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ドゥカティ 2017年SBK第9戦ドイツ レースレポート

2017年08月21日 18:12  AUTOSPORT web

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レース2でチャズ・デイビスが優勝。マルコ・メランドリも3位表彰台を獲得した。
SBKドイツ・ラウンドで、チャズ・デイビスが連勝! マルコ・メランドリもレース2で3位表彰台を獲得
 2017スーパーバイク世界選手権(SBK)第9戦のドイツ・ラウンドが、ユーロスピードウェイ・ラウジッツで開催された。Aruba.it レーシング-ドゥカティチームのチャズ・デイビスは、イモラに続き今シーズン2度目の連勝をマークした。
 
 土曜日のレース1を制したデイビスは、レース2では9番グリッドスタートながらも勝利を手にした。マルコ・メランドリは、トラブルに見舞われたレース1を手堅く4位でまとめ、翌日のレース2では3位フィニッシュして、デイビスとともに表彰台に登壇した。

レース1
 デイビスは、スタート直前にリヤブレーキ・トラブルに見舞われながらも、冷静さを保って6番グリッドから力強くスタートを切った。
 
 ターン1を2位で通過し、2周目に早くも首位に立つと、1分37秒台前半のタイムで周回。ジョナサン・レイとトム・サイクスのカワサキ勢との差を広げ、圧倒的な強さで今季5勝目をマークした。

 チームメイトのメランドリは、4番グリッドから良好なスタートを切ったものの、リヤタイヤのパフォーマンスが徐々に低下して思ったようにプッシュできなくなり、守勢に回らざるを得なくなった。
 
 彼はハンディを抱えながらも、4位でフィニッシュラインを通過した。翌日のレース2は、メランドリがポールポジション、デイビスが9番グリッドからスタートする。

レース1のコメント
チャズ・デイビス(Aruba.it レーシング-ドゥカティ・スーパーバイク・チーム#7)-1位
「フォーメーションラップは、最悪な状態だった。リヤブレーキに問題が発生して、最終コーナーでハイサイド寸前になった。通常はこの手のトラブルをごく短時間で解決することはできないので、かなりナーバスになったが、素晴らしいクルーに恵まれたおかげで、トラブルはほとんど解決した。これならば全力で走れると確信することができた」

「スタートは素晴らしく良く、序盤は良い位置につけられた。リードを奪ってからは、ラップタイムは気にせずに自分のペースで走ることだけを心がけた。かなり良いリズムで走行できたが、レース2に向けて改善の余地が残っている」

「明日は9番グリッドからのスタートだが、このサーキットはオーバーテイクできるうえ、チーム一丸となってより安定して良いスタートを切れるように作業を行なってきた。明日も面白いレースが見せられるだろう」

マルコ・メランドリ(Aruba.it レーシング-ドゥカティ・スーパーバイク・チーム#33)-4位
「簡単なレースではなかった。序盤の数周は何とか首位グループについて行けたが、リヤタイヤのパフォーマンスが低下するにつれて、バンプを通過する毎にマシンが激しく左右に振れるようになった。あの状況ではスロットルを戻さざるを得ず、トップグループに水を開けられた」

「当初はブレーキングを遅らせて何とかカバーしようとしたものの、ハードにプッシュすればするほどミスを犯しやすくなる。何度かフロントのコントロールを完全に失いそうになった」

「今日のペースは1分37秒台後半だったが、今日はこれ以上無理だったし、あれ以上のリスクを冒さないことが賢明だと判断した。明日はウォームアップ中にいくつかセットアップを変更してみようと思っている。スタートからチェッカーまで、ライバルについて行くことが目標だ」

ステファノ・チェッコーニ(Aruba S.p.A CEO兼チーム代表)
「チャズ(・デイビス)が私たちに素晴らしい勝利をプレゼントしてくれた。今日の勝利は彼のハートと頭脳の賜物だ。フォーメーションラップ中にトラブルが発生したのだから、普通ならば冷静でいられるはずもないが、素晴らしいチームワークの甲斐もあり、彼はいつもどおりのスタートを切って、序盤から彼のペースで走行することができた」

「一方、マルコ(・メランドリ)はバンプでの挙動に問題が発生して、数周でペースを落とさざるを得なくなった。連勝は容易ではないが、明日も私たちのライダーが表彰台の頂点に立てるよう最大限努力する」

レース2
 9番グリッドについたデイビスは、この日も素晴らしいスタートダッシュを見せ、チームメイトのマルコ・メランドリ、ジョナサン・レイとともに首位グループを形成し、11周目にトップに立った。
 
 残り5周で小雨が落ちてくると、このタイミングでスパート。今季6勝目を手中に収めた。

 ポールポジションからスタートしたメランドリは、昨日とは異なり、彼本来のペースで走行することができた。序盤の5周はラップリーダーを務め、その後も終始トップ争いに絡みながらも3位でチェッカーを受け、今シーズン8度目となる表彰台を獲得した。
 
 彼にとって重要だったのは、レースペースが昨日よりはるかに良かったという点であり、今後の戦いに希望の持てるレースとなった。

 第9戦終了時点で、デイビス(276ポイント)とメランドリ(218ポイント)は、それぞれランキング3位と4位につけている。第10戦のポルトガル・ラウンドは、9月15日~17日に、アルガルベ・インターナショナル・サーキットで開催される。
レース2のコメント
チャズ・デイビス(Aruba.it レーシング-ドゥカティ・スーパーバイク・チーム#7)-1位
「凄いレースだった。あらゆる瞬間でレースを楽しむことができた。昨日のレースとは展開がまったく違った。今日は3列目からポジションを回復しなければならなかった」

「スタートが良く、数周でトップグループが手に届くところまでポジションを上げることができた。前方でレイがアタックをかける姿が見えたので、何とか彼とマルコに追いつこうと思った」

「ふたりをパスするのは簡単ではなかったが、首位に立ってからはとにかく自分のペースを守り、クリーンなライディングをして、ミスを犯さないことだけを心がけた。1分36秒台後半で走れたことが驚きだ」

「1ヶ月前にこのサーキットでテストしてから着実に進歩している。皆の努力が報われた。自信を持ってポルトガルのレースに臨める。今日はこの連勝を祝うつもりだ。今後の準備を整えるのはそれからだ」

マルコ・メランドリ(Aruba.it レーシング-ドゥカティ・スーパーバイク・チーム#33)-3位
「昨日はトラブルに見舞われたので、まさか表彰台に上れるとは思わなかった。だが、チームとともに良い仕事ができた。レース2に向けて重量配分とマシンバランスを変更した。おかげでPanigale Rはずっと乗りやすくなって、自信が持てるようになった」

「コーナーによってはまだマシンがかなり暴れて、加速でタイムをロスした。ブレーキングを遅らせてタイムを回復しようとしたが、何度かミスを犯してしまった。ミザノのレース1の出来事を思い起こして、表彰台を獲得することを最優先にした」

「今週末はポジティブだったと思う。マシンについて新しいことを学んだ。今後は僕のスタイルに合ったサーキットで走れる。今後のレースには自信を持っている」

アーネスト・マリネッリ(スーパーバイク・プロジェクト・ディレクター)
「素晴らしい週末だった。チャズが非常に貴重なダブルウィンを達成した。特に今日のペースは驚異的だ。Panigale Rに寄せる自信の深さが表れている。マルコのカムバックも嬉しい」

「優勝争いについて若干自信をなくしていたようだが、今日はレース1のトラブルから見事に立ち直った姿を見せた。素晴らしい仕事をしてくれたチームとボルゴパニガーレの面々に感謝の言葉を伝えたい。ポルトガルでもこのレベルを維持できるように全力を尽くしたい」