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【今宮純のキャッチポイント】スパ勝利の鍵はセクター2、フェラーリはメルセデス優勢を覆せるか

2017年08月22日 11:02  AUTOSPORT web

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2017年F1第10戦イギリスGP ルイス・ハミルトン、セバスチャン・ベッテル
スパで圧倒的な強さを誇るメルセデスだが、フェラーリのセクター2のパフォーマンス次第で“マッチレース”もあり得る

 サマーブレイクの後はベルギーGP、2009年からスパ・フランコルシャンが“再開幕戦”になっている。50回目を迎えるスパF1、昨年は隣国オランダからの観客が急増、今週は母国ストフェル・バンドーンの初の母国グランプリとあってすでに指定席は完売。超満員が予想される。 

 コースの性格が異なるハンガロリンクとスパ、2009年以降この2戦に連勝した者はダニエル・リカルドだけ。また、ポイントリーダーが“再開幕戦”を勝利したのは15年ルイス・ハミルトン、11&13年セバスチャン・ベッテルの3年となっている(過去8年の勝率約37%)。

 こうした戦績データ(ジンクス!?)を見直すと、気になるのがベッテル。ハンガリーGPに勝ち、202点ポイントリーダーは後半初戦にダッシュできるか。13年レッドブル時代に予選2位から逆転勝利後、5位、12位、6位という結果にとどまっている……。

 15年ハミルトン、16年ロズベルグ、メルセデス勢がポール・トゥ・ウインでスパを駆け抜けた。強力なパワーユニットのアドバンテージを活かし、エアロセッティングをダウンフォースプラス方向にまとめ上げ、長い全開区間と中高速コーナーでの最適バランスを構築。金曜FP1から1-2、ほぼ完ぺきなイニシャルセッティングを決めてくるのが彼らの強みだ。

 この流れからメルセデス優勢と言われているが、今年フェラーリはパワーユニットのハンデを克服しつつあり、メルセデスに似たエアロセッティングをトライできそうだ。シルバーストーンの高速コーナーで抜きん出る速さを見せたフェラーリ、下りコーナーがひしめくセクター2のパフォーマンス次第で“マッチレース”もあり得る。


 そのセクター2で、昨年の予選最速を記録したのがレッドブルのマックス・フェルスタッペン(47秒560)。ポールポジションのロズベルグを0.264秒も上まわる“コーナリングパワー”を発揮、予選2位を得た。セクター1と3はかなわなくてもセクター2で稼ぎ、0.149秒差まで迫った。F1コース随一のダウンヒル区間には自由席しかないが、昨年同様オランダ人応援団でいっぱいになりそう。レッドブルとしても前傾(レーキ角)セットアップを活かし、高い旋回性能によって勝負したい。

 スパと言えばオー・ルージュが有名だが、キーコーナーを絞り込むならセクター2の左高速“プーオン”とセクター3最後の低速“旧バスストップ・シケイン”も挙げられる。17年最速マシンが駆け抜けるスパ、ほぼ1カ月ぶりにここからリスタート──。


■今宮純が厳選するF1第12戦ベルギーGP 6つの見どころ

キャッチポイント1
初めてピレリがソフト側の3スペック、ウルトラソフトを供給。今季これまで「コンサバすぎる」と言われてきたが、超高速コースにあえてこの選択をしてきた。チーム間でセット数も分かれ、メルセデスはソフト3セット以上で、ウルトラソフト6セットと少ない。フェラーリはウルトラソフト7セット、逆にレッドブルはソフト1セットのみでウルトラソフト9セット(!)。大胆なチョイスによって2強に挑む。

キャッチポイント2
ハミルトン188点、バルテリ・ボッタス169点、ふたりは19点差までせばまってきた。5戦連続表彰台のボッタス、ハミルトンとベッテルより成績はコンスタント。コース特性にしっかり対応できているからだ。第3の存在に上がってきた彼の強みは、前を追うのみだということ。後ろが気になるふたりとは違ってくる。

キャッチポイント3

ストレートエンド以外でも、オーバーテイクチャンスを作れるレッドブル。リカルドもフェルスタッペンも“ハイリスク・ハイリターン”に挑むタイプだ。スパは比較的コース幅があり、ライン自由度もあるから……。


キャッチポイント4
最後に勝ったのは09年、スパ4勝のキミ・ライコネンはチームメイトをここで上まわることが多い。印象的なのは下りのセクター2、フロント荷重移動を巧みに用いたターンインによって「前がスパッと入る」と言う。

キャッチポイント5
昨年、ここからマノーでデビューしたエステバン・オコン、20戦100%完走記録続行中。予選からセルジオ・ペレスに対抗か、1周年となるスパで意識しているはず。

キャッチポイント6

フェルナンド・アロンソ自身、夏の間に心を決めたかどうか。マクラーレン首脳陣(株主)とホンダ本社側の意向が絡まるなか、タイムリミットが迫っている。レース順位結果よりもパフォーマンス重視、それが判断する基準となるスパ、そしてモンツァだろう。