ARTA NSX-GT
第6戦 鈴鹿サーキット GT500決勝レポート
午前のバランスの良さが決勝で急変、しぶとく走り8位ポイント
レース中の気温が30℃以上になる予報があり、スタート直前のウォームアップ走行では決勝のセット確認を行い、微調整をしてスタートを待った。ウォームアップ走行での車のバランスは向上しているようだ。
スタートドライバーは野尻智紀。長丁場のこのレースはレースが荒れる事が多いので、序盤を後方から様子をみながら戦況を見て、後半に勝負をかける作戦だ。しかし、序盤からハイペースでレースが進んだ。野尻はトップグループと同レベルのラップで周回を重ねた。
15周を過ぎたあたりから徐々に動きが出始める。コースアウトしてしまう車が出てきたり、柔らか目のタイヤを選んだチームは早めのピットインが始まる。野尻はペースも良かったので、他車のピットインに助けられたとはいえ、ポイント圏内まで順位をあげてきた。
徐々に300クラスの車も増えてきて、タイヤも摩耗が進んできたので予定を早め28周でピットイン。小林崇志に交代した。小林は序盤速いペースで周回を重ねるものの、周回を重ねるに連れ徐々にバランスが崩れてきたようだ。
小林のスティント中にチームメイトの高木が他車に追突されてセーフティーカーが導入された。小林はここで前車とのギャップを取り戻し、再スタートを待ったが、順位を落としていたので、ここで作戦を変更してセーフティーカーが出ていってピットロードがオープンになったと同時に野尻に交代。野尻は最初の数周は何とか速いラップで周回するものの、徐々にバランスが崩れてきてコントロールに苦しんでいた。
順位を12番手まで回復したものの、なかなかペースが上げられないので、78周目にルーティンのピットインを行った。小林はコンディションが変わってコントロールが難しくなった車を何とか安定したペースで走らせていた。
順位の変動も無く、野尻に交代。野尻はポイント圏内の10番手まで順位を上げたものの、そこから順位を上げるのは困難なほど車のバランスが変わっていた。改善出来ないまま最後のスティントを小林に託した。
小林は前車の脱落もあり、8番手まで車を走らせた。途中、他車のトラブルに巻き込まれそうになり、危うくクラッシュするところだったが、何とか切り抜け、8位でチェッカーを受ける事に成功した。
鈴木亜久里監督のコメント
「昨日から車のバランスも良くて、決勝を想定したセットも速かったんだけど、コンディションの影響なのかペースを上げる事が出来なかったね。原因が分からないので、帰ってもう一度このレースを見直して、タイのレースに挑みたいね。次は軽くなるから、優勝争いが出来るように頑張ります」
星学文エンジニアのコメント
「昨日のポジションが悪かったので、どうやって追い上げようかと考えていました。ウォームアップでは良い感触だったのですが、いざ走ってみるとなかなかペースを上げられませんでした。帰って分析して次のレースの為に準備したいです」
野尻智紀選手のコメント
「厳しいレースになってしまいました。始まる前まではレースペースは良いと思っていましたが、そうではありませんでした。作戦やレース展開で挽回していきたいと頑張っていましたが、トップと同一周回でチェッカーを受ける事が出来たものの、他と争える力がありませんでした。次のレースに向けて準備していきたいと思います」
小林崇志選手のコメント
「ウォームアップ走行では非常にフィーリングが良かったので、後方から追い上げられると思っていました。いざ自分のスティントで走り始めたら、自分では予想できないバランスに変わっていたので、ペースを上げる事が出来ませんでした。こんな状態でもポイントを獲得出来たのは収穫だと思います。次回のタイはウェイトも半減するので、しっかり準備していきたいです」