8月19日(土)公式予選
後半戦スタート!
高橋は今季最高位グリッドの予選4番手、清成は9番グリッドで明日の決勝レースを迎える
前戦オートポリス大会から約2カ月のインターバルを置いて全日本ロードレース第6戦「TWIN RING MOTEGI 2&4 RACE」が栃木県・ツインリンクもてぎサーキットで開催された。
2カ月空いたとはいえ、間に鈴鹿8耐が開催されたので実質3週間のインターバルとなった高橋と清成。9年ぶりの鈴鹿8耐は決して満足のいく結果ではなかったが、来年に向けてMORIWAKI MOTUL RACINGは動き出している。
鈴鹿8耐のあと高橋はすぐに鈴鹿サーキットレーシングスクールの講師としてちびっ子達にサーキット走行を教えていた。その後、家族揃ってゆっくり過ごした。
清成は単身で鈴鹿に来ているので実家に戻り久しぶりの家族団らんを過ごした。僅かな時間ではあったが心と体をリフレッシュさせ、英気を養った高橋と清成、後半戦へのモチベーションを上げてもてぎ入りした。
金曜日にART合同走行が開催された。週末は雨という天気予報、1本目の走行直前に霧雨が落ちてきて路面がわずかに濡れるコンディションだがドライタイヤでセッションに臨む。
高橋は1分50秒873のタイムで5番手につける。清成はもてぎから新たに投入したパーツのセッティングを試しながら1分52秒742で14番手。1本目の走行終了と同時に大粒の雨が落ちてきてみるみるうちに路面はウエットになる。
午後に行われた2本目の走行、雨は止んだものの路面はウエットのまま。決勝レースで雨が降ることを想定してレインタイヤで2台はコースイン。高橋は2分4秒925で18番手、清成は2分5秒514で20番手。予選、決勝に向けてセッティングを詰める。
迎えた公式予選。雨は落ちてこなかったが、朝からジメジメとした不快な天候。今回の予選はノックアウト方式が採用された。
全車走行する30分間のQ1走行でエントリー31台から26台に絞り込む。Q1の上位6台は自動的にQ3に進出、26台によるQ2の上位4台がQ3に進出、Q3は10台で決勝レースのグリッドを決める。11番グリッド以下はQ2の順位となる。
Q1、高橋は連続周回を重ねる。1分50秒台の安定したラップタイムで走行、11周目に出した1分50秒453のベストタイムで6番手につけ、Q3進出を果たす。清成は思うようにペースが上げられず1分51秒701で11番手タイムであった。
Q2、清成はセットを確認しながら走行を重ね、最終ラップにこの週末ベストの1分50秒838のタイムで4番手に食い込みQ3進出を果たした。
Q3、高橋はいきなり1分50秒3から入る。一度ピットインしたあとには49秒台を連発、7周目の1分49秒385のベストタイムで4番グリッドを獲得した。
清成は最終ラップに出した1分50秒671のタイムで9番グリッドを獲得。シリーズ後半戦は2台そろって予選トップ10内からのスタートを切る。
JSB1000クラス予選終了後、スーパーフォーミュラのセッション中に激しい雷雨となり赤旗中断。明日も不安定な天候が予想されるが、条件は全員同じである。MORIWAKI MOTUL RACINGはチーム、ライダーが一体となって明日の決勝レースに臨む。
ライダーコメント
高橋選手コメント
「予選タイムの1分49秒3は自己ベストですが、それよりも決勝に向けたタイヤでタイムを出せたことと、Q1で連続走行を行うなかで6番手に食い込めたことがうれしかったです。トップにはまだまだ届いていませんが、アベレージタイムが上がってきたなかで一発のタイムを出せるということはバイクがまとまってきたのかな、と確実に進化しているのを感じています」
「限られた走行時間の中でチームはキチンとマシンのセットアップを行ってくれていることに感謝しています。鈴鹿8耐で1000ccのバイクをみっちり走り込めたことがこのレースウイーク初日からタイムを出せた要因のひとつだと思います。明日の決勝レースは、いつもの通り最初から全開で攻めていきたいと思います」
清成選手コメント
「予選は非常に難しかったです。今後のマシン開発に必要な新しいパーツを今回から投入したのですが、それが想定していたフィーリングと合わなくてセッティングに相当時間を取られてしまいました」
「昨日の走行では少し走ってはピットに戻ってアジャスト、また走行してピットに戻る、を繰り返していました。レースウイークの現場でできる事は限られているのですが、そのなかでチームはキッチリと確実にセッティングを詰めてきてくれているので非常に感謝しています」
「明日の決勝レースは序盤に順位を上げ、タイヤマネジメントをしっかり行って最後までキッチリと走り切りたいと思います。そして今後に繋がる貴重なデータを収集したいと思います」
8月20日(日)決勝レース
MORIWAKI MOTUL RACING、高橋裕紀が今季最高位の4位獲得、清成龍一も7位でフィニッシュ
全日本ロードレース第6戦「TWIN RING MOTEGI 2&4 RACE」の決勝レースが開催された。前夜の雨は朝には上がり、朝のウォームアップ走行はドライコンディションで行われた。高橋裕紀は1分50秒422で5番手、セットアップに苦戦していた清成龍一は1分51秒225で6番手につける。
午前10時25分、JSB1000クラス決勝レーススタート! 高橋は絶妙なスタートを切りオーオープニングラップを4番手で通過する。2周目に1分49秒897、3周目1分50秒001と速いペースで周回、ヤマハファクトリー2台、津田選手(スズキ)にピタリとつけて4台で先頭集団を形成する。
その後も50秒前半から中盤のタイムで周回を重ねる。今回、ピレリの新しいタイヤスペックを投入した高橋、レース後半のラップタイムの下がり幅の大きさが前半戦の課題であったが、今回は終盤でも51秒前半のラップタイムで周回、今季最高位の4位でフィニッシュした。
一方、新たに投入したパーツのセットアップに苦戦していた清成はスタートで出遅れ、オーオープニングラップで13位まで下げてしまう。レース序盤のグリップ不足に悩まされ順位を落としてしまったが、51秒台の安定したラップで周回、徐々に順位を上げて7位でチェッカーを受けた。
このレースウイークは2&4レース開催のため走行時間が少なく、マシンのセットアップを詰める時間が足りなかったが、そのなかでチームスタッフ、メカニック、ライダーが一体となって仕上げていった。
結果として今季最高位の4位、7位のシングルフィニッシュを獲得。まだまだやるべきことはたくさんあるがこの大会で明確な課題がみつかり、次戦オートポリスに向けて貴重なデータを収集できた。MORIWAKI MOTUL RACINGはさらなる高みを目指して挑戦を続ける。
ライダーコメント
高橋選手コメント
「優勝争いや上位進出を狙わなければいけないのですが、現状でやれることをしっかりとこなして確実にステップアップしていることが結果として表れたので素直に喜びたいと思います」
「今回の4位という結果は新しく投入したピレリタイヤが非常に良く機能しましたことが大きいです。前半戦、温度レンジが狭く後半のラップタイムが大きく下落することが課題でしたが、低い温度でも機能して最後までしっかりと走れるタイヤを用意してくれました。そして鈴鹿8耐を走ったことも大きな要因です」
「自分も走り込んでマシンに慣れましたし、チームもマシンの造り方をしっかりと確立できるようになりました。頂点を獲るにはまだまだやることがたくさんありますが、ホンダさん、ピレリタイヤさん、MOTULさんの協力がきちんとカタチになってきているので次戦のオートポリスでも好成績を残せると思います」
清成選手コメント
「序盤の遅れが響いてしまい、もう少し順位を上げられたかもしれましたが、このレースウイークの流れの中では7位という結果は仕方ないのかな、と思います。今回新しいパーツを投入しましたが、結果的にこのウイーク中に良い方向へ持って行けませんでした」
「ただし、そのような非常に厳しい状況のなかでチームスタッフ、メカニックがここまでマシンを仕上げてくれたことに感謝しています。ひとつひとつのパーツの性能は高いのですがそれをマシン全体のポテンシャルを高めるためにトータルバランスさせることが難しかったです。しかし次に繋がる課題もはっきりと見えましたので次戦オートポリスまでには解決して臨みたいと思います」