カラム・アイロット、ラウンド2で優勝
ミックは3連続ルーキーポディウム獲得
オランダ/ザントフールト
2017年8月18~20日
オランダ伝統のサーキット、ザントフールト。かつてはF1GPも開かれ、F3というカテゴリーにとってもインターコンチネンタルカップの開催地として、マカオGPへと続く道となっていたレーストラックである。
海岸のすぐ横にあり、コースにはいつも砂が舞いスリッピーなコンディションである事で有名だ。
フリー走行を総合すると#3 マキシミリアン・ギュンターがトップ、#53 カラム・アイロットが4番手、#8 周冠宇 9番手、ミック・シューマッハが11番手と良い滑り出しを見せた。
予選1
しかし予選になると一変し、フォルクスワーゲン(VW)勢が一気に伸び、メルセデス勢は中段に飲み込まれてしまった。
メルセデス勢のトップは4番手を確保したマキシミリアン。これにカラムが続き5番手、周が8番手、ミックが9番手となる。レース1の予選結果はそのままスターティンググリッドに反映された。
レース1(シリーズ第19戦)
4番グリッドはレコードラインでは無いコースインサイドからだがマキシミリアンは素晴らしいスタートダッシュを決め、ターン1-数々の名勝負の舞台となったタルザンコーナーの進入で2番グリッドからスタートの#62 フェルディナンド・ハブスバーグ(カーリン)をオーバーテイク。#31 ランド・ノリス(カーリン)、#1 ジョエル・エリクソン(motopark)に次いで3番手に上がった。
このスタート直後のタルザンコーナーで周と#7 ラルフ・アーロン(ハイテックGP)がコンタクト。アーロンが#55 デビッド・ベックマン(motopark)に当たりベックマンは横転。グラベルに突き刺さってしまった為セーフティカー(SC)導入。
少々、時間が掛かったが救出されたベックマンに大きなダメージは無かった。再スタート後、この事で周はドライブスルーのペナルティが下され順位を大きく落とし、最終的に16位完走に留まった。
結局その後、大きな順位の変動は無くマキシミリアンは3位表彰台。カラムも5位でポイント重ね、9番グリッドからスタートしたミックは6位でゴール、ルーキークラス2位でこちらもポディウムに登壇した。
予選2
カラム2番手、マキシミリアン5番手、周7番手、ミックはやや外し気味で13番手のタイムとなったが、予選終了間際、アクシデントが発生し、各車の対応にペナルティが大量に下され、その結果カラムがポール、マキシミリアンと周はペナルティの対象となり7番手と9番手へと降格。逆にミックは11番手へと繰り上がった。
レース2(シリーズ第20戦)
レースは日曜日の朝一番のレース。ポールのカラムは気持ち良いくらいのホールショットを決めトップのままタルザンコーナーに飛び込む。しかし後方で#5 ペドロ・ピケがチームメイトとコンタクトしコースアウト。2レース続けてのオープニングラップでのSCインとなった。
再スタート後のカラムはここでも完璧なレースマネージメントを見せ、後続車を完璧にコントロールしてファステストも叩き出し優勝を決めた。
一方、4番手から13番手位までが1列になってしまった状態の中、中段のグループに嵌ってしまった7位走行のマキシミリアンは前を行くハブスバーグを果敢に攻めたが抜くに至らずそのままゴール。
同じくその中で激しいバトルを繰り広げていた周とミックのダブル・シュウだったがこちらも順位を変えられずに8位と9位でゴール。ミックはこの週末二度目のルーキーポディウムを手にした。
レース3(シリーズ第21戦)
このグリッドは予選2のセカンドベスト。マキシミリアン3番手、周が4番手とこの週末のベスト。カラムはタイミングに恵まれずにポールタイムを叩き出している最中にイエローが出ての7番手、ミックはこの週末ワーストの15位となり、4人のプレマセオドールドライバーの予選結果はそのままグリッドに反映された。
スタートで決めたのはまたもカラム。6番手のベックマンがスタートを失敗し、カラムは6番手へ。さらにタルザンコーナーでアウトから#34 ジェイク・ヒュース(ハイテックGP)をアウトからオーバーテイクし5位へ。これでプレマ・セオドールの3位、4位、5位の体制ができ上がる。
さらに15番グリッドのミックもスタートを決めターン2~3の間で2台をパス。さらにターン9までに1台を抜いて12位までポジションをアップ。
前を行く#99 ニキータ・マゼピン(ハイテックGP)を追いかけながら、後ろから猛追を見せるエリクソンを抑え切り、さらにカラムのリタイアによりポイントゲットにわずか0.159秒及ばずの11位。ここでもルーキー3位となりこの週末のすべてのレースでルーキーポディウムを獲得した。
一方のそのカラム。快調にトップ3を伺っていた矢先、前車にコンタクトしてしまいマシンにダメージを負いピットイン。ノーズ交換し戦列に復帰したもののマシンの不調訴えてリタイア。
レースはカーリンのワン・ツー体制揺るがず、そのままノリス-ハブスバーグの順でフィニッシュ。
やや置いて3位にマキシミリアン、4位に周。FDA(フェラーリ・ドライバーズ・アカデミー)の周はこのところ安定して常にトップ5のポジションを維持できるように急成長した。
その後方、5位から14位までは各車の差が0.1~0.5秒とほとんど差が無い状態でのゴール。そのなかでミックのドライビングは実況中継でも大いに賞賛された。
次のレースは9月8~10日に開催されるドイツ・ニュルブルクリンク。タイトル争いのドライバーズランキングはノリス313点に対してマキシミリアン302点と11点差で2位。
チームランキングは592点で2位のカーリン491点に101点の差をつけてリード。いよいよシリーズタイトルを懸けてユーロF3シリーズは終盤戦に突入します。
コメント
#3 マキシミリアン・ギュンター
レース1は良いスタートを切れてラインも上手く取れ、オーバーテイクに成功しました。しかしこのサーキットは本当にオーバーテイクが難しく、その後はこの3位のポジションを守るのが精一杯でした。
Q2は良かったです。ラストアタックは自分自身で納得できる位、インプルーブした走りができました。レース2が5番グリッド、レース3が3番グリッド。しかしQ2/レース2の結果にペナルティーが出て自分も7番手に降格。残念な予選でした。
レース2と3のスタートは良かったんだけどオーバーテイクまではできなかった。その後、前のクルマにプレッシャーを掛けるなど、できる限りの事はしたんだけどこのポジションでのフィニッシュが限界だった。次は本来の自分の位置に戻れる様に頑張ります。
#8 周冠宇
レース1は早く終わってしまった。スタートは良く、アーロンのインに入ったんだけどそこで彼とコンタクトしてしまい、その連鎖でベックマンにまで及んでしまった。オーバーテイクが難しいコースだからリスクをちゃんと取らないとならないね。
Q2はレッドフラッグ、イエローと出たんだけど自分には大きく影響しなかった。この予選で自分自身、このコースに対してのインプルーブができたのが良かった。
レース2のスタートは良かったんだけどポジションは上げられなかった。1stコーナーでタービュランスが出ていてパスできないんだ。結果、つまらないレースになってしまった。けれど8位でゴールしポイントも取れたのは良かった。
レース3もスタートはとても良いスタートを切れた。が、全員良かったみたいで結果、順位は変わらず。スタートでマキシミリアンに最大限のプレッシャーをかけたんだけど、彼も完璧なディフェンスでパス出来なかった。
そのうちリヤタイヤのデグラデーションが酷くなり、タイヤのマネージメントに集中するしかなった。そんな状況だったから4位を獲れたのは良かった。次のニュルではもっと良い結果を出せるように集中します。
#25 ミック・シューマッハ
レース1でポイントを獲れてさらにルーキーポディウムにも立てて良かった。
クルマのコンディションは良くて、ペースも良かったと思う。
目の前で三台がコンタクトしたのを見て自分は冷静に前へ出た。前後に選手権のトップを行くドライバーがいて、その中で自分のパフォーマンスを出せたと思っている。
Q2はとても難しかった。その後のレース2は上がったり、下がったりで……。自身のラップタイムそのもは良かったと思う。前になかなか行けない状況を乗り越える事が出来た事が良かったと思う。
レース3は本当の意味での結果は出せてはいないけれど、レースペースが良くパフォーマンスは良かったと思っている。今、自分が正しい位置にいると言う事を認識できる結果でした。
#53 カラム・アイロット
ザントフールトはオーバーテイクが本当に難しい。レース1は5番手スタートの5位ゴール。何度かファステストを出したけど、退屈なレースだよね。
Q2は酷いオーバーに悩まされたよ。で、レッドフラッグ。セットアップを変えて、予選再開後、二周目にレース2の2番手タイムを叩き出した。二度目のアタックに入ったらイエロー。そこまでベスト-ベストで来ていてタイム抹消。がっかりだよね。クルマは本当に良くなった。
ところがレース2では予選結果が変わってポールスタート。本当に目まぐるしく状況が変わったよ。スタートからリードを奪いそのまま勝ったよ。自分にスピードがある事、正しいタイミングに正しい位置にいる事、それが証明できたよ。
しかしレース3は7番手スタート。スタートで順位を上げた。しかしその先でコンタクト。リカバー出来ないレベルに落ちてしまったよ。