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仲里依紗&滝藤賢一の“悪笑い”に視聴者騒然! 『黒革の手帖』武井咲、窮地の展開へ

2017年08月25日 06:03  リアルサウンド

リアルサウンド

 回を重ねるごとに“悪女”原口元子役の演技に磨きがかかる武井咲主演ドラマ『黒革の手帖』(テレビ朝日)。8月24日放送の第6話では、これまで次々と男たちを手玉に取ってきた元子が逆襲に遭う模様が描かれた。


 上星ゼミナール理事長・橋田常雄(高嶋政伸)、楢林クリニック院長・楢林謙治(奥田瑛二)、楢林の愛人・中岡市子(高畑淳子)らを信頼させ利用し、巨額の資金を動かしてきた元子。しかし、何もかもがうまくいくわけがない。


 元子は財政界のドン・長谷川(伊東四朗)から銀座の最高峰クラブ「ルダン」を買い取る準備をすすめ売買契約書を交わす。しかし、長谷川は不敵な笑みを浮かべる。期限までに残金2億5000万を払うことができなければ、違約金1億円を払うだけではなく、自身が所有するクラブ「カルネ」を常渡するという条件が付随されていたのだった。算段通りであれば何も心配することはないと自信を持っていた元子だったが、契約を交わした直後、橋田から手に入れたはずの料亭「梅村」の契約が無効だったことを知らされる。


 橋田の裏口入学斡旋の証拠データという弱みを握り、自分の思い通りに動かしてきたと思っていた元子。しかし、それは橋田の作戦であり、データもすべてウソ、手駒として動かしていた島崎すみ江(内藤理沙)も橋田に懐柔されていたのだった。さらに元子最大の切り札でもある“黒革の手帳”まで何者かに奪われてしまう。前話までの自信に満ち溢れた元子の表情は消え去り、焦り、狼狽する姿が続く。2004年放送の米倉涼子が演じた元子に比べ、儚いか弱さも感じられる武井版の元子は、その眼光が鋭さを増し“悪女”として成長していく姿が痛快だった。だからこそ、窮地に追い込まれた武井の物憂げな表情に、自業自得とはいえ、思わず応援したくなった視聴者も少なくないだろう。


 元子が金をだまし取った市子からかけられた言葉が響く。「殴った方は覚えてなくても殴られた方は忘れない。唾をひっかけた方は忘れてもひっかけられた方は死ぬまで恨み続けるの!」その言葉通り、元子にも手痛いしっぺ返しがやってきたのだ。


 長谷川が目をかける衆議院議員秘書・安島(江口洋介)の口添えでかろうじて「ルダン」の契約を白紙に戻してもらえたはずだった。しかし、元子も安島も長谷川という大物が囲う籠の中の鳥。違約金をゼロにしても、長谷川の狙いは、「カルネ」の常渡だったのだ。


 「カルネ」の新オーナーに任命された村井(滝藤賢一)とママ・波子(仲里依紗)は、元子が煮え湯を飲ませた相手。元子への恨みを募らせるふたりのここぞとばかりの高笑いは、これぞ悪役!と唸ってしまう怪演だった。滝藤と仲、わずか数分の出演シーンでありながら、最後にすべてをもっていった、目が笑っていない笑いの演技。再来週(次回放送9月7日)以降もこのふたりの悪役ぶりから目が離せそうにない。(石井達也)