WRC世界ラリー選手権第10戦ドイチェランドは8月20日、SS18~21が行われ、オット・タナク(フォード・フィエスタWRC)が優勝を飾り、キャリア2勝目を飾った。
■Mスポーツ
●オット・タナク(フォード・フィエスタWRC)/総合1位
「僕が言えることは、ドイチェランドは非常にトリッキーなラリーで、他にもたくさんの優勝候補がいたけど、僕たちは完璧に仕事をこなしたということだけだ」
「ターマック(舗装路)で勝てることを証明したし、すでにグラベル(未舗装路)でも勝利を手にしている。だから、今後はどのラリーでも勝利にチャレンジしていくよ」
「この週末、マシンは最高の状態だったからイベントのために懸命に作業してくれたチームには感謝している。自信を得ることができたし、コンディションが安定していたときは、ドライブするのが本当に楽しかった」
「とにかく最高の週末だった。勝敗を分けたのは金曜日(のデイ2)だったと思う。ミスなくクリーンに走ることができたし、かなり強気なタイヤ選択が結果として成功したんだ。その後はリードを守るだけでよかった」
「また優勝できてうれしいし、残り3戦でランキング上位のドライバーたちに勝負を挑まない理由はない。チャンピオン獲得のためには勝ち続ける必要があるし、そうしていくつもりだ」
●セバスチャン・オジエ(フォード・フィエスタWRC)/総合3位
「チャンピオンシップの点では、ポジティブな週末で、ふたたび17ポイント差までリードを広げることができた。それが一番重要なことだ。もちろん、もっと差を広げたかったし、優勝争いに加わることができればよかったけど、悪い週末ではなかった」
「金曜日のスタートから難しいものとなった。とくにぶどう畑を抜けるステージでは、正しいセットアップをみつけられなかったし、タイヤ選択も間違っていたと思う」
「あのときはウエットタイヤでの経験がなく、タイヤのパフォーマンスを予想することができなかった。今はいい性能を持っているとわかっているけどね。さらに、ライバルとも僅差でリスクを取ることが難しかったんだ」
「その後は問題なかったし、ティエリー(・ヌービル)がデイリタイアしてからはリスクを負う必要は無くなった。僕らはアンドレアス(・ミケルセン)とはそこまで離れていなかったけど、彼には速さがあったし、3ポイントのために危険を冒す考えもなかった」
「このあと、少し休暇を取ることができるから、残り3戦で(タイトル防衛へ)最後のひと押しができるよう、休暇を大いに楽しむよ」
●エルフィン・エバンス(フォード・フィエスタWRC)/総合6位
「僕らにとって最高の週末ではなかったけど、時にはそんなこともある。ペースがいい時もあったし、すべてのステージでできる限りプッシュした。だけど、路面コンディションの変化が大きく、それに苦しんだと言ってもいい」
「(第4戦の)ツール・ド・コルス進歩を遂げたことは大きなプラス要素だし、チーム全体として強力な結果を出してきた。だから、次戦も楽しみにしているよ」
■ヒュンダイ/ヒュンダイ・モータースポーツ
●ヘイデン・パッドン(ヒュンダイi20クーペWRC)/総合8位
「コンディションが安定しているときは、昨年に比べてパフォーマンスに改善があった。この厳しい週末でも得るものがあったのことがポジティブな面だね。このラリーは今シーズンで一番厳しいものになるであろうことは分かっていた。だから完走することができ、より速いステージタイムを出せて嬉しいよ」
「これから母国のニュージーランドに戻って1カ月を過ごし、その間にいくつかグラベルラリーに参加する予定でいる。楽しみにしているんだ。そうしてヨーロッパに戻ったら、シーズンを良い結果で締めくくるためにプッシュし始めることにするよ」
●ティエリー・ヌービル(ヒュンダイi20クーペWRC)/総合44位
「僕たちには小さなミスが多すぎたし、ヒュンダイi20クーペWRCのハンドリングに手こずってしまった。土曜日はマシンに乗る時間を充分取れなかったから、最終ステージに向けてベストな準備ができていなかったんだ」
「トップ争いを演じることを望んでいたのに、ラリーがこのように終わってしまって、本当にがっかりしている。でもチャンピオンシップはまだ終わりじゃない。残りの3ラウンドで挽回するために、すべてを出し切るつもりだよ」
●ダニ・ソルド(ヒュンダイi20クーペWRC)/総合34位
「このような内容のラリーにはしたくなかった。だからパワーステージでステージ優勝を飾れたのは良かった。今週末、問題がなければ、どんな結果を残せたか証明できたからね」
「(デイ2の)金曜日にミスを犯した自分自身に心底がっかりしている。そのために好成績を残すという希望を失ってしまった。チームに対しても申し訳なく思う。でもこの2日間、僕たちはより優れたパフォーマンスを出そうと努力してきたんだ」
「今は僕のホームイベントである次戦ラリー・デ・エスパーニャに目を向けるしかない。そこでは表彰台圏内に戻れるようできる限りの努力をするし、シーズンを可能な限りベストな形でフィニッシュできるようにするつもりだ」
■シトロエン/シトロエン・レーシング
●アンドレアス・ミケルセン(シトロエンC3 WRC)/総合2位
「とても嬉しいね、僕のキャリアのなかでも最高の総合2位だと思うよ! シトロエン・レーシングとアンダース(・イエーガー、コドライバー)、それに僕が、今週末懸命に取り組んだことを誇りに思うよ」
「1日目は出走順にも関わらず、僕たちは限界までプッシュして総合首位を賭けた戦いを続けていた。その後、小さなミスはあったけれど、セバスチャン・オジエを抑えられたことに満足しているよ」
●クレイグ・ブリーン(シトロエンC3 WRC)/総合5位
「また総合5位につけることができたことは本当に信じられないけど、この結果は僕たちに一貫した速さがあることを示している。スタートからフィニッシュまでプッシュしていたんだ」
「パワーステージでの最後のジャンプは、あれ以上速く飛ぶことはできなかった。実際、着地の衝撃が大きく、フロントガラスにヒビが入ってしまったよ! それでも総合5位に食い込むことができたから、とてもポジティブな週末だったと言える」
「このイベントでは、今まで知らなかったことをたくさん学んだから、将来自分の役に立つと思うんだ」
■トヨタ/TOYOTA GAZOO Racing WRT
●ヤリ-マティ・ラトバラ(トヨタ・ヤリスWRC)/総合7位
「今朝最初のSSでは、まだ調子が上がっていなかったから、やや遅れをとったけど、次のSSはうまく走れた。自分が好きなタイプのコースだったから、その再走となるパワーステージには自信を持って臨んだよ」
「しかし、SSをスタートしてすぐ左コーナーで何かに当たってしまい、その後はパンクを回避するためペースを落とした。ラリー序盤にトラブルで遅れたことを考えれば、こうしてポイントを獲得できたのは喜ぶべきことだと思う」
●ユホ・ハンニネン(トヨタ・ヤリスWRC)/総合4位
「ラリー序盤に大きく遅れてしまったけど、それ以降は良い戦いができた。総合4位という結果には本当に満足している。ラリー期間中を通して、クルマもフィーリングも素晴らしい状態だったよ」
「今朝は最初のSSでアタックを楽しみ、その後は少しペースを落とすことにした。今シーズンの前半と比べると、後半はとてもポジティブなラリーが続き。うれしいね」
●エサペッカ・ラッピ(トヨタ・ヤリスWRC)/総合21位
「昨晩は、うまく行かなかった理由を精査し、原因を特定することができた。その結果、今朝は状況が改善され2本目のSSはうまく走れたが、その次のSSではブレーキタイミングの遅れによりコースを外れ、エンジンが止まってしまった」
「また、最後のパワーステージではひやっとするシーンもあったけど、幸運にも切り抜けることができました。いろいろあったラリーだったけど、今日のスピードには満足している」