キリスト教の専門出版社であるキリスト新聞社は、小説投稿サイト「トークメーカー」で「聖書×トークメーカー ライトノベル新人賞」を実施する。
同賞では、聖書・教会・キリスト教などをモチーフにした、キリスト教への理解を深めることができるライトノベル作品を募集。大賞受賞者には同新聞での連載を確約し、1巻分の連載が完了したら、受賞者と相談の上、刊行する。
ラノベを通して10~20代にアプローチしたい
賞の設立について、キリスト新聞社の松谷信司編集長は「若い人に聖書に触れてもらうきっかけになれば」と話す。
「以前から、どうすれば10~20代の方に届くコンテンツが生み出せるかを考えていました。そんな中、『トークメーカー』を運営する未来創造から『新人賞を作りませんか』というお誘いを受けたんです」
若者は新聞離れの傾向があるが、ライトノベルであれば読みやすいと考え、今回の「聖書ラノベ大賞」の実施が決定した。今まで"キリスト教"というジャンルのラノベはなかったため話題性もあるのでは、と考えているようだ。
同社は今までに聖書を題材にしたカードゲームやアプリなどを制作しており、ユーザーから「遊んでいく中で、原作を読みたいと思うようになった」という反応があったという。松谷氏は、
「今回の賞でも、聖書やキリスト教に触れてみたくなる作品を募集しています。以前『宗教改革』をモチーフにしたゲームの企画を募集したときは約20作品の応募があったので、それ以上の作品が集まるといいなと思っています」
と期待する。
「ラノベとしても面白く、わかりやすくキリスト教が描かれている作品」に期待
しかし一方で、近年ラノベは飽和状態になっているともいわれる。松谷氏も「いわゆる"ライトノベル"は消費しつくされていますよね」と分析。
「今ならラノベといえば『異世界転生モノ』とパターン化されています。また、ただ"教会"のモチーフを散りばめただけの作品ならウチで出さなくても、と思います。ライトノベルとしても面白く、わかりやすくキリスト教が描かれている作品をお待ちしています」
投稿へのハードルは、中々高く感じられる。しかし「日頃ライトノベルに慣れ親しんでいる人に、今までにないものを作ってほしい」とし、多少キリスト教に関する知識がなくても「新聞掲載時や刊行時には、牧師や神父に監修をしてもらいますので、ご安心ください」と話した。
応募資格は「宗教不問、改宗不要、プロアマ不問」。募集期間は9月1日~12月31日、「トークメーカー」内へ小説を投稿し、「聖書ラノベ新人賞」とタグをつけることで応募が完了する。
「トークメーカー」では、テキストだけで構成された「一般小説形式」の他、アイコンや画像を使用して構成する「キャラクター会話形式」の小説も投稿できる。選評委員は作家、漫画原作者の架神恭介氏と、ライトノベル作家の至道流星氏が務める。