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スーパーGT:レースの荒波に揉まれたジェンソン・バトン「なんでこんなにサーキットにクルマがいるんだ!」

2017年08月28日 01:02  AUTOSPORT web

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第2スティントを走り終え、インタビューに応じるジェンソン・バトン
8月27日に決勝レースが行われたスーパーGT第6戦『第46回インターナショナル鈴鹿1000km “SUZUKA 1000km THE FINAL”』にスポット参戦したジェンソン・バトン(MOTUL MUGEN NSX-GT)が、1000kmの激闘を振り返った。

 バトンは25~51周目までの第2スティント、116~134周目までの第5スティントを担当。しかし、バトンのGTデビュー戦には波乱が待ち構えていた。

 まず、24周目終わりにピットへ飛び込んできた中嶋大祐からステアリングを引き継いだバトンだが、ピットからマシンをスタートさせた際、ピットレーンを走行していたStudie BMW M6とあわや交錯する場面があった。

 幸い、接触はなかったものの、この1件がアンセーフリリースと裁定されてドライブスルーペナルティ。この時、3番手でコースに復帰したバトンは大きくポジションを落とすこととなった。

「スタートの飛び出しでペナルティをもらったことにはフラストレーションがあった」とバトンは当時の状況を振り返る。

「これがなければもっといい1日で終わってたかもしれないけど、でもレースはいつも自分の思う通りになんていかないし、これまでの経験から、すべてがうまくいかない時もあることを知っている」

「たまたま、アクシデントがあの時に起きただけだと思っているよ」

 ペナルティを消化した後は、ARTA BMW M6 GT3がコース上にストップしたことに起因するセーフティカーランを経験したほか、バトンにとって2スティント目となる第5スティントでは、タイヤがスローパンクチャーするアクシデントにも見舞われた。

 レースならではの荒波に揉まれ、最終的に12位でデビュー戦を終えたバトンだが、一方でスーパーGTレギュラードライバーたちとも激しいバトルを展開。シリーズの特徴であるGT300クラスとの混走も本格的に体験することとなった。

「GT300を何度もオーバーテイクしながら、GT500と戦うことに頭と神経を使った」

「2スティント目なんて1ラップ差がついていたのに、それでも戦わなきゃいけないクルマが周りにたくさんいた」

「『なんでこんなにサーキットにクルマがいるんだ!』って感じだった。まあそれが楽しかったわけだけどね」

「GT300は直線でスピードが出るからオーバーテイクするのは難しいと感じた。でもGT300に囲まれながら、GT500のクルマとレースを戦うのは本当に素晴らしい体験だったよ」

「彼らのおかげでオーバーテイクを味わうことができたわけだしね。そういった要素がレースに加わって楽しかった」

 バトンがレースを戦ったなかで、印象に残ったというのが23号車MOTUL AUTECH GT-R。特にポジション争いを演じたロニー・クインタレッリの走りについては「すごくアグレッシブな運転で、面白いなと感じた。彼がドライバーとして、とても成長していて、ここ数年とてもコンペティティブなドライバーだってことがよく見て取れた」と印象を語った。

 初めてのスーパーGT、初めての鈴鹿1000kmは「タフな1日だった」というバトン。気になる2018年シーズンでのリベンジ参戦については「まだ来年のことは分からない。一度に1つずつこなしていく、って感じかな」と明言は避けたものの、「この週末はただただ楽しかった」と述べている。

「スーパーGTとホンダ、TEAM MUGENを応援してくれる、本当にたくさんのファンに出会えたことが素晴らしかった」

「たぶん、またいつかここでレースすることになるかもしれない。ただ、それが実現できるかはまだ誰にも分からないよ」