ウイリアムズがフェルナンド・アロンソに2018年のF1シートをオファーしたという噂が、ベルギーGPの土曜日にスパのパドックを駆け巡った。発端はドイツの複数のメディアが「ローレンス・ストロールが息子のランス・ストロールが所属するウイリアムズに対して、アロンソを獲得してほしいと働きかけている」と報道したためだ。
だが、アロンソの地元であるスペインのメディアは冷静だ。あるスペイン人メディアは言う。
「もちろん、その件に関して、フェルナンドはわれわれ地元メディアにもイエスともノーとも言わないが、話をしていれば、表情や態度でイエスかノーぐらいはわかる」
つまり、そのスペイン人は、アロンソがウイリアムズに行く可能性はないと考えていた。
では、なぜこのような噂が流されたのか。それはアロンソがマクラーレンに対して揺さぶりをかけているのではないかと、そのスペイン人記者は分析する。
「夏休み前、フェルナンドはザック(・ブラウン/エグゼクティブディレクター)に対して、残留の条件として4000万ユーロ(約52億円)を提示したが、ザックは現在の3500万ユーロ(約45億円)が限界だと突っぱねた。
それでも、フェルナンドが減額に応じないと、マクラーレン側はハンガリーGP後のテストで、育成ドライバーのランド・ノリスに新品タイヤを5セットも履かせて、1週間前にフェルナンドが記録した予選タイム1分17秒549より速い1分17秒385をマークさせた。
このニュースはイギリス・メディアによって広められ、そのことがフェルナンドの気に障った形となり、フェルナンドは対抗措置としてドイツ・メディアを利用したんじゃないかと考えている」
最強のメルセデス・エンジンを搭載しながら、ベルギーGPでのウイリアムズは予選で2台そろってQ1落ち。現在、コンストラクターズ選手権では5位だが、4位のフォース・インディアとは70点差。逆に8位のルノーとは15点差と尻に火がついている状態。
「たとえホンダ・エンジンだとしても、マクラーレンにいたほうが得策」だとスペイン人記者は推測する。
アロンソに関しては、インディ転向も噂されているが、「こちらは1000万ドル(約11億円)しか、出せないということで、ほぼない」(某スペイン人記者)とか。
もし、マクラーレンが4000万ユーロで手を打たない場合、アロンソは1年間の休暇、最悪の場合は引退もあると、スペイン人記者は予測している。果たして……。