WRC世界ラリー選手権第10戦ドイチェランドは8月19日、SS9~17が行われ、オット・タナク(フォード・フィエスタWRC)が首位をキープ。リードを21.4秒まで広げている。
ラリー・ドイチェランドの競技3日目、前日、5.7秒のリードを築いていたタナクはポジションを譲ることなく3日目を走破。今季2勝目に向けリードをさらに拡大している。
トップのタナクを追いかけるアンドレアス・ミケルセン(シトロエンC3 WRC)だが、SS11でスピンしてしまった上、その直後にはエンジンがストール。ステージは完走したものの、この時点でタナクとのギャップが25.7秒まで広がってしまった。
タナクは「一切ミスがないクリーンな走りができた1日だった。ライバルたちはいくつかミスがあったようだしね」と振り返る。
「充分なマージンを築けているし、今のところは順調だ。今のところ慌てる理由も見当たらないし、明日もこの流れを維持したい」
一方、チャンピオン争いを繰り広げるティエリー・ヌービル(ヒュンダイi20クーペWRC)には不運が襲う。ヌービルはオープニングのSS9で左リヤサスペンションを破損してしまった。
「ホイールリムに衝撃が加わってしまったのだろう」とヌービル。
「アクシデントが起きたコーナーのことは熟知していて、コーナーイン側に小さな段差があるんだ」
「起きてしまったことは受け入れなければならない。前向きにモチベーションを維持して次のラリーに臨むよ。まだタイトルを争っている状況だからね」
トヨタ勢最上位のユホ・ハンニネン(トヨタ・ヤリスWRC)は午前中の走行でタイヤ選択がコンディションにマッチ。SS13で前を走るエルフィン・エバンス(フォード・フィエスタWRC)を交わして、総合4番手に浮上する。
しかし、午後の走行でダンパーにトラブルが発生してペースダウン。エバンスに再度ポジションを奪われてしまった。
チームメイトのヤリ-マティ・ラトバラ(トヨタ・ヤリスWRC)はステージ走行中にタイヤがパンクしてしまい、2分間のタイムロスがあり総合7番手。エサペッカ・ラッピ(トヨタ・ヤリスWRC)は総合22番手で走行を終えている。
SS1でクラッシュする波乱のスタートを切ったクリス・ミークのシトロエンC3 WRCにはウォーターポンプにトラブルが発生。走行を続けられず、競技全体をリタイアしている。
競技最終日の20日(日)はSS18~21の4SSで争われる。最終SS21はステージトップ5にボーナスポイントが与えられるパワーステージだ。