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F1 Topic:ベルギーGPで投入されたふたつのホンダPU。バージョン3.5と3.6の違いは?

2017年08月25日 19:42  AUTOSPORT web

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2017年F1第12戦ベルギーGP
ホンダがベルギーGPに新しいパワーユニットを投入することはすでに伝えられている。フェルナンド・アロンソがスペック3.5で、ストフェル・バンドーンはスペック3.6だ。

 では、この違いはなんなのか。ホンダF1プロジェクト総責任者の長谷川祐介氏は次のように説明する。

「スペック3.5はエンジン本体ではない部分、ペナルティが課せられない部分を変更しました。つまり、フェルナンド(・アロンソ)のエンジン本体はハンガリーGPで走ったものと同じです」

 長谷川総責任者は明言を避けたが、ペナルティを受けずにアップデートできる部分というのは、吸気系か排気系が考えられる。

「ただ、それでも0.5分に相当する進化を遂げていて、ラップタイムでいえば、0.1秒は速くなっています」

 これに対して、バンドーンのマシンに投入されたスペック3.6は35グリッド降格のペナルティを受けたように、エンジン本体を改良してきた。

「これはパフォーマンスアップというよりも、信頼性を向上させたものです。もちろん信頼性の改善にともなって、若干ではありますが、パフォーマンスも上がっていますが、速さの面では3.5と大きな違いはありません」

 では、なぜ2台そろってスペック3.5、あるいは3.6を投入しなかったのだろうか。それは、スペック3が投入された時期が2人で微妙に異なるからだ。


「なぜストフェル(・バンドーン)のホームグランプリのベルギーGPにあえてペナルティを受けてでもスペック3.6を入れたのかというと、信頼面でのリスクを負いたくなかったからです。しかも、きちんと走りきれば、イタリアGPよりもベルギーGPのほうがポイントを取れる可能性がありますから」

 バンドーンがスペック3を入れたのは、第9戦オーストリアGP。これに対して、アロンソは第10戦イギリスGPだった。バンドーンは今回のベルギーGPが4戦目。

 本来なら、距離的に1基で4戦は走り切らなければならないが、スパやモンツァはエンジンに対しする負荷が大きく、4戦目として使用するにはできれば避けたいコースだったことも、ホンダにとってはスペック3.6を入れる理由となったのではないだろうか。

「基本な考えとして、ホンダとしては少なくともレースを走行している最中に問題を起こしたくない。さらに、もし一か八かでハンガリーGPで走らせたスペック3をベルギーGPでブローさせてしまうと、いわゆる金曜日エンジンとしてストックすることができないため、今後エンジンのやり繰りという面でも厳しくなります」

 これが、ベルギーGPでホンダが、アロンソにスペック3.5を、バンドーンにスペック3.6を投入した理由だった。