WRC世界ラリー選手権第10戦ドイチェランドは8月20日、SS18~21が行われ、オット・タナク(フォード・フィエスタWRC)が優勝を飾り、キャリア2勝目を飾った。
6月に行われた第7戦イタリアで自身初のWRC初優勝を飾ったタナク。週末のラリー・ドイチェランドでは序盤からアンドレアス・ミケルセン(シトロエンC3 WRC)と首位争いを展開し、SS7でトップに浮上した。
その後は、一度も総合首位の座を譲ることなく、競技3日目終了時点で21.4秒の大量リードを構築。20日の競技最終日は、この貯金を切り崩しながら危なげない走りに徹して、最終的に16.4秒差で優勝を奪った。
また、ランキング首位に再浮上したセバスチャン・オジエ(フォード・フィエスタWRC)とは33点差となっており、残り3戦で逆転タイトルの可能性も残している。
「(タイトル獲得へ向け)戦わない理由は見当たらないし、勝負を挑んでいく」とタナク。
「シリーズチャンピオンを手にするには、残り3戦でも勝ち続ける必要があるからね」
「今回の勝因は(雨が降って)難しいコンディションとなった金曜日のデイ2に完璧なタイヤ選択ができたことだ。そのあとはラリーをコントロールすることができたし、初めてターマック(舗装路)イベントで勝つことができた。最高の気分だよ」
総合2位は序盤に優勝争いを繰り広げたものの、競技3日目にミスがありタイムを失ったミケルセンが獲得。総合3位はシリーズ5連覇を目指すオジエが続いた。
前日デイリタイアしたティエリー・ヌービル(ヒュンダイi20クーペWRC)はボーナスポイントが獲得できるパワーステージのSS21でトップ5入りを目指したが、ステージ5位に0.6秒届かず6位。ポイント獲得はならず、17点差でランキング2番手に交代している。
前日、エルフィン・エバンス(フォード・フィエスタWRC)とユホ・ハンニネン(トヨタ・ヤリスWRC)が4.2秒差となっていた総合4位争いは、ハンニネンに軍配。ラリー・フィンランドで総合2位の座を奪われた“リベンジ”に成功した。
SS18で総合5番手に交代したエバンスは競技最終日にソフトタイヤを選択する戦略が裏目に出て、その後もペースを上げられず。総合6位で競技を終えている。
エバンスに続く総合7位はヤリ-マティ・ラトバラ(トヨタ・ヤリスWRC)が獲得。前戦ラリー・フィンランドを制したエサペッカ・ラッピ(トヨタ・ヤリスWRC)は総合21位だった。
10月5~8日に行われる次戦WRC第11戦はスペインが舞台のラリー・デ・エスパーニャ。シーズンで唯一、グラベル(未舗装路)とターマックが混在するミックスサーフェスイベントだ。