WRC世界ラリー選手権に参戦しているシトロエン・レーシングのイブ・マトン代表は、第10戦ドイチェランドで総合2位を獲得したアンドレアス・ミケルセンのパフォーマンスに満足したとコメント。また、9月中に2018年シーズンのプランを策定する意向を明かした。
8月17~20日に行われたターマック(舗装路)イベントのラリー・ドイチェランド。この一戦にシトロエンはクリス・ミーク、クレイグ・ブリーン、ミケルセンの3名体制で臨んだ。
2017年シーズン4度目の最上位クラス参戦となったミケルセンはSS4で総合首位に浮上する。
その後はSS7でオーバーシュートして首位の座を失ったものの、難しいコンディションとなったデイ2を総合2番手で走りきると、以降もポジションをキープ。総合2位でフィニッシュした。
「事前テストの段階から、アンドレアスはC3 WRCのターマックパフォーマンスに驚きを覚えていた」とマトン。
「C3 WRCでの走行経験が少ないにもかかわらず、彼は我々の望みどおり序盤から優勝争いに絡んでいたんだ」
「少し苦手としていたという(軍事演習場SSの)パンツァープラッテではステージ優勝も飾っている。我々が事前テストで習熟の時間を設けたことが効いたようだね」
「とにかく互いに満足できる内容だったよ」
一方、エースのミークは市街地の特設ステージで行われたSS1でコンクリートウォールにヒット。右フロントにダメージを負い、デイリタイアという波乱のスタートとなった上、デイ3ではマシンの冷却系にトラブルが発生して大会自体のリタイアを余儀なくされた。
マトンは「ラリーが本格的にスタートする前に、ミークは(デイリタイアによって)10分という大きなハンデを背負ってしまった。彼自身が『馬鹿げたミス』と表現するアクシデントによってね」と語る。
「ただ、私はSS1のステージ構成が2017年型WRカーにマッチしていなかったとも思っているよ」
「難しいスタートになったから、ミークが上位陣に匹敵するペースで走るモチベーションを失いかけたのも理解できる。そんななかで土曜日にはステージ優勝も飾った」
「しかし最終的にメカニカルトラブルがミークを襲ってしまった。我々はエンジンを危険にさらすリスクを避けるためにリタイアを決断したよ」
スペインで行われる第11戦ラリー・デ・エスパーニャまでは、WRCは約1カ月のインターバルに突入。2018年に向けたストーブリーグも本格的に動き出す。
そのストーブリーグで中心的な存在となっているのが王者セバスチャン・オジエ(フォード・フィエスタWRC)。今シーズンはプライベーターのMスポーツから参戦しているが、来季もチームに残留するには技術支援を行っているフォードの関与強化、具体的にはワークス復帰が必要としており、それが実現しない場合はチームを移籍する可能性があると公言している。
マトンは2018年のドライバーラインアップについて「決まっていることはない」と言及を避けたものの、「9月はドライバーの移籍などで忙しい月になる」と述べた。
「また、2018年に向けたマシン開発も忙しくなり始めるころだ。年間スケジュールが発表された時から、9月に時間的余裕があることは承知していた。(2018年に向けた)戦略を練る時間になる」
「我々の目標達成をサポートしてくれるドライバーと話をする。ただ、現時点で決まっていることは何もないよ」