2017年で最後の開催となるスーパーGT第6戦鈴鹿1000km。2016年の鈴鹿1000kmでスーパーGT300クラスを制し、連覇に挑むSUBARU BRZ R&D SPORTの山内英輝に意気込みを聞いた。
今シーズンはトランスアクスル化したBRZを投入しているR&D SPORT。エンジンの細かな改善にも取り組んでおり、これまでの5戦では予選はすべてトップ6以内に食い込んでいるほか、第3戦オートポリスでは2位表彰台、第5戦富士では表彰台目前の4位を手にしている。
そんなR&D SPORTへ2015年に加入、昨年の第6戦鈴鹿で自身初のクラス優勝を飾った山内は「去年、ここ(鈴鹿1000km)で勝って本当に多くの人の笑顔を見ることができて、自分自身も感動しました」と振り返る。
「(レース終盤、日が落ちて)暗くなるじゃないですか。サーキットが暗くなったなか、大勢のファンが表彰台の下に集まっている光景は、とても感動するんです。もう一回、あれを味わいたいですね」
「鈴鹿1000kmは今年が最後(の開催)になるので、ここで優勝してスバルの力、BRZの速さを見せたいと思います」
コーナリングマシンであるBRZは、オートポリスや鈴鹿など、テクニカルサーキットとは相性がいい1台。ウエイトハンデは50kgと、やや重めではあるがマシンやドライバー、チームのポテンシャル、1000kmという長丁場を考慮すれば、勝機は充分にある。
また、スイッチして3年目になるダンロップタイヤとのマッチングも進んでおり、事前に鈴鹿で行われたタイヤテストでも収穫が得られたという。
「タイヤテストのときは、周りと比べるとタイム差が大きかったですけど、そのなかでもいいものを見つけることができましたし、逆にダメなところもわかってきました」
「このデータがロング(ラン)でも役立ってくると思います」
一方で、今シーズンのGT300クラスは各チームのマシンセットアップの熟成、タイヤ開発の競争激化などにより混迷を極めている。BRZを凌駕するほどのコーナリングマシンであるマザーシャシー勢や、復調傾向にあるトヨタ・プリウスGTのJAF-GTは要警戒だ。
加えて、JAF-GT/マザーシャシー勢はGT3カーに比べ給油時間も短く、最低5回のピットインが義務付けられている鈴鹿1000kmでは大きなアドバンテージになる。
もちろん、1000kmというレース距離ではなにが起きても不思議ではなく、今シーズンすべてのサーキットで安定した速さを刻むメルセデスAMG GT3勢やレースで強さを発揮するポルシェ911 GT3 RやアウディR8 LMSといったGT3カーも侮れない存在。これまで同様に激戦は必至だ。
最後の鈴鹿1000kmを制し、歴史に名を刻むのはどのチームになるのか。26日(土)朝の公式練習から目が離せない戦いとなりそうだ。