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TOYOTA GAZOO Racing 2017年NASCAR第24戦ブリストル

2017年08月23日 10:52  AUTOSPORT web

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TOYOTA GAZOO Racing 2017年NSACAR第24戦ブリストル
モンスターエナジー・NASCARカップ・シリーズ第24戦ブリストル
カイル・ブッシュが2度目の同一週3カテゴリー制覇!
トヨタ勢は3レース全てで1-2フィニッシュ
 NASCARは世界最速のハーフマイル、ブリストルで3カテゴリー全てが開催。この3カテゴリー全てに出場したカイル・ブッシュが全レースで勝利。2010年以来となる、同一週3カテゴリー制覇を成し遂げた。

 カップ・シリーズではトヨタ・カムリがトップ4独占。エクスフィニティとトラックでも1-2フィニッシュとトヨタ勢が圧勝したレースウィークとなった。

Monster Energy NASCAR CUP SERIES
第24戦 Bass Pro Shops/NRA Night Race
開催日:8月19日

カイル・ブッシュが2度目の同一週3カテゴリー制覇!
トヨタ・カムリトップ4独占

 8月19日(土)、米国南部テネシー州ブリストルのブリストル・モーター・スピードウェイでモンスターエナジー・NASCARカップ・シリーズ第24戦「Bass Pro Shops/NRA Night Race」が開催された。

 ハイバンクな「世界最速のハーフマイル」ブリストルでのレースは今季2度目。トヨタはこれまでにここブリストルで8勝を挙げているが、そのうち4勝がカイル・ブッシュによるもの。その他、マット・ケンゼスが2勝(トヨタ移籍以前にも2勝)、デニー・ハムリンも1勝を挙げている。

 カイル・ブッシュが2010年にNASCAR史上初めて、同一週に開催されたNASCARトップ3カテゴリーのレース全てに勝利するという「スウィープ」を達成したのがこのブリストルである。

 そして、その後も何度か「スウィープ」に挑戦してきたカイル・ブッシュだが、今年も水曜日のトラック、そして前日のエクスフィニティを制し、2度目の「スウィープ」達成なるかに注目が集まった。

 4月の第8戦は昼間の開催だが、この夏のブリストル戦は例年土曜日のナイトレースとして開催。19日(土)午後7時48分に0.533マイルショートオーバルを125周、125周、250周の3ステージ合計500周(266.5マイル:約430km)して競われる決勝レースがスタートした。

 今季よりカップ・シリーズにステップアップした21歳のルーキー、エリック・ジョーンズが自身初のポールポジションから序盤戦をリード。これをケンゼス、マーティン・トゥルーエクス・Jr.らがトップ5で追った。

 注目のカイル・ブッシュは18番手とやや後方のスタートながら、25周目にはトップ10圏内へ。その後もみるみるうちに順位を上げていき、ステージ1中盤に出されたイエローコーションからの再スタート後は首位争いに加わった。

 カイル・ブッシュはエリック・ジョーンズら若手のホープ3人との激しい首位争いの末に、115周目に首位を奪取。その後も抜きつ抜かれつのバトルとなったが、最終的にカイル・ブッシュがトップでステージ1をフィニッシュ。今季10度目のステージウィンを果たした。エリック・ジョーンズが2位、ケンゼスが5位、ハムリンが6位、トゥルーエクス・Jr.が9位でポイントを獲得。

 ステージ2スタート前のコーションでやや順位は入れ替わり、エリック・ジョーンズが再び首位でスタート。カイル・ブッシュは6位まで順位を落としたものの、再スタート後3周で2位へとポジションを上げ、エリック・ジョーンズとの1-2体勢とし、167周目に首位へ。その後もエリック・ジョーンズとの首位を入れ替えながらのバトルが続き、それをケンゼスが追う形となった。

 ステージ終盤にコーションが出されると、カイル・ブッシュらはピットへ向かったが、ケンゼスはコース上に残る作戦に。これにより、ステージ2はケンゼスがステージウィン。エリック・ジョーンズが5位、ハムリンが7位、カイル・ブッシュが8位に入った。

 ステージ2を制したケンゼスだったが、ステージ3スタート前のコーションでピットへ向かった際、痛恨のスピード違反ペナルティ。20位へ後退。エリック・ジョーンズが首位、カイル・ブッシュ3位、ハムリン4位で再スタート。

 すぐにカイル・ブッシュは2位へと浮上したが、この日のエリック・ジョーンズは絶好調で、一時はカイル・ブッシュも引き離し独走。もし勝てばルーキーでは唯一の「プレーオフ」入りが決まるだけに、エリック・ジョーンズの初優勝なるかにも注目が集まった。

 レース終盤に入ると、ペナルティから追い上げてきたケンゼスも首位争いに。ケンゼスは現在15位でプレーオフ圏内にいるが、それを確実なものとするためにも今季初勝利を切望しており、カイル・ブッシュ、エリック・ジョーンズ、ケンゼスの3台による激しい首位争いとなった。

 445周目にカイル・ブッシュがエリック・ジョーンズをかわして首位に立ったが、エリック・ジョーンズも離されずに追走。終盤まで1秒以内での首位争いを繰り広げたが、最後はカイル・ブッシュが逃げ切り、今季2勝目。

 エリック・ジョーンズは自己最高位の2位、ハムリンが3位、ケンゼスが4位でチェッカーを受け、トヨタ・カムリは今季2度目のトップ4独占(1度目は第22戦ワトキンス・グレン)を果たした。

 カイル・ブッシュは自身記念すべきカップ・シリーズ出場450戦目で通算40勝目。14年の参戦歴のうち、トヨタで10年目、36勝を挙げている。そしてこの勝利により、カイル・ブッシュは2010年に続き、NASCAR史上で自身しか成し遂げていない、同一週3カテゴリー制覇という大記録を再度達成することとなった。

 次戦第25戦は9月3日(日)、米国南東部サウスカロライナ州ダーリントンのダーリントン・レースウェイで行われる。

ドライバー カイル・ブッシュ
「(記録達成は)本当に大変だった。エリック・ジョーンズは強敵で、全力を尽くした。本当に疲れ切ったが、最高の結果になった。チームやクルーチーフに何と言って感謝して良いか分からない。車両も私も完璧と言えるわけではなかったが、我々のトヨタ・カムリは速かった。みんなを誇りに思う」

「エリック・ジョーンズとのバトルは楽しかったし、彼に敬意を表する。彼はチームメイト同様に素晴らしいレースをしてくれた。彼のような若く、才能のあるドライバーとレースを戦えることは素晴らしい」


NASCAR XFINITY SERIES
第22戦 Food City 300
開催日:8月18日

カイル・ブッシュが今季5勝目
トヨタ・カムリ1-2フィニッシュ
 8月18日(金)にNASCARエクスフィニティ・シリーズの第22戦「Food City 300」がブリストル・モーター・スピードウェイで開催された。

 年2回シリーズ戦が開催されるブリストルでトヨタは過去10勝。うち7勝がカイル・ブッシュ。そして昨年と今年の春大会はエリック・ジョーンズが連勝を飾っている。今大会にはカイル・ブッシュとダニエル・スアレツがスポット参戦した。

 18日(金)決勝前の予選では、カイル・ブッシュが同シリーズでのトヨタにとって50度目となるポールポジションを獲得。

 午後7時45分、0.533マイルショートオーバルを85周、85周、130周の3ステージ合計300周(159.9マイル:約260km)して競われる決勝レースのスタートが切られた。

 ポールポジションのカイル・ブッシュは序盤、周回遅れが出始めたときに一旦ライバルにかわされたが、その後抜き返し、ステージ1を制覇。スアレツが4位に入った。

 ステージ1を制したカイル・ブッシュだったが、ステージ2スタート前のコーション時、ピットロードのスピード違反ペナルティを取られ19位へ後退。追い上げを開始した。

 かわって首位に立ったスアレツが首位争いを展開したが、終盤には追い上げてきたカイル・ブッシュがスアレツもかわし、ステージ2も制覇。スアレツは3位となった。

 ピット作業でまた順位が入れ替わり、ステージ3はスアレツが首位、カイル・ブッシュが3位で再スタート。ライバル1台を加えた三つ巴の首位争いを展開した。

 残り10周を切ったところでカイル・ブッシュが首位に立つとその後は独走。そのまま逃げ切るかと思われたが、残り17周でクラッシュによるイエローコーションが出されると、再スタート後、カイル・ブッシュとスアレツが僅差での首位争いを展開。

 しかし、カイル・ブッシュが逃げ切り、今季5勝目を挙げた。スアレツが2位で続き、トヨタ・カムリは1-2フィニッシュを果たした。

 次戦第23戦は8月27日(日)、米国北部ウィスコンシン州エルクハートレイクのロードコース、ロードアメリカで行われる。

ドライバー カイル・ブッシュ
「チームが信じられないような仕事をしてくれて、最高のトヨタ・カムリを与えてくれた。全てのファンに感謝する。特にここブリストルのファンは素晴らしい。ブリストルでのナイトレースは他に代え難いレースで、そこで勝てるというのは最高の気分だ」

「ペナルティによりポジションを落としたときは、(ダニエル)スアレツを含むライバルも速かったし、逆転は難しいかと思っていた。終盤のコーションからの再スタートでは、タイヤの摩耗が激しく、コントロールが大変だった」


NASCAR CAMPING WORLD TRUCK SERIES
第14戦 UNOH 200
開催日:8月16日

カイル・ブッシュが今季3勝目!
トヨタ・タンドラ4台がトップ5フィニッシュ
 NASCARキャンピング・ワールド・トラック・シリーズ第14戦「UNOH 200」が8月16日(水)にブリストル・モーター・スピードウェイで開催された。

 今大会は8月中盤恒例の水曜日夜開催。年1戦トラック・シリーズが行われているブリストルで、トヨタは過去6勝を挙げているが、うち4勝がカイル・ブッシュによるもの。この週末、カイル・ブッシュは得意のブリストルで2010年以来となる3カテゴリー制覇を目指し、3レース全てに参戦した。

 16日(水)午後8時半過ぎに決勝レースのスタートが予定されていたが、雷雨のために2時間近く順延。午後10時44分に0.533マイルショートオーバルを55周、55周、90周の3ステージ合計200周(106.6マイル:約170km)して競われる決勝レースがスタートした。

 今季7戦目のシリーズ参戦で、初のポールポジションからスタートを切ったカイル・ブッシュが首位をキープ。カイル・ブッシュ自身がオーナーを務めるチームから参戦している19歳のノア・グラッグソンと、今季4勝を挙げランキング首位につける22歳のクリストファー・ベル、そして2度のシリーズチャンピオン経験者であるベテランのマット・クラフトンが続き、序盤からトヨタ・タンドラが上位を支配。

 ステージ1はカイル・ブッシュ、グラッグソン、クラフトン、ベル、そしてグラント・エンフィンジャーと続きトップ5を占めた。

 ステージ2はコーションでピットに入らなかった車両がいたため、トヨタ勢は3位以降からのスタートとなったが、すぐにクラフトンが首位浮上。40周にわたって首位を快走したが、終盤にカイル・ブッシュがこれをかわし、ステージ2も制覇。クラフトンが2位、20歳のベン・ローズが4位、ベルが5位、グラッグソンが6位、エンフィンジャーが9位となった。

 ステージ3スタート前のコーションで、カイル・ブッシュはピットロードのスピード違反、グラッグソンもピットクルーが車両到着前にピットロードに降りたとしてペナルティを受けることに。

 17位までポジションを落としたカイル・ブッシュだったが、猛烈な追い上げを開始。再スタート後16周でトップ10圏内へと浮上すると、続く10周でトップ5,そしてそこから20周で首位を奪還してしまった。

 その後は後続を1秒以上引き離し独走態勢に入ったが、チェッカーまであと6周というところでイエローコーション。レースは延長され、最後の2周で決する“オーバータイム”に。

 首位のカイル・ブッシュはこの再スタートも決め、日付が変わる直前のチェッカーをトップで受けた。カイル・ブッシュは今季シリーズ3勝目。ブリストルでのトラック・シリーズ5勝目を挙げた。

 クラフトンが2位で続きトヨタ・タンドラは1-2フィニッシュ。エンフィンジャーが4位、ローズが5位、ベルが7位、パーカー・クリガーマンが8位に入り、トヨタ・タンドラは6台がトップ10フィニッシュを果たした。

 次戦第15戦は9月3日(日)にカナダ・オンタリオ州ボウマンヴィルのカナディアン・タイヤ・モスポート・パークで開催される。

ドライバー カイル・ブッシュ
「ペナルティを受けてポジションを落とした後、他の車両とは違うラインで追い上げる必要があると分かっていた。ベストなラインを見出すまでに15周ほどかかったが、その後は本当に速かった。クルーが一丸となってこの素晴らしいトヨタ・タンドラを作ってくれた」

「本当に素晴らしい仕上がりで、持ち込んだ直後から良かったが、その後も微調整を続けて、レースを通してずっと絶好調だった。そして、深夜にもかかわらず応援してくれた全てのファンにも感謝したい」