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是枝裕和監督、国内外から集まったスタッフと『三度目の殺人』の画作りに言及

2017年08月22日 11:02  リアルサウンド

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 9月9日に公開される映画『三度目の殺人』の画作りに関する、是枝裕和監督のコメントが公開された。


参考:広瀬すず、福山雅治らに「生きてるんだな」と天然発言 『三度目の殺人』舞台挨拶レポ


 本作は、是枝監督がかねてより挑戦したいと考えていたという、法廷を舞台にした心理サスペンス。勝ちにこだわる弁護士・重盛(福山)と、重盛が担当することになった二度の殺人を犯した男・三隅の関係を描く。


 自身にとって初となる法廷を舞台とした心理サスペンスで、1950年代の犯罪映画で印象的なフィルムノワールのような世界観を造り上げようと考えていたという是枝監督は、撮影と照明を、『そして父になる』(13)、『海街diary』(15)の瀧本幹也と藤井稔恭にオファー。是枝監督は「シネスコだとクローズアップが効果的で、三人で歩く姿がカッコいいんですね。結果的にとても良かったと思います」と、瀧本から提案されたシネスコでの撮影を振り返っている。藤井もまた、今までのナチュラルなライティングではなく、光と影のコントラストを強調した照明を演出した。


 美術監督を務めたのは、是枝監督とは『空気人形』(09)以来2作目のタッグとなる種田陽平。当初の打ち合わせからフィルムノワールが栄えた時代の往年のアメリカ映画の資料を用意し、窓を設けた法廷がいかに美しいかを主張した種田は、日本では珍しい、縦窓のある光に溢れた法廷を制作した。


 そして音楽を担当したのは、『最強のふたり』の音楽も手がけた、是枝組初参加のイタリアの作曲家、ルドヴィコ・エイナウディ。数年前、飛行機の機内プログラムでたまたまエイナウディの音楽を耳にし、『最強のふたり』で映画音楽を作曲していると知った是枝監督は、エイナウディの曲を聴きながら脚本を執筆したという。その後、是枝監督が”日本映画らしくない画作りの本作にぴったりだ”と熱烈なラブコールを送ったことで、今回のコラボレーションが実現した。


 是枝監督は本作の画作りについて、「スタイリッシュな画面設計を目指したんです。光も色彩も。撮影と美術とそれから音楽もあわせて、統一感のある世界観を作り込んでいきました」と明かしている。(リアルサウンド編集部)