女優の真木よう子さん(34)が8月27日、「コミックマーケット93(コミケ)」への参加を撤回し、謝罪するという騒動があった。クラウドファンディングで集めた資金で雑誌を作成し、コミケで頒布すると発表した後、批判が相次いでいたためだ。
これまでにも芸能界からは小林幸子さん(63)や叶姉妹がコミケに参加してきたが、歓迎されこそすれ、批判が集まることはなかった。なぜ真木さんには批判が殺到してしまったのだろうか。
「真木さんからはコミケやコスプレに対する熱意が感じられない」
真木さんは8月25日、「CAMPFIRE」というクラウドファンディングのサイトで「真木よう子、フォトマガジン出版プロジェクト」を発表した。目標金額の800万円を集めて、オールカラーで320ページの雑誌を作成し、12月に開催されるコミケで頒布するつもりだった。
雑誌には「皆様の御希望の写真、ワタクシ(※編注 真木さん)の本音」などが掲載されるといい、インタビュアーとして吉田豪氏、編集には北尾修一氏が参加。まさに業界の一流どころが集まっている。
しかし真木さんがコミケ参加を表明すると、ネット上で
「コミケというものを全くわかっていない」
「コミケとは関係のない所でファンイベントを開催するという形にして欲しかった」
といった批判が相次いだ。26日にはてな匿名ダイアリーに「真木よう子氏コミケ参戦の何が問題か」というエントリーが投稿され、「自費出版が原則のコミケでクラウドファンディングにて製作した本を頒布」といった問題点が指摘されていた。
ただ、そうした点を考慮してもかなりの炎上ぶりだ。一体何がまずかったのか。ITジャーナリストの井上トシユキさんは、
「真木さんからはコミケやコスプレに対する熱意が感じられない。ドラマの宣伝や売名に利用しようとしていると感じた人が反発しているのではないか」
と語る。また真木さんが「一方的で上から目線」なのもよくないという。
「叶姉妹の場合は、オタクたちも『自分たちと同じ目線で参加しようとしている』と感じることができた。しかし真木さんの場合は『私がコスプレ写真集を出したらどうせ買うでしょ』という一方的な上から目線を感じる。これも反感を買っている一因でしょう」
「外部からプロが参加することに批判が出るのは当然」
そもそも「コミケはアマチュアの参加する場」だと指摘するのはジャーナリストの河嶌太郎さんだ。
「コミケは好きで描いている人たちが自己表現するための場所で、アマチュアリズムが強い。そのため外部からプロが参加することに批判が出るのは当然だ」
特に真木さんは「クラウドファンディングを持ち込むなどビジネスライクであるため、アマチュアリズムの理念に反するという反発が出るのは仕方がない」という。
相次ぐ批判を受け、真木さんは27日、「ワタクシの気持ちを皆様に」という文章を「CAMPFIRE」に投稿。
「全ては、全ての事に対し、無知な私の責任です」
「コミックマーケット様。並びにコミックマーケットを愛していらっしゃる方々。参加している方々。に、深く謝罪を、申し上げます」
と謝罪した上で、コミケへの参加を撤回した。作成した雑誌は、クラウドファンディングの参加者には個別で郵送するという。