2017 SUPER FORMULA
P.MU/CERUMO・INGING Race Report
第4戦 ツインリンクもてぎ
◆8月20日(日)決勝
#1 国本雄資 15位/#2 石浦宏明 4位
<決勝>天候:曇り|コース状況:ドライ
2017年の全日本スーパーフォーミュラ選手権第4戦。予選開始と同時に降り出した突然の雷雨の影響を受け後方グリッドからのスタートとなったP.MU/CERUMO・INGINGの2台は、石浦宏明が4位フィニッシュでポイント獲得に成功し、国本雄資は15位フィニッシュとなった。
前日の公式予選が雷雨により途中順延。決勝日午前中のフリー走行を30分から10分に短縮し、Q2・Q3が行われることになった。残念ながらQ1で敗退しているP.MU/CERUMO・INGINGにとっては決勝前のチェック走行時間が削られることになるが、わずかな時間の中でタイヤの皮むき作業を含め決勝に向けた準備を進めていった。
昼過ぎからのピットウォークを迎える前に雨が降り、路面はたちまちウェットコンディションへと変わってしまった。ただしすぐに雨はやみ、気温も30℃近くと高いこともあって、スタート前の8分間のウォームアップの時点では所々にウェットパッチが残る程度まで回復。決勝は完全ドライコンディションでスタートした。
国本、石浦ともにスタートダッシュでポジションアップに成功。国本は予選で前にいた石浦もかわし15番手でオープニングラップを終えた。ただし、ミディアムタイヤでスタートした2台に対し、ソフトタイヤでのスタートを選択したライバル勢がプッシュをかけ、レース序盤に国本は16番手、石浦は最後尾まで順位を下げることになってしまう。
集団の中に入り込んでしまったこともあり思うようにペースを上げられない国本は、12周を終えたところで早々にピットインを決断。初めて決勝で使用するソフトタイヤのライフに不安はあるものの、他車とのスペースをつくりソフトタイヤで追い上げる作戦に出た。
交換して数周は1分35秒台のハイペースを重ねたが、各車がピット作業を済ませたところでもう一度集団につかまってしまう。数台が連なって周回する状況を打開しようとして国本は必死に追い抜きにかかるが、最後まで扉をこじ開けることができず、15位でのフィニッシュとなった。
一方、序盤に最後尾まで順位を下げた石浦は、終盤までミディアムタイヤで我慢の走行を続けて40周終了までピットインを伸ばした。ライバルたちが先にピットインを済ませ前が空いていく中、石浦はどんどんペースを上げていく。
そして全車中、最後にピットに入った石浦を、チームは迅速なピットワークでソフトタイヤに交換し7番手でコースに戻した。
そこから石浦は他車に対し1周で2~3秒速いペースでラストスパートをかける。42周目にヘアピンコーナーで豪快なオーバーテイクを披露し6位に上がると、翌周にはS字コーナーでさらに1台をかわして5位へ。
4位を走るマシンとはこの時点で10秒以上の差が広がっていたが、これをみるみるうちに削り取ると、50周目のビクトリーコーナーで逆転。最後は3位のマシンの背後まで迫りチェッカーを受けた。見事な追い上げで13のポジションアップに成功し4位フィニッシュを果たした石浦は、5ポイントを追加してシリーズランキング首位をキープしている。
ドライバー/#1 国本雄資
「ミディアムタイヤでスタートしたので、序盤はソフトタイヤ勢に抜かれてしまいました。僕も早めにピットに入ってソフトタイヤで勝負するという賭けに出ましたが、後半も抑えられてしまいました。あまりトラクションも良くなかったし、相手のブロックも厳しかったのでなかなか抜けなかったです」
「次戦のオートポリスはもっとタイヤに厳しいコースで今回とは状況が変わると思うので、予選から合わせこんで前の位置からスタートできるよう、しっかりと準備したいと思います」
ドライバー/#2 石浦宏明
「セットアップ的に、僕のマシンはガソリンを多く積んでいる状態だとあまり良くなかったので、序盤に順位を下げてしまいました。今日はチャンスがないかもしれないと思っていましたが、軽くなってくるとタイムも上がってきたので、他のマシンがピットに入って前がクリアな時にプッシュして、ピットに入る前に“ポイント圏内ぎりぎり”と聞いたので、インラップはもっと攻めましたね」
「最後は一気に順位を上げられましたが、もう1~2周あれば表彰台まで行けたかもしれません。ただ、チャンピオンシップを考えると、争っているメンバーの前でゴールできたのは大きいです。今日の4位は、考えうる最高の結果になったと思います」
監督/立川祐路
「今日のポイント獲得は厳しいかと思っていましたが、石浦は展開もうまく味方につけて挽回できました。ソフトタイヤをうまく使った人たちが今日は上位に並んだのではと感じています。我々も、石浦が何台もオーバーテイクしていきましたしね」
「ソフトタイヤのライフは未知数でしたが、国本から“早めに入りたい”というリクエストがあった時、ギャンブルではあるけれど、ポジション的にはそういうトライをしてもいいかなと思い、早めにピットに入れました」
「結果的にはうまく行かず、後半スティントでのロスもありポジション回復ができませんでした。国本の方は、良くないことがいろいろと重なってきましたね。今回のレースでタイヤに関してもいろいろと分かった部分があります。チャンピオンシップも石浦がいい位置につけているので、残り3戦も頑張っていきたいと思います」
総監督/浜島裕英
「今回はロングランのチェックもあまりできておらず、不確定要素があるなかでのレースでした。石浦はクルマが軽くなってきたときのミディアムタイヤでのタイムがとても良かった。それであのポジションまで上げることができました。最後までよく頑張ってくれましたね」
「レース全体としても、ピットインのタイミングが違ったりするのでオーバーテイクのシーンも多かったように思います。次戦は2台揃って上位争いできるよう、頑張ります」