F1ベルギーGPを前に、メルセデスF1チームのトト・ウォルフが週末のレースに向けた抱負を語った。
「これまでのシーズンを振り返るという点で、サマーブレイクは完璧なタイミングで訪れた。(今シーズンの内容は)良いもので、チームの質の高さを証明するものだった」
「シーズン前テストからの困難を乗り越え、速さはあるものの扱いの難しいマシンを大幅に改善してきた。両方のドライバーが勝利を手にし、我々は11戦中6勝をあげている。ドライバーズ選手権では14点差でトップを追い、コンストラクターズ選手権では39ポイントの差をつけて首位に立っている。とはいえ、簡単な道のりではなかったよ。厳しい教訓を学びながらチームとして力強い成長を遂げてきて、まだ改善を続けるべき領域は多くある」
「過去3年間と比較して、2017年が大きく異るシーズンになるであろうことは我々全員がはっきりと理解していた。以前はライバルたちに対してパフォーマンス面で余裕があり、我々のドライバー同士がタイトルをかけて争っていた」
「今シーズンはレギュレーションが変わり、全体の競争力のバランスがリセットされる形になった。大幅なルール変更の後でもチャンピオンチームがペースセッターの地位を維持できた例はこれまでになく、我々はそのことを誇りに思っている」
「しかしそれもいまとはなって過去のこと。シーズンが進むにつれてフェラーリやレッドブルも戦いに加わってきた。これが我々がレースを戦う新たな局面であり、こういった環境に適したアプローチも取り入れられるほどに、オープンな姿勢で臨んでいる」
「両方のタイトルを勝ち取るという目標は、開幕前から変わっていない。最速のマシンがドライバーズタイトルをもたらすことは歴史が証明している。そして最高かつ最も安定したドライバーのコンビが、コンストラクターズ選手権を勝ち取ることができるのだ。つまり優先すべき事柄は明らかで、毎回のレースでパフォーマンスを発揮できるマシンを持ち込まなければならない。そしてどのコースでも、ミスを犯すことなくポテンシャルを最大限に発揮し続けなければならないのだ」
「シーズン前半戦を振り返ってみると、競争力のバランスはサーキットごとにどちらかにかたよる傾向にある。レッドブルがハンガリーGPで見せたパフォーマンスに加え、さらなる力をつけてきたら彼らも脅威になるだろう。我々は懸命に仕事にあたり、強みがあったとしても謙虚な姿勢を維持し、弱点については熱心に取り組んでいく必要がある」
「スパは空力効率が極めて重要になるため、理論上は我々のマシンに合うはずだと言われている。けれどもこうした仮定は危険だ。そういった筋書きが次々に書き換えられる場面を、今季これまでに何度も見てきたんだ。だから我々は憶測はせず、やるべき仕事を確実にこなしながら、最大限のポイントを獲得できるよう全力で仕事にあたる」
「ファクトリー内のモチベーションと決意は、これまでになく大きい。ハンガリーGPではチームが強さを見せた。シーズン後半はこの強さを活用していこうと考えている」