LEXUS TEAM ZENT CERUMO
2017 AUTOBACS SUPER GT Report
48th INTERNATIONAL SUZUKA 1000km
第6戦 鈴鹿サーキット
ZENT CERUMO LC500
#38 立川祐路/石浦宏明
◆8月27日(日) RACE
決勝結果 10位
<公式予選>天候:晴れ コース状況:ドライ
思わぬマシンの不調に苦しめられた予選から一夜明け、SUPER GT第6戦鈴鹿1000kmは決勝日を迎えた。好天にも恵まれ、朝から非常に多くのファンがサーキットを訪れ、観客動員数は過去最高となる4万5000人という数字となった。
LEXUS TEAM ZENT CERUMOはそんなレースで少しでも上位フィニッシュを果たすべく、考え得る打開策をZENT CERUMO LC500に施し、午前11時55分からのウォームアップ走行を迎えた。チームは立川祐路にステアリングを託し、2回ピットインをしながら改良を進め、1分52秒821というベストタイムをマークした。
気温30度という酷暑のなかで迎えたスタートで、ZENT CERUMO LC500のステアリングを握ったのは立川。序盤からGT500クラスの上位陣が混戦を展開するなか、立川はウォームアップ走行で得られたデータをもとに改善されたZENT CERUMO LC500を駆り、13番手で周回を重ねていく。このレースは5回のピットインが義務づけられているが、GT500クラスでは多くのチームが近いタイミングでのピットイン作業を行う展開。立川もランキング上位を争う#23 GT-Rや#37 LC500と同様、28周を終えピットイン。石浦宏明に交代した。
石浦は前を走るライバルたちにペースでも遜色はなく、ピットインで順位を上げ10番手で周回を重ねていくが、39周目に前を走るライバルをスプーンカーブで抜こうとする際、ヒットされてしまいスピンを喫する。幸い、すぐにリスタートすることができ、3つポジションを下げたものの、途中セーフティカーが入ったこともあり中団グループは接近しており、リカバリーは可能かと思われた。
石浦はその後着実に走行を続け、ライバルたちをピタリとマークしながら58周を終えてピットイン。ふたたび立川に交代する。ここでもLEXUS TEAM ZENT CERUMOの作業は早く、ポジションを上げることに成功。立川は#36 LC500を抑えながら第3スティントに挑んでいた。
しかし、62周目に差しかかった立川の前方に、ピットアウトしてきた#37 LC500が接近する。アウトラップはタイヤも冷えており、立川は#37 LC500を難なくかわそうとラインを変えるが、やや#37 LC500に詰まってしまった。すると、逆バンクで立川の背後につけていた#36 LC500がZENT CERUMO LC500のテールを突くかたちになってしまい、立川はたまらずコースアウトを喫してしまった。
姿勢を乱した立川はなんとかZENT CERUMO LC500をコントロールし、バリアにクラッシュすることは避けたものの、グラベルから脱出するのに時間を要してしまい、これで14番手にドロップしてしまう。さらにその直後、LEXUS TEAM ZENT CERUMOのピットには、ピット作業違反によるドライブスルーペナルティが課されてしまった。
立川がコースアウトを強いられた際にラジエターグリルにはグリーンが入ってしまっていたものの、幸いZENT CERUMO LC500に大きなダメージはない。立川は78周を終えピットインし、ふたたび石浦に交代。あきらめずに前を追った。
しかし、今度は95周目に130RでGT300クラスのマシンがクラッシュしてしまい、2回目のセーフティカーが導入される。すでにラップダウンを喫してしまっていたZENT CERUMO LC500は、集団となった際に、上位陣に前を譲らなければならない。すでにZENT CERUMO LC500は2ラップダウンになってしまい、上位進出は自分たちの手では厳しい状況になってしまった。
それでも粘り強く戦ったZENT CERUMO LC500は、87周、121周、146周にピット作業を行い、堅実にレースを進める。すると、タイヤトラブルやクラッシュに見舞われ上位陣が1台、また1台と後退。ZENT CERUMO LC500は順位が上がっていった。終わってみれば、ZENT CERUMO LC500は2周遅れではあるものの、10位でフィニッシュ。貴重な2ポイントを加算した。
これで立川と石浦のドライバーランキングは、トップから16点差の5位となった。まだタイトルは射程圏内であり、次戦のタイでのレースで大きなポイントを獲得できれば、挽回も可能だ。そして次戦からは、ZENT CERUMO LC500を苦しめてきたウエイトハンデも軽減される。LEXUS TEAM ZENT CERUMOはリベンジに燃え、夜のとばりが降りた鈴鹿を後にした。
ドライバー/立川祐路
「前日からリヤのグリップに苦しむ状況がありましたが、ウォームアップ走行ではその症状を改善させ、グリッドでも作業を行いました。レースをスタートしてからはフィーリングも良くなり、レクサスのライバルたちと戦いながら走行を重ねました。ストレートが苦しく厳しい戦いになっていましたが、まずまずの第1スティントだったと思います。しかしその後、自分の2回目の担当のときに、ピット作業で前に出られたものの、ライバルに接触されてしまい、コースアウトしてしまいました。クラッシュだけは避けられたのは幸いでしたが、それで大きく遅れてしまいました。さらに、ピット作業違反でドライブスルーペナルティを受けてしまい、ラップダウンになってしまったのが大きな分かれ目でしたね。さらにセーフティカーのタイミングでも遅れ、最後は自力で挽回できる状況ではなかったです。上位陣の脱落もあって、10位で2ポイントを獲得できたのは不幸中の幸いでしたが、流れが良くなかったです。次戦で挽回するしかないと思います。タイで勝ちたいですね」
ドライバー/石浦宏明
「ピットアウトした時点で、作業も早く10番手に上がることができました。その時点で前を走る4台のライバルよりもペースは良かったのですが、GT300車両をオーバーテイクしようとしたときにライバルを抜こうとしたらヒットされてしまい、スピンを喫してしまいました。その後はリスクを冒さず、ピット作業で前にいこうと思っていたのですが、立川選手がプッシュされてしまう映像が入り、さらにペナルティも受けてしまった。これで周回遅れになってしまい、さらにセーフティカーでもラップダウンになってしまい、自分たちのレースにはできませんでした。今回、クルマの調子も予想よりも良くなかったですし、まずはクルマの違和感を解決して次戦に臨まないといけないと思っています。チャンピオンシップを考えると、もう落とせないと思っています」
浜島裕英監督
「じっくりと順位を上げていくレースにしたいと思っていましたが、残念なレースになってしまいましたね。結果で言えば、表彰台に上がることも不可能ではなかったと思っています。もう一度基本に立ちかえって、ミスやトラブルがないようにして、残り2戦でなんとかチャンピオンを目指して頑張っていきたいと思います。昨年は鈴鹿が良くて、タイは厳しいレースになりましたが、今年は逆になるよう、みんなで一歩ずつ詰めていきたいと思います」