リクルートブライダル総研は8月23日、「夫婦関係調査2017」の調査の一環として「立ち会い出産」の分析結果を発表した。
それによると、「出産には必ず夫も立ち会うものだ」と思っている人は、女性より男性に多く、特に20代、30代の若い男性にその傾向が強いことがわかった。
家事や育児など家庭への関わりが男性でも当たり前に
調査は今年3月28日~29日の間、全国の「既婚者かつ本人初婚」および「離婚経験のある独身者(結婚経験1回)」の20代~60代の男女を対象に実施。2915人から回答を得た。
「出産には必ず夫も立ち会うものだ」という問いに「あてはまる」と回答した男性は33.5%、女性は17.9%だった。
年代別に見ると、男性は20代と30代でそれぞれ42.2%、43.2%と4割を超えたが、40代・50代では37.5%、35.4%と3割台に留まり、60代では大きく下がって21.8%となっている。年齢が上がるにつれて「あてはまる」との回答が低くなる傾向にある。
ただ、こうした傾向は女性のほうが顕著で、20代で35.5%、30代で 21.9%、40代~50代では18%に下がり、60代では10.4%にまで落ち込んでいる。
若い男性の立ち会い出産への意識が強い理由について、リリースでは、「共働きが一般的になり、『家事・育児分担』や『イクメン』の浸透が進んでいること」を挙げる。また、
「男性の家事や育児など家庭へのかかわりが当たり前化してきていることもあり、『出産後』だけではなく、『出産時』も夫婦そろって行いたいという意識変化が起こっているのかもしれません」
と添えていた。
50代男性「今のような時代なら、私も立ち会ったかもしれない」
50代の男性はキャリコネニュースの取材に、「当時は周りに奥さんの出産に立ち会う人はいなかった。今のような時代なら、私も立ち会ったかもしれない」と話した。若い世代の男性は、育児を夫婦で一緒にする人が増えている。「周りもしているから自分も」と、意識が変わってきているのだろう。
筆者(30代男性)は今年6月、妻の出産に立ち会った。陣痛室から分娩室まで妻とともにしたが、我が子を必死に産もうとする妻の汗を拭いたり、水を飲ませたり、一緒に呼吸をしたことで、夫婦で出産を行っていると感じられた。
後に妻は、「分娩室で一緒に呼吸を合わせてくれて嬉しかった」「隣にいてくれて心強かった」と感想を話してくれた。個人的には、立ち会い出産によって、妻への感謝や「夫婦で子どもを育てていくのだ」という意識が強まったように思う。
立ち会いにあたり参加した母親学級では、助産師から様々な説明を受けた。10組近い夫妻が同席しており、男性たちからは、「妻の横で出産のサポートをしたい」「夫婦が一緒に子育てをする意識を高めたい」「夫婦2人の子どもが誕生する瞬間をこの目で見たい」など、前向きな声が挙がっていた。病棟や分娩室の見学も真剣な表情で行っていたのが印象的だった。
調査では、男女ともに若い年齢ほど立ち合い出産を当たり前と捉えていることが判明したが、こうした傾向は今後も強くなっていくのかもしれない。