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スーパーGT:前夜祭にバトン、可夢偉ら登場。可夢偉、決勝の担当スティント変更を切望!?

2017年08月26日 21:22  AUTOSPORT web

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前夜祭のトークショーに出演したジェンソン・バトン、小林可夢偉、中嶋一貴
鈴鹿サーキットで行なわれているスーパーGT第6戦鈴鹿1000km。決勝レース前夜である8月26日、恒例の前夜祭が行われ、ジェンソン・バトン(MOTUL MUGEN NSX-GT)、小林可夢偉(WedsSport ADVAN LC500)、中嶋一貴(au TOM'S LC500)、千代勝正(S Road CRAFTSPORTS GT-R)がトークショーに登場。この日訪れた多くの観客がメインスタンドからイベントを楽しんだ。

 18時25分ごろ、メインスタンド前のステージにバトンが登場すると、MCを務めたピエール北川のかけ声とともに「おかえり」と大きな歓声が上がった。

 バトンはこの日の予選を振り返り、「予選は悪くなかったと思うんだけど、ちょっとトラフィックに引っかかってしまったね。(予選Q1で)8番手になるところだったんだけど」とコメント。

 さらに、F1からスーパーGTのマシンに乗り換えた印象について「スーパーGTはとても速いと思うよ。スピード的には(F1と)同じくらいの感覚だけど、まったく違うといえば違うね」と語った。

「2016年から(スーパーGTで)走りたいと思っていたんだ。それで、ホンダの山本部長(山本雅史モータースポーツ部長)に2016年のホンダサンクスデーで一度乗ってみたいとお願いして、乗ってみたんだよ。そうしたら面白かったので、(レースでも)走りたいなと思ったんだ」

「(スーパーGTの)クルマに慣れないといけないよね。インジケーターをつけようと思うとパッシングのライトがついてしまったりとか、わかってるつもりだけどやってしまうんだ。最初は戸惑ったよ」と、ステアリングの違いによる失敗談なども飛び出した。

 また、バトンに続いてステージに姿を現したのは、バトン同様にこの鈴鹿1000kmが初のスーパーGT参戦となる可夢偉と、シリーズにそしてレギュラー参戦する一貴を加えた元F1ドライバー3名という豪華な顔ぶれ。トークショーは終始笑いが絶えず、観客を沸かせるものとなった。

 可夢偉は見守る形となったこの日の予選について「チーム(LEXUS TEAM WedsSport BANDOH)は今日、2番手を獲得したんですけど、僕は今日は(予選で)走っていません。走らずに2番手を獲れて……すごく気持ちよかったんです(笑)。予選を見ている最中が気楽で。なんて幸せな土曜日なんだろう、って」と語った。

「バトンにも『カムイ、(予選)行かないの?』って言われたんです。でも『ノー! だめだよ、そんな無理しちゃ』って(笑)」

 さらに、トークが進むなかで、翌日の決勝レースでの走行順を変更したいという話が飛び出すサプライズも。「僕、明日は第2スティントで走ります」と言うのは可夢偉。

 可夢偉は「明日(の決勝レースで)は、僕が第3スティント、第6スティントを走る予定でした。でも、ジェンソンも一貴も第2スティントを走るって言うんです」と言うと、「僕、2回目(第2スティントで)お願いします!」とステージ上から坂東正敬監督に呼びかける。果たして第2スティント、元F1ドライバーによるバトルが見られるだろうか。

 また、トークショーでは2018年から始まる鈴鹿10時間耐久レースについても話が及んだ。鈴鹿10時間はFIA-GT3規定車両をメインとした“GTカーの世界一決定戦”として行われるもの。

 ここでは2015年オーストラリアのバサースト12時間耐久レースで日本人初の総合優勝を果たし、同年ブランパンGTシリーズでチャンピオンを獲得した千代が登場。GT3カーでのレースについて話が進んだ。

 2018年から開催される鈴鹿10時間について、可夢偉から「僕はたぶん参戦すると思います。世界一と言われたら、出たいですから」という言葉が飛び出すとスタンドからは拍手が上がる場面も。

 バトンはGT3マシンについて「興味はあるけど、GT3に乗ったことはないんだ。さっき少しだけGT3マシンに乗ったけど、感覚がスーパーGTマシンとは違うね」と語り、10時間耐久レースに向けては「まずは今回のスーパーGTに集中していきたい」と明日のレースへの集中のほどを伺わせる。

「僕はF1で戦っていたとき、最後の方のレースでは抜かされるばかりだった。今回はトップを走りたいと思ってるんだよ」とバトン。そのコメントは、トップでのチェッカーが目標であることを感じさせた。

 イベントではこのあと、バトンがステアリングを握るホンダNSX GT3、千代がドライブするニッサンGT-RニスモGT3によるデモ走行が行われた。多くの観客の前で2台のGT3マシンが咆哮を上げて走り去る様は、翌日の決勝レース、そして2018年の鈴鹿10耐への期待を充分に高めるものとなった。