FIAヨーロピアンF3選手権は8月18~19日、オランダ・ザントフールトで第7大会が行われ、2017年シーズンよりモトパークから同シリーズに参戦している佐藤万璃音はレース1~3すべてで完走。週末のベストリザルトはレース1の15位だった。
第6大会のスパ・フランコルシャンに続き、今戦のザントフールトも万璃音にとっては初めて走るサーキット。ドライコンディションで迎えた練習走行1回目では、走行経験が皆無なこともありトップから2.3秒遅れた17番手に終わる。
しかし、2回目の練習走行ではギャップを縮めると、レース1の予選は同じく17番手ながらトップとの差を1.5秒にまで短縮してみせた。
予選2回目はイエローフラッグや赤旗に翻弄され、本来のタイミングでタイムアタックができず。その影響もあってレース2のグリッドは18番手、レース3のグリッドも17番手に留まった。
決勝レース1は、上位のドライバーがペナルティでグリッド降格となったため、順位がひとつ繰り上がり16番手からのスタートに。また、スタート直後の1コーナーで2台が絡むアクシデントが発生。セーフティカーが導入されるなかで万璃音は14番手に浮上する。
しかしレース11周目、万璃音は最終コーナーで痛恨のコースオフ。フロントウイングを壊したことでピットストップを余儀なくされてしまい、最終的に15位でチェッカーを受けた。
19日(土)に行われた2回の決勝レースでも波に乗れなかった万璃音。ザントフールトがオーバーテイクの難しいコースということもあり、レース2は18位、レース3も17位フィニッシュと、苦しいレース展開からから抜け出せことができずに終わった。
■万璃音「レース2、3は全身の痛みとの戦い」
レース後、「オッシャースレーベンのチームファクトリーで行ったシミュレータの事前テストでは、チームメイトの誰よりも僕が速かったのですが……」と語った万璃音。
「実際に走るとコースの印象は大きく異なり、タイムも想像以上に遅かった。ランオフエリアの狭さを目の当たりにして、100%攻めきれませんでした。ここはダウンフォースを強くする必要があるのですが、クルマのグリップをどこまで信用したらよいのか判断が難しかった」とレースを振り返った。
「決勝レース1のコースアウトは、クルマをコントロールし損なった自分のミスです。また、初日から無線が不調でスタッフとのコミュニケーションがうまく取れず、ピットストップでは余計なタイムロスにつながりました。ただ、クルマそのものの良し悪しよりも自分がこのコースに対応できていない感じでした」
「決勝レース2やレース3はライバルとの競り合いというより、自分の全身の痛みとの戦いでしたね。決勝レース1でコースアウトした際に背中を痛め、運転の際に余計な力を使ったせいかもしれません」
「結果にはまったく満足していませんが、最後はラップタイムで総合10位に入るなど、ライバルに引けを取らない走りができたと手応えを感じられましたし、前向きな形で終われてホッとしました」
FIAヨーロピアンF3選手権の次戦第8大会は9月8~10日、ドイツ・ニュルブルクリンクで開催される。