8月25日、鈴鹿サーキットで2018年8月23~26日に開催される『第47回サマーエンデュランス 鈴鹿10時間耐久レース』に向けたイベント概要発表会が行われ、大会開催にの関係者が揃うなか、ワンメイクのコントロールタイヤのサプライヤー等、新たな要素が発表された。
これまでの鈴鹿1000kmが発展するかたちで、2018年からFIA-GT3規定車両をメインとした“GTカーの世界一決定戦”として開催される予定の鈴鹿10時間。すでに3月のモータースポーツファン感謝デーで賞金総額1億円をはじめとしたイベント開催の概要が発表され、さらに5月には一歩踏み込んだ内容が明らかにされていた。
スーパーGT第6戦として開催される“最後の”鈴鹿1000kmを翌日に控え行われた発表会には、モビリティランドの山下晋社長をはじめ、イベントの“コラボレーションパートナー”となるGTアソシエイションの坂東正明代表、そしてSROモータースポーツ・グループのステファン・ラテル代表が鈴鹿に訪れ、地球をモチーフとした新たなロゴの前に揃った。
発表会では、「1年後の開催に向け着実に準備を進めており、今日、GT300チームにも参戦受付の案内を配布しました。鈴鹿10時間に集まるGT3カーのフルグリッド50台の迫力をぜひ楽しんでいただければと思います。二輪の8耐と並ぶ夏の一大イベントに育てていきます」とまずは山下社長から挨拶がなされた。
「スーパーGTの鈴鹿1000kmはファイナルとなりますが、来年5月20日にはスーパーGTをひさびさに300kmレースとして鈴鹿で開催します。ここにも、鈴鹿ならではの趣向を入れて開催し、鈴鹿10時間も、スーパーGTもこれまでの鈴鹿1000kmに負けないイベントにしていきたいと思います」
また、ラテルは「日本のGT300チーム、ST-Xチームとともに、ワールドワイドなトップチームがハイレベルな10時間耐久を展開するだろう。そして鈴鹿サーキットは歴史的価値に加え、世界から高い評価を得ており、世界一決定戦にふさわしいサーキットだ。今からイベントを楽しみにしている」と笑顔で語った。
■タイヤは数あるメーカーのなかからピレリに決定
3人の挨拶に続いて、すでに“ワンメイクになる”と発表されていたタイヤのサプライヤーが発表された。今回ワンメイクタイヤを供給することになったのは、ブランパンGTシリーズをはじめ、多くのGT3カーレースにタイヤを供給するピレリだ。スーパーGTチームやST-Xチームが参戦する場合、ふだんのメーカーとは違うタイヤを履くことになる。
山下社長によれば、今回の鈴鹿10時間に向け、「驚くほどの」国内外の複数のタイヤマニュファクチャラーから提案があったという。そのなかでピレリが選ばれたことについて山下社長は「最も積極的で、最も将来に向けた提案があったと現段階で判断した」のが理由だと語ってた。
会場には、ピレリのモータースポーツビジネスディレクターを務めるエルネスト・ガルシア・ドミンゴが訪れ、「今回、初めて日本で大きなスタンスでレースに参戦することができることになり、関係各者に感謝している。光栄であるとともに、選んでいただいたことへの責任も大きく感じている」と意気込みを述べている。
また、この日はレギュレーションの詳細も説明された。ドライバーカテゴリーはプロ、プロ-アマ、アマの3クラスが設けられるほか、タイムスケジュールの詳細も決定。ラテルからは、ブランパンGTシリーズ、イギリスGT、ADAC GTマスターズ、ピレリ・ワールドチャレンジ、IMSA-GTD、オーストラリアGTという複数のカテゴリーのチャンピオンチームが主催者招待を受けると発表されている。
発表会には多くのメディアに混じって、現在スーパーGT300クラスに参戦するチームの関係者も訪れた。多くのGT300チーム関係者に話を聞くと、現段階で「参戦する」と明言はないものの、強い関心があるのは間違いない様子だ。また、ラテルによれば、現段階でヨーロッパのマニュファクチャラーも鈴鹿10時間に強い関心を示しているという。いったいどんなエントリーが集まり、どんな車種が鈴鹿の夏を彩るのか。今後のエントリーの動きを注目したいところだ。