2017年08月20日 08:43 弁護士ドットコム
博多ラーメンの店で、よく見かける麺の替え玉。お金を追加で払って、替え玉をお願いするケースが多いが、食券制の店でも、替え玉は現金になっていることがある。これに対して、ネットのQ&Aサイトでは、「脱税の温床では?」といった指摘もある。
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確かに、現金と引き換えに替え玉を渡すのであれば、食券の購入履歴には残らない。このため、売り上げを過少申告しても、バレないかもしれない。
税務調査が入った場合、替え玉の金額をこっそり抜いておいた場合もバレてしまう可能性があるのか。佐藤全弘税理士に聞いた。
「人件費削減などのために券売機を導入しているラーメン店が増えていますが、麺の替え玉については、現金でもらっているところもあるかと思います。もし、この替え玉の現金売上を計上しなくても税務署にバレないか?というとそんなことはありません」
それはなぜなのか。
「不特定多数を相手にする現金商売は、正確な売上を捕捉するのが難しいため、税務署のチェックも厳しいです。たとえば、税務調査をする前に、税務署の担当官があらかじめお客さんとしてラーメン店に行き、券売機の有無から座席数や混雑具合、メニュー、従業員数、替え玉の代金を現金でもらっているのかいないのかなどをチェックします。
そして、後日、その税務署の担当官がラーメン店に税務調査として訪れ、帳簿をチェックします。当然、現金でもらっているのであれば、帳簿に替え玉分の現金売上が計上されていないとおかしいですし、たとえ現金売上が計上されていても一部しか計上されていない可能性もあります。その場合でも、原価率や在庫に反映されるため、売上計上漏れの発見の端緒になります」
バレたらどんな影響があるのか。
「税務調査は一般的に3年分遡って調査されるため、申告漏れ等を指摘されると思いもよらない多額の税額が発生する場合があり、また、ペナルティとしての加算税や延滞税も含めると今後の経営に影響を及ぼし兼ねません。
最近は、ラーメン店の競争も激化しているので、ライバル店のタレコミや従業員のリークなどで税務署に目を付けられないようにきちんとした管理が必要です」
【取材協力税理士】
佐藤 全弘(さとう・まさひろ)税理士
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事務所名 : 佐藤全弘税理士事務所
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(弁護士ドットコムニュース)