2018年から新規スタートを目指しているオーストラリアの新ピックアップ・トラック選手権『ECBスーパー・ユート』。その最初のフルテストを今月末に控え、シリーズ1号車となるミツビシ・トライトンがシェイクダウンを完了。さらにホールデンが新シリーズへのコミットを表明した。
現行のV8ユート・シリーズに参戦するクレイグ・ドンタスがドライブする予定のミツビシ・トライトンは、完全非公開とされたゴールドコースト近郊のノーウェル・モータープレックスのトラックで50kmほどのシェイクダウンを完遂した。
このテストには、コンサルタントを務めるロス・ストーンを含む、VASCヴァージン・オーストラリア・スーパーカー・シリーズの技術スタッフや、モーテックのエンジニアが参加。初期走行では4気筒ディーゼルターボのエンジンマネジメントの調整に費やされ、その後はポール・モリスのドライブで数周の計測ラップをこなした。
スーパーカーのスポーティング&テクニカルディレクターを務めるデビッド・スチュアートは、今回のシェイクダウンはこのデュアルキャブ・ディーゼルトラックでの新シリーズに向け、大規模なテストプログラムの最初の一歩になるものだと語った。
「我々はダイノにミツビシ製エンジンを載せ、すでに多くのマイレージを重ねてきた。モーテックの技術者たちとも密接に連携し、基本的なセッティングを確認できた」
「車体に関しては、共通部品とするリヤ・アクスル・ハウジング、ブレーキ・システム、フロント・ホイール・ハブ、内部構造を含め、すべてが問題なく機能するかが焦点だった」
「幸いにして、それらはすべてうまく機能してくれた。エンジンも本当にストックの状態で、パフォーマンスに振ったチューニングはまだこれからの段階だ。タイヤも現時点で我々が手にしているもの(ヨコハマ製高性能ストリート用)は、レースで使用する最終確定のものではもちろんないが、それでも現段階ではマシンにフィットしていたようだ」
この後のフルテスト・プログラムを前に、ロス・ストーン・レーシングはフォード・レンジャーを製作中で、今週にもシェイクダウンを予定。さらにいくつかのモデルがデビューを控えていると説明するスチュアート。
「お披露目会でも発表したマツダBT-50はほぼ完成しており、続いてトヨタ・ハイラックスの製作に入る予定になっている。いすゞD-MAXはホモロゲ取得済みなのに加えて、ホールデンが正式にシリーズへの参戦とサポートを表明してくれた。彼らはコロラドでのホモロゲーション取得を目指すことになるだろう」
これで新シリーズには都合6車種の参戦が認められることとなったが、各ブランドの最大参戦台数は6台までとされており、すべてに前述の共通パーツキットの使用が義務付けられる。
「誰かが『ニッサン・ナバーラ』や『フォルクスワーゲン・アマロック』を使いたいと言ってきた場合、それを受け入れる用意はある。ただし、ホモロゲを取得済みの6車種以外には、最初のシーズンに共通キットを供給できる保証はないけれどね」とスチュアート。
2018年の暫定カレンダーでは、初のECBスーパー・ユート・シリーズ開幕戦は3月1~4日のアデレード500となり、VASCヴァージン・オーストラリア・スーパーカーの併催イベントとして開催される。