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スーパーGT:TEAM IMPUL 2017年第6戦鈴鹿 レースレポート

2017年08月30日 11:52  AUTOSPORT web

AUTOSPORT web

カルソニック IMPUL GT-R 2017スーパーGT第6戦鈴鹿
TEAM IMPUL Race Report
2017 AUTOBACS SUPER GT Round6
46th INTERNATIONAL SUZUKA 1000km
2017.8.26 sat~27 sun

上位を争うも接触で後退しノーポイントに終わる
No.12 カルソニック IMPUL GT-R
安田裕信/ヤン・マーデンボロー

 今年で最後の開催となった伝統の鈴鹿1000km。TEAM IMPULとしても優勝を含め幾度となく好成績を残してきました。今季ここまで苦戦を強いられていますが、チームの総力で今季初優勝、今季初表彰台を目指して戦いました。

8/26(土)公式予選
天候:曇り/コース:ドライ
気温/路面温度:31度/37度(Q1開始時)、31度/40度(Q1終了時)、31度/36度(Q2開始時)、29度/35度(Q2終了時)
観客動員数:2万7500人
GT500クラスQ1 14:55~15:10
GT500クラスQ2 15:40~15:52

 この日の朝、鈴鹿市では降雨があったものの予選時には天候は回復。気温も30度を超す中予選が行われました。

 予選Q1は定刻通り14時55分に開始。カルソニック IMPUL GT-Rは今回、ヤン・マーデンボローがQ1アタックを担当しました。今季5戦が終了し、Q1敗退が続いていたこともあり何としてもQ2へ進出したいところ。
 
 ヤンは、予選前お気に入りの音楽を聴いて集中力を高めつつ、気合いを十分に入れてコックピットへ乗り込みました。15分間で行われるQ1前半はピット内で待機。他車も同様で、4分が経過して徐々にコースインを始めるマシンが出てきます。
 
 ヤンは残り7分30分を切ろうかというところでピットアウト、アタックへと向かいます。アウトラップ、そして1周十分にタイヤをウォームアップし計測開始。
 
 計測1周目で1'48.499をマーク。残り1分を残していたため、継続してアタック。計測2周目では1'48.765とタイムアップならなかったものの、ギリギリQ2へ進出できる上位8台中8位に滑り込み、安田裕信につなげました。カルソニック IMPUL GT-RのQ2進出は今季初となりました。

 Q2も時間通り、15時40分に始まりました。8位通過となったものの、Q2では順位を1つでも上げ、翌日の決勝レースに向けて勢いを付けていきたいところ。
 
 12分間のQ2、安田は残り7分20秒でコースインしました。アウトラップ、そして1周十分にタイヤをウォームアップし計測開始。計測1周目で1'48.254をマーク。引き続きアタックを継続します。
 
 計測2周目で1'48.244と自己ベストを更新。7位となりました。1000kmと長距離レースのため、予選順位はそこまで重要視されませんが、今季最高予選順位からレースをスタートすることになりました。

8/27(日)決勝レース
天候:晴れ/コース:ドライ
気温/路面温度/湿度:30度/47度/51%(レース開始前)
観客動員数:4万5000人
決勝レース距離:5.807km×173Laps=1004.611km
(最大延長時間18:28)
パレードラップスタート12:30

 夏休み最後の週末に行われた最後の鈴鹿1000kmレースということで、決勝日も大観衆が鈴鹿サーキットへ詰めかけました。
 
 来季の鈴鹿でのシリーズ戦は5月に移動し、通常距離300kmレースで行われる予定。それだけに例年以上の盛り上がりを見せました。
 
 他にも予選日夜の前夜祭と決勝レース前に、監督の星野一義の日産R92CP、No.37 LEXUS TEAM KeePerTOM'S関谷正徳監督のトヨタTS010によるデモランイベントが行われ、こちらも非常に盛り上がりました。

 約6時間という長丁場のため通常のラウンドより早い時間にスタート進行が実施。この日の天候も快晴。厳しい暑さの下レースが行われました。12時30分にパレードラップが始まり、フォーメーションラップを経てレーススタートを切りました。
 
 7番グリッドからスタートするカルソニック IMPUL GT-Rのスタートドライバーはヤン・マーデンボロー。スタート、オープニングラップでNo.100 RAYBRIG NSX-GT(伊沢拓也選手)をかわしまずは6位へ浮上。
 
 7周目にGT300との交錯が始まると、5位を走行するNo.46 S Road CRAFTSPORTS GT-R(千代勝正選手)に接近していきますが、間にGT300マシンを挟んだりしてなかなか順位浮上なりません。
 
 12周目、ポールポジションからスタートしたNo.24 フォーラムエンジニアリングADVAN GT-R(ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ選手)のペースが上がらず、1~6位が団子になって走行する展開に。
 
 ヤンもこれにしっかりと食らい付き、前をうかがいます。15周目、このバトルの最中No.46 GT-Rが接触しマシンを破損して脱落したため、5位へ。続く16周目のホームストレートで順位を落としていたNo.24 GT-Rをかわし4位へと順位を上げます。ここからは、前後の車両ともに間隔が空いて小康状態となります。

 29周目に1回目のピットインを敢行し、安田裕信にドライバー交代。タイヤ交換と給油を終えてコースへと戻ります。ピットに入る前に後ろを走行していたNo.16 MOTUL MUGEN NSX-GT(ジェンソン・バトン選手)に抜かれてしまい、全車が1回目のピット作業を終えて5位となります。
 
 しかし、このすぐ直後32周目にNo.16 NSXにドライブスルーペナルティが出たため4位へと再浮上。ここから、安田は表彰台圏内を目指し、3位を走るNo.64 Epson Modulo NSX-GT(松浦孝亮選手)と5位を走るNo.23 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生選手)と3位争いを展開します。
 
 しかし43周目、GT300マシンがクラッシュしたことでセーフティーカーが導入されます。マシン回収と隊列の整列が終わると48周目にリスタート。
 
 このリスタートの直前、最終コーナーを立ち上がってくる安田駆るカルソニックGT-Rの左リアの部品が吹き飛んで脱落。しかし、順位を落とすことなく4位のまま走行を続けます。
 
 57周目、2度目のピットイン。この時、走行に影響がなかったため破損した左リア部品の修復はせず、ルーティンの作業とヤンへのドライバーチェンジを終えてピットアウトします。
 
 第3スティントはNo.1 DENSO KOBELCO SARD LC500(ヘイキ・コバライネン選手)とNo.23 GT-R(ロニー・クインタレッリ選手)に先行を許してしまい、6位を走行する展開となります。
 
 5位を走行するNo.19 WedsSport ADVAN LC500(小林可夢偉選手)へのバトルへ持ち込もうとすると、すぐ後ろの7位を走行するNo.36 au TOM'S LC500(ジェームス・ロシター選手)へ逆に接近されるという状態に。
 
 全車徐々に3度目のピット作業が始まる前後からヤンはペースを上げられず、2台に抜かれてしまいます。87周目、3回目のピットへ。安田へ交代して43秒1の作業時間でコースへと戻ります。

 ピット作業を終えると6位を走行します。95周目、 GT300マシンのクラッシュで2度目のセーフティーカーが導入。マシン回収、隊列整列を終え103周目にリスタートし、安田は翌104周目のホームストレートでNo.1 LC500(平手晃平選手)を捉え5位へ。

 108周目にはNo.23 GT-Rにドライブスルーペナルティが出て再び4位まで順位を戻します。しかしこの直後109周目、No.100 NSX(山本尚貴選手)にオーバーテイクを許し5位となります。
 
 この後、安田は順位こそ守ったもののペースを満足に上げられず後続6位から9位のマシンを従えて数珠つなぎの走行となり苦しい展開となりました。
 
 115周目4度目のピット作業を敢行。ヤンへドライバーチェンジし、いよいよ終盤戦へと入っていきます。しかし、120周目。No.24 GT-Rにかわされるなど順位を落としてしまっていたヤンは、シケインからの立ち上がりでNo.36 LC500(ジェームス・ロシター選手)のインに飛び込んだものの接触。スピン、コースアウトさせてしまいました。
 
 ヤンがドライブするカルソニックGT-R自体もこれにより右フロントを破損してしまいペースダウン。順位を落とすもののそのまま走行しますが、部品が散乱し破損状況もひどくなり122周目にオレンジディスクが提示。ピットインし補修しコースへと戻るものの1周遅れの13位まで順位を落としてしまいました。
 
 129周目にはこの接触の責任を問われドライブスルーペナルティが出されてしまいました。再度ピットインし、ピットロードをドライブスルー。ペナルティを消化してコースへと戻ると14位。ポイント圏外となりました。
 
 ヤンは136周目、焦りからかスプーンで単独スピンするなど踏んだり蹴ったりの展開となっていまいました。
 
 マシン補修とペナルティ消化を含めると7回目のピットインとなりましたが、147周目にルーティンの最後のピットイン。給油とタイヤ交換、安田に最後のドライバー交代を行います。
 
 最終スティントは周回遅れのため、前を譲りながらの歯がゆい走行となった安田。レースは2度のセーフティーカーランがあり最大延長時間の18:28を超えたため、優勝マシンが171周目周回を終えた時点でフィニッシュ。
 
 カルソニック IMPUL GT-Rは最終的に終盤、アクシデント等により3台脱落したため2周遅れの11位となりましたが、あと1つ順位が足らずにポイント獲得ならず。レース距離が700km以上のためボーナスポイントが入る貴重なラウンドではありましたが、今季3度目のノーポイントレースに終わりました。

 完走こそしたものの、今一歩上位に入るだけの強さを発揮できないだけでなく、ミスでレースを落とす無念の結末となってしまいスポンサー企業様やファンの皆さんには申し訳ない結果となってしまいました。
 
 残るはウエイトハンディが軽減される、第7戦タイと最終戦もてぎのみとなりました。
 
 これまで以上に厳しい戦いが待ち構えているかと思いますが、起死回生のレースを披露できるよう準備に勤しんでいきます。引き続き、カルソニック IMPUL GT-Rへのご声援をよろしくお願いします。

カルソニックIMPUL GT-R
2017年シーズン ここまでの戦績
第1戦岡山 予選13位/決勝8位
第2戦富士 予選12位/決勝14位
第3戦オートポリス 予選9位/決勝7位
第4戦SUGO 予選9位/決勝11位
第5戦富士 予選10位/決勝5位
第6戦鈴鹿 予選7位/決勝11位
ドライバーズランキング 15位
チームランキング13位
(第5戦富士終了時点)

TEAM IMPUL Next Race & Event Information
●全日本スーパーフォーミュラ選手権 第5戦 9/9(土)~10(日)オートポリス
●全日本スーパーフォーミュラ選手権 第6戦 9/23(土)~24(日)スポーツランドSUGO
●スーパーGT 第7戦 10/7(土)~8(日)チャン・インターナショナル・サーキット(タイ)

ドライバーからのコメント
安田裕信 Hironobu Yasuda
「残念なレースになってしまいました。表彰台の可能性があっただけに非常に悔しいですが、後半戦頑張ります」

ヤン・マーデンボロー Jann Mardenborough
「接触でレースを失い申し訳なく思います。残り2戦頑張りますので、応援よろしくお願いします」

URL:http://www.impul.co.jp/
Twitter:https://twitter.com/IMPUL_official
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