トヨタ勢最上位となる総合4位でフィニッシュしたユホ・ハンニネン(トヨタ・ヤリスWRC) WRC世界ラリー選手権第10戦ドイチェランドは8月20日、SS18~21が行われ、TOYOTA GAZOO Racing WRTのユホ・ハンニネン(トヨタ・ヤリスWRC)が総合4位でフィニッシュ。僚友のヤリ-マティ・ラトバラ(トヨタ・ヤリスWRC)は総合7位、エサペッカ・ラッピ(トヨタ・ヤリスWRC)は総合21位で完走を果たした。
競技最終日のデイ4を迎えたラリー・ドイチュランドは、ドイツ西部のボスタルジーを中心にSS18~21の4SS、計51.95kmで争われた。
トヨタ勢最上位の総合5番手につけるハンニネンは、総合4番手のエルフィン・エバンス(フォード・フィエスタWRC)と4.2秒差でこの日の走行をスタートすると、オープニングステージのSS18でステージウイン。エバンスを逆転し、総合4番手に浮上する。
「クルマもフィーリングも素晴らしい状態で、今朝は最初のSS18でアタックを楽しんだ」というハンニネンは、その後のSS19~20でも安定した走りをみせる。迎えた最終ステージのSS21ではややペースを落としたものの、順位を上げてきたクレイブ・ブリーン(シトロエンC3 WRC)を退けてターマック(舗装路)ラリーでの自己最上位となる4位で完走を果たした。
競技2日目に点火系トラブルに見舞われ影響から総合7番手で最終日をスタートしたラトバラは、SS19から3SS連続でステージトップ3につけるなど速さをみせるが、順位アップには至らず総合7位フィニッシュ。しかしSSタイム上位者にボーナスポイントが与えられる最終パワーステージで3位となったことで3ポイントを加算している。
また、総合21番手でデイ4を迎えたラッピは、ラトバラを上回る速さをみせSS19でステージ優勝。SS20でもステージ2位につけたほか、パワーステージのSS21でもトップと0.2秒の2位となり4ポイントを獲得してみせた。
「今回の自分たちのパフォーマンスには満足している」と語るのはTOYOTA GAZOO Racing WRTのチーム代表であるトミ・マキネン。
「ユホ(・ハンニネン)は週末を通して素晴らしい走りを続け、2度にわたってSSベストタイムを記録した。彼には表彰台争いをできる速さがあったと思う」
「ヤリ-マティ(・ラトバラ)はラリー序盤非常に速く、金曜日にトラブルが起こらなければきっと優勝争いに加わることができただろう。エサペッカ(・ラッピ)は最終日、このような難しい条件のターマックラリーを戦えるという自信を深め、大きく成長した。来年はきっとラリー・ドイチェランドで優勝争いができるはずだ」
「今回ヤリスWRCのパフォーマンスがターマックラリーでも高いレベルにあると自信を持つことができたので、今後がとても楽しみだよ。次戦のスペインでさらに競争力を高めるべく、引き続き改善に努めるつもりだ」
7位完走となったラトバラは「ラリー序盤に起きたトラブルで遅れたことを考えれば、ポイントを獲得できたのはよろこぶべきことだと思う」とコメント。
惜しくもパワーステージ優勝を逃したラッピは「最後のパワーステージではひやっとするシーンもあったけど、幸運にも切り抜けることができた。今日のスピードには満足しているよ」と語った。
WRC次戦第11戦はスペイン北東部のサロウを中心に開催されるラリー・デ・エスパーニャ。10月5~8日に行われるこのイベントはグラベル(未舗装路)とターマックが合わさるシーズン唯一のミックスサーフェスラリーだ。TOYOTA GAZOO Racing WRTは次戦もラトバラ、ハンニネン、ラッピの3台体制で2017年シーズン3勝目を目指す。