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姫乃たま × プー・ルイが語る、“暗黒女子”とアイドルの裏側 「BiSは不幸を糧に大きくなってきた」

2017年08月26日 12:03  リアルサウンド

リアルサウンド

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 今年4月に公開され、その衝撃的な内容から話題になった映画『暗黒女子』のDVD&Blu-rayが、現在発売中だ。


参考:若手女優が“過激な演技”に挑戦するときーー飯豊まりえが告白する『暗黒女子』撮影裏話


 本作は、秋吉理香子の同名小説を、『MARS~ただ、君を愛してる~』の耶雲哉治監督が実写化したミステリー映画。聖母マリア女子高等学院のカリスマであり、文学サークルの会長“白石いつみ”の「死」をテーマに、部員たちが自作の物語を朗読することによって、5つの動機と5つの結末が生まれる模様を描く。清水富美加と飯豊まりえがW主演を務めるほか、キャストには、清野菜名、平祐奈、玉城ティナ、小島梨里杏ら今注目の若手女優が名を連ねる。


 今回、リアルサウンド映画部では、地下アイドルの姫乃たまと、アイドルグループ・BiSのプー・ルイによる対談を企画。アイドルとして活動している二人は、共に女子校出身だという。そんな彼女たちは、本作になにを感じたのか。そして“女の園”アイドルの実態とは一体どういうものなのか。“暗黒女子”をテーマに、本音で語り合ってもらった。


■姫乃たま「私の中でルイさんは、“女の園で頑張れる人”という印象」


ーー今日お二人は初めてお会いしたと思うのですが、お互いの印象を教えてください。


プー・ルイ:私も初対面だと思っていたのですが、実は違うらしいんですよ。BiS主演の映画『IDOL is DEAD』に、姫乃さんも出演してくださっていたようで。


姫乃たま(以下、姫乃):そうなんです。地下アイドルとして活動を始めて、2、3年目ぐらいの頃に、知り合いの映画監督から私のポスターを映画で使うから貸して欲しいと頼まれて、なんの映画かもわからずに渡したことがあるんです。それがなぜか、「撮影で深谷まで行って欲しい」という話になって、しかも撮影開始が朝の5時だったんですよね。始発だと間に合わないので前乗りすることになって、終電でひとり深谷まで行ったんです。そしたらいきなり暗い部屋に連れていかれて、扉を開けたら暗闇で女の子たちが雑魚寝してました。なんの映画か聞いてないし、怖くて思わず部屋を出て、駅前で夜を明かしたのですが、その雑魚寝していた女の子たちの中にルイさんもいたんだな、と。


プー・ルイ:でも、その撮影の時には話してないんですよね。


姫乃:早朝からみなさんお忙しそうでした。しかも私の撮影はバラシになってしまって……。翌日、井の頭公園で追撮したんですよ。前乗りして深谷まで行ったのに! ってすごく思った記憶があります(笑)。


プー・ルイ:めっちゃ撮影押してたんですよ。


姫乃:そうそう、大変そうでした。だからルイさんとは5年ぐらい前にお会いしているんです。


プー・ルイ:まだ(寺嶋)由芙ちゃんたちがいた時かな?


姫乃:そうですね。ただ現場でお会いしただけじゃなくて、リアルサウンド映画部で記事を執筆するのにBiSの映画は全て拝見しているので、一方的にルイさんのことはとても見ています(笑)。


プー・ルイ:ありがとうございます。私は、姫乃さんの写真を見ていて、背が高いのかなと思っていたのですが、お会いしたら意外と小さくて、びっくりしました。


姫乃:にゃはは、よく言われます。私の中でルイさんは、“女の園で頑張れる人”という印象がありますね。私は割と女だけの世界は苦手なので……。でも、女子大に通っていたのですが。


プー・ルイ:私も女子大でした。色々共通点がありますね。私は中学から女子校だったんですよ。


姫乃:なるほど! だからBiSという女の子だけのアイドルグループで生き抜いていけるのかもしれないですね。しかも、BiSは過酷な企画やオーディションもたくさんあるじゃないですか。女の子同士で競わされるのを見ていると辛くて……ルイさんはタフだなっていつも思ってます。


プー・ルイ:でも、ソロアイドル界隈も色々あるじゃないですか?


姫乃:確かにソロアイドルもバトル形式のイベントはあるんですけど、避けようと思えば避けられるんですよ。グループで活動するとなると自分一人では決められないじゃないですか。それがすごい大変だな、と。しかもルイさんはドキュメンタリー映画で見る限り、BiSの中でいつも一番強いじゃないですか。


プー・ルイ:そんなことない。一番性格が悪いんです(笑)。


■プー・ルイ「(BiSは)メンバー同士でチューばっかしてますよ(笑)」


ーー『暗黒女子』も舞台は、女子高ですよね。女子だけしかいない環境って違和感がありませんか?


プー・ルイ:女子校である中学校に入学した時が一番びっくりしましたね。小学校までは当たり前のように男の子がいる学校生活を送っていたので。慣れちゃえば感覚も麻痺しますし、女子だけの空間が普通になっちゃうんですが、最初はキモって思いました(笑)。ちょっとしたホラーですよ。『暗黒女子』で描かれている世界ほどではないですが、こういうドロドロは女子特有ですよね。男子校じゃ絶対に起きないスクールカーストと言いますか。


姫乃:そうですね。忘れようとしていた“あの頃”が詰まっていましたね……。


プー・ルイ:争いは嫌いなんですか?


姫乃:すこぶる苦手です。それ以前に全員で同じ制服を着ること自体、怖いんですよ。それによって思春期の女の子たちの間にあるヒエラルキーが強調されるじゃないですか。嫌な思いをした経験がある人もたくさんいると思うんですけど、大人になるにつれて遠ざけてきたそういう気持ちを、『暗黒女子』を観てふと思い出しました。


プー・ルイ:そうなんですね。私はミーハーなので、女子高のスクールカースト争いに自ら入っていくタイプでした。トップを目指していたのですが、大抵は頂点のグループの下っ端でしたね(笑)。まさに『暗黒女子』でいう、飯豊(まりえ)さんが演じた(白石)いつみ様の配下という感じです。“白石いつみ”にはなれないんですよ。脇役系で存在してました。


姫乃:私はいじめられっ子だったので、争いに参戦するレベルにも達してなかったですね。


プー・ルイ:でも私、地味でしたよ。「地味ルイ」って頂点のギャルたちから言われてました(笑)。あとこの作品には、男性から見た女子高の世界や理想像が詰まっている印象を受けましたね。リアルに寄せたらもうちょっと視覚的に汚いかな、と。実際は言葉遣いも荒いですし。女子高の女は外に出ると変わるんですよ。


姫乃:そういうものですか。大学だと全然喋らないから知らなかったです。


プー・ルイ:大学だとまた違うんですよね。学校以外にも生活の軸があるから、世界が広いんです。多分、大学は女子校も共学も大差ないんですが、中学、高校の女子校男子校はやっぱり異質感がすごく強い。文化祭で知り合ったとかでたまに男の子文化が入ってくると、態度が変わるんですよ。その時期から女は女なんだなっていう。でも、『暗黒女子』の日常版みたいな出来事が、学校の中でも日々起こっています。誰がカーストの頂点に立って、誰を排除して、みたいな。だから、そういう世界を生き抜いてるので、女子校の女子はたくましいんですよ。


姫乃:それは過酷な……。ルイさんが長くグループで生き残っている理由がわかった気がします。女子高生って学校内で形成されるヒエラルキーだけじゃなくて、学校の外にいる人たちの目線も意識しているじゃないですか。『暗黒女子』の物語も学校内で完結しているようですが、聖母マリア女子高等学院に通う彼女たちもまた、外の世界を意識している印象がありました。特に印象的だったのが、清野(菜名)さん演じる高校生作家の高岡志夜が放つ、「大人になってからの1年だったらいくらでも差し出せるけど今の1年は差し出せない」というセリフです。女子高生である自分の価値の高さを理解していることを隠さないところが面白いな、と。作品自体も、女優さんたちと同世代の女の子たちはもちろん、若い女の子同士がイチャイチャしてるのを見たい男性ファンにも向けて作られていると思うので、外界からの視線を意識したセリフがメタ構造になっているのも面白かったです。でも私自身は、女子同士の触れ合いがあんまり得意じゃなくて、映画の中で観る分には素晴らしいですけど、実際にやるのは苦手です……。


プー・ルイ:わかります。でも、グループ内ではありますね。メンバー同士でチューばっかしてますよ(笑)。男がいないので、互いの欲求や寂しさをキスで解消しています。妥協と言いますか……(苦笑)。仕事ではなくて、楽屋や移動中など完全にプライベートでしていますね。マネージャーさんの前でも普通にチューしてますよ。対バンもやっぱアイドルばっかりで、合コンとかもないんですよ。もうちょっと売れれば、そういうパイプがあるかもしれないんですが、これぐらいの地下アイドルだと何もないんですよね。


姫乃:えっ、なんですって! 私は基本的に楽屋にいないので誰とも接触しないですね……。


プー・ルイ:そっか、一人だと楽屋に敵ばっかですもんね。


姫乃:敵ばっかりっていうか……怖いですよね。やっぱりソロアイドルは、グループアイドルには絶対に勝てないんですよ。一斉に殴られたら絶対負けちゃうじゃないですか。


プー・ルイ:そんなことないでしょ。強い奴が強い。


ーー強い者が生き残りますよね。『暗黒女子』も最も強かった者が最後にどんでん返しを起こすじゃないですか。衝撃的な結末でしたがどういう印象を受けましたか?


姫乃:お話も衝撃ですが、その終盤に差し掛かった部分から、映像自体がフェティッシュな方向に寄っていくので、そっちのほうが衝撃でした。前半は青春ドラマっぽい爽やかな感じだったので、ギャップが凄まじかったです。私は“ウェット&メッシー”というジャンルの、女の子が食べ物などで汚れるのを見て性的な興奮を覚えるというフェチを持っているので、こんなメジャーな作品で綺麗な女優さんたちが、最後の最後にやってくれたことがすごく嬉しくかったです。ありがとうっていう気持ち。


プー・ルイ:そういうの聞くと、私の性癖は普通だなと思います(笑)。私も、想像していた結末とは全く違いましたね。ゾンビや幽霊などのホラー映画は苦手なんですが、こういう身近に潜む人間的な怖さは大丈夫なので、面白かったです。途中まではそれぞれの不幸さに焦点を当てていて、現実的な印象があったんですが、ラストの非現実的なホラー展開に全部持っていかれてしまって。あまりの闇の深さに、逆にスッキリとした爽快感がありましたね。


■姫乃たま「(中学生の頃から)性的な目で消費されることが多かった」


ーーでは、最も印象に残っているシーンは?


姫乃:文学サークルのある部員が、最後の最後で自分が綺麗だと気づくシーンですね。実際に女子高生は大人には触れられない無敵さが魅力だと思うので、その無敵さをはっきり自覚したシーンに、この映画の全ての要素が凝縮されていると感じました。


プー・ルイ:平(祐奈)さん演じる学園一の秀才・二谷美礼が、小説を朗読するシーンから物語は始まるので、自分の中では彼女に対して真面目で優等生というイメージが確立されていました。なので、援助交際をしているシーンは衝撃的でしたね。


ーーあのシーンを撮影している当時、平さんは援助交際という言葉自体を知らなかったらしいんですよ。


プー・ルイ:えー! どんだけピュアなんだ。


姫乃:でも今って援助交際という行為自体が形を変えて廃れている印象がありますよね。すでに我々の世代でもあまり聞かなかったですが、言葉自体を知らないという時代になっているとは……衝撃です。


プー・ルイ:今でもやってる子はやってるんじゃないですか。


姫乃:パパ活とかなにかそういうものですか。あまり詳しくないのですが。


プー・ルイ:男性の性欲があんまりなくなってるんじゃないですか? ご飯食べてるところを見るだけでいいみたいな風潮ありますよね。そう言えば、高校生の時にパパ活やっている子いました。ある社長さんがご飯をおごってくれて、それをただ食べて、話すだけっていう。それ以外は特に何にもないらしいんですよ。


ーー『暗黒女子』では先生と生徒の恋愛模様もありましたが、実際にも女子校だと先生にファンはいるのですか?


プー・ルイ:いましたね。千葉(雄大)さん演じる北条先生は、かっこいいからいいですけど、実際には本当に気持ち悪い先生にもファンはいました。若い男の先生が入ってきたらまず取り合いになりますね。私の友達も先生のことを好きになってしまって、隠れてメールのやり取りまでしていたのですが、途中で先生の方から「もう、やめよう」と言われていました。


姫乃:うおお、生徒から好意を持たれていること自覚してるところがいやらしいですね。


プー・ルイ:そう。だから、「これ以上好きになったら後に引けなくなるから」みたいな感じでしたね。その後はもう、その子を中心に先生の悪口大会(笑)。


姫乃:なんか女子って怖かったなあ……。


プー・ルイ:逆もありますね。若い男の先生だからこそ、みんなでイジメるっていうことも。体育の後は、体操着から制服に着替えるから男の先生は教室に入れないんですよ。それをいいことに、チャイムが鳴っても鍵を閉めたままにして、締め出してましたね。


姫乃:可哀想に……。まさに“暗黒女子”ですね。


プー・ルイ:男の先生は、恋愛対象にもいじめの対象にもなるんです。みんなで結託して一人の男を排除するみたいな。性別的にも数的にも、圧倒的に弱いので。だって、「先生がセクハラした」って言ったら一瞬で終わるじゃないですか?


姫乃:あの、女子校にちょうどよい距離感はないんですか?


プー・ルイ:あることにはありますけど、思春期に最も興味を持つはずの対象、男がいないからこそ暇なんですよね。その好奇心が全て男の先生に注がれると言いますか。楽しみの一つなんですよ。だから、ちょうどいい距離感が生まれるのは、おじいちゃん先生くらいです。


ーーなるほど。では、登場人物の中で最も感情移入できるのは?


プー・ルイ:小百合(清水富美加)。性格の悪さが似てます(笑)。何においても、誰かを引きずり落としてでも自分が一番になりたい。どす黒さに共感しました。


姫乃:カースト上位だ! 私は美礼(平祐奈)かな。本作は女子高生という設定ですが、私は中学生の頃、彼女のような感じだったと思います。公立の中学校なんですけど同級生がみんなお金持ちで、私だけ一般家庭だったので。あと、背が伸びるのが早くて、当時は身長が高い方だったんですよ。ほかの女の子よりも身体的に成長しているせいか、性的な目で消費されることが多かったので、登場人物の中では比較的、感情移入しました。


プー・ルイ:そうだったんだ。私は最も共感するのは小百合だけど、みんなそれぞれ秘密を持っているという部分は、すごくリアルでBiSにも共通しているなと思いました。どんなに仲がいいメンバー同士でも、絶対に何かしら隠していることはあるんですよ。弱みを握られたら、それこそ立場が逆転、とまではいかなくても何かしら関係性が変わってしまうんです。グループ内でも“暗黒女子”の一面を見るときはありますね。たとえば、特典会。特典会中は、同じグループだけどライバルになるんです。そうすると、人の推しに手を出す子もいるんですよね。意識的にも無意識的にもやっているんだと思います。あとは、お互いに知られたくない部分は踏み込まないでおこうと、最低限の距離感は守ってますね。


姫乃:ほかのアイドルさんのファンが物販に来ると、楽屋にそのアイドルさんが来て、「うちのオタクがすいませーん」みたいにやんわり牽制されることもありますよね。


■ プー・ルイ「前のBiSの時は、余裕でメンバーを出し抜いてましたね」


プー・ルイ:そうなんだよね。でもプライドもあるから、やめてとも言えなくて。BiSでは、私が歴的に一番上なんですよ。なので、全員後輩じゃないですか。それなのに私の推し取らないでっていうのは、人間的にちっちゃすぎるかなって……。それに、私自身も手を出してしまうことはあるので……(笑)。あと、前のBiSの時は、余裕でメンバーを出し抜いてましたね。最近はしなくなりましたけど。私ソロから始めたので、自分しか連絡先を知らないスタッフさんが結構いたんですよ。なので、レコーディングの後とかに毎回ありがとうございましたっていうお礼メールを送っていました。絶対そのアドレスはほかの子には教えないですし、送っていること自体も誰にも言ってなかったです。


姫乃:にゃはは、ルイさんは逞しいなあ。私はフリーランスなので、仕事のメールとかも全部自分で受けているのですが、たまにすごく失礼な人いるんですよ。そういう時は絶対に怒らないようにして、逆に優しく対応しています。相手に気付かせないで放流することで、どこかで痛い目に遭えばいいなっていつも思ってますね……。調子に乗ってしまえーって。そういうところが自分自身の“暗黒女子”の一面だと思います。


ーー『暗黒女子』はイヤミスというジャンルですが、“人が不幸に陥る”このジャンルが多くの人から支持を得ている理由は何だと思いますか?


プー・ルイ:私の専門ですね。不幸を糧に大きくなってきたグループなので。リリースのニュースよりも、メンバー脱退や体調不良のニュースの方が何十倍も拡散されるんですよ。人間は他人の不幸に自分自身が巻き込まれることはとても嫌がるんですが、一歩外から見てる分にはすごく楽しめるんだと思います。


姫乃:にゃはは。 BiSってアイドル史の中でもすごく重要なポジションにいて、グループ自体が神格化されてるじゃないですか。あれはなんでなのかな? ってずっと思ってたんですけど、つい先日、BiSの熱狂的ファンだった方から、BiSのメンバーとファンがすごく喧嘩してた時期があったという話を聞いて納得しました。その人自身も喧嘩に加勢していたらしいんですが、もう理由も覚えてないと言ってました。でも、とにかく我を忘れるほどに怒っちゃった、と。


プー・ルイ:超初期ですね。まだ活動始まって半年とかの時に、ファンと喧嘩してました。ちなみに私はされた側なので、覚えてますけどね。絶対に許さない! と思って(笑)。


姫乃:にゃはは、覚えてらっしゃるんですね。BiSという概念があって、それに対してそれぞれの強い想いや思想を持ったBiSのメンバーとファンが争い合うから、どんどんBiSというグループ自体が神様のようになっていったんだと思いました。


プー・ルイ:やっぱり負のパワーの方が強いし、記憶にも残ります。“イヤミス”も同じなんだと思います。


姫乃:負のパワーの方が物語としてのインパクトが強いんですよね。幸せの形ってある程度パターンが決まってるじゃないですか。でも、不幸の形はたくさんある。そっちの方が話のバリエーションも豊富だし、共感も呼びやすいんじゃないかな。嬉しいことって忘れちゃいますよね。たとえ10嬉しいことがあっても1辛いことがあったら、負の感情の方が色濃く残ってしまう気がします。


プー・ルイ:確かに。SNS上でも「可愛い」とかの褒め言葉よりも「死ね」とかの悪口の方が頭に残るし、気になってしまいますね。人の幸せを映像で見ても「よかったね」で終わっちゃうけど、人の不幸を見る分には「あ、これよりマシ。私、幸せだ」って、どこか安心するから、“イヤミス”は需要が高いのかな、と。(取材・文=戸塚安友奈/写真=本手保行)