ。
野菜を摂らない人と350グラム以上摂る人では、1か月の食費に約8000円の差
調査では、一食あたりの食費についても聞いている。それによると、野菜をまったく摂取しない人の一食当たりの食費は306円で、1日に350グラム以上摂取する人の食費は394円と、88円の差があった。全く野菜を摂らない人と目安以上摂る人とでは、1か月で7920円もの違いが生まれることになる。
調理時間でも、野菜を多く摂取している人とそうでない人との間に差が出ている。調査1日目の調理にかけた時間を聞いたところ、野菜摂取量が平均より少ないグループでは、朝食、昼食共に「10分以下」と答えた割合が、平均より多く摂取している人たちより10ポイント以上高かった。野菜の摂取量が少ない人は、調理時間も短くなりがちのようだ。
自炊の比率は、平均以上摂取する人は94%、平均以下の人は89%と、摂取量が多い人の方がやや高かった。
厚労省の調査では、低所得者ほどバランスの取れた食事が出来ていないことが判明しているが、今回の調査では、お金だけでなく、時間のゆとりの無さも野菜不足に影響している可能性が見えてきた。リリースでは料理研究家の関口絢子さんが
「朝、昼は時間がない人が多く、それに伴い野菜が不足する傾向は顕著です。野菜を摂る為には洗浄、カット、調理という過程が必要で、素材から買って食すまでに手間がかかる事から、意識しない限り、また調理慣れしていない限り、野菜不足を解消するのは現代人のライフスタイルでは難しい状況にあることがわかりました」
とコメントしている。