WRC世界ラリー選手権第10戦ドイチェランドは8月18日、SS2~8が行われ、オット・タナク(フォード・フィエスタWRC)が総合首位に浮上した。トヨタ勢最上位はユホ・ハンニネン(トヨタ・ヤリスWRC)の総合6番手だ。
■Mスポーツ
●セバスチャン・オジエ(フォード・フィエスタWRC)
「今日は僕たちにとってあまりいい終わり方ではなかった。まず、タイヤ選択を誤ったけど、少なくともティエリー(・ヌービル)とは同じだったし、僕らはうまく対処していた。だけど、最後のステージのぬかるみでスピンして20秒以上も失ってしまった。それですべての苦労が水の泡になってしまったよ」
「今日の午後はウエットタイヤがいいチョイスのようだったけど、ちょっと意外だった。僕らはウエットのあまり経験が無かったから、ウエットで走るのは少しギャンブルだった。本当に試したことがなかったからね。だけど、そのタイヤがうまく機能してくれると分かった」
●オット・タナク(フォード・フィエスタWRC)
「トリッキーな1日だったと思う。2回目の走行は特に極端で、コンディションは予想不可能だった。一度、すごくラッキーなことがあった。ヘアピンでまったく道路が見えなくなってバンクに落ちた。進入速度を間違えてはいなかったし、ほかにも特別なことはなかった。だけど、大きなトラブルなく復帰できて、これで時には少しの運も必要だってことが証明されたよ」
「今日の午後は、誰もが僕の(ウエットタイヤを3セット持ち込む)選択をかなり強気だと言ったけど、最後には自分自身と僕の決断に自信が持てた。そして、結果的にそれが正しい選択だったことが判明したよ。タイヤは本当によく機能してくれたし、1日の終わりに首位に立っている」
●エルフィン・エバンス(フォード・フィエスタWRC)
「今朝はかなり堅実だったけど、午後は多くのライバルたちと同じで、その状況から少し外れてしまった。大雨で異常に難しくて、グリップレベルがかなり低かったよ」
「トラブルに巻き込まれないようにして、ミスも避けてきたけど、簡単ではなかった。明日はもっと難しいコンディションに直面するかもしれない。だけど、今日とは違うだろうから、どうなるか楽しみだ」
■ヒュンダイ/ヒュンダイ・モータースポーツ
●ティエリー・ヌービル(ヒュンダイi20クーペWRC)
「今日1日をなんとかやり過ごすことができて嬉しいよ。スタートからフィニッシュまでタフな1日だった。タイヤ選択がパフォーマンスを大きく左右してきたから暫定的に表彰台圏内の総合3番手にいられてほっとしている」
「初日の走行では少しの間コースを外れてしまうという小さなミスを犯してしまったが、幸いそれほどタイムを失うことはなかった」
「こうしたコンディション下では、一番最初にコースに出ることはたいしたハンディキャップにはならない。それでもステージには予期できないことがたくさんあった」
「午後も同じような状況で、ファイナルステージでは大回りしてしまったが、幸運にも状況はそれ以上悪くはならなかった。僕たちはいまだに競り合っているけど、土曜日はもっと良い走行ができることを願っている」
●ヘイデン・パッドン(ヒュンダイi20クーペWRC)
「今シーズンでここがもっとも厳しいラリーのひとつになることはわかって挑んだけれど、僕たちの予想を超える厳しさだったようだ。コンディションは時として酷いものだったし、タイヤ選択も明確な方向性が掴めなかった」
「SS4ではスローパンクチャーが起きてしまい、多くのタイムを失ってしまった。でもそれがなくても僕たちはリズムを掴むのに苦戦していたんだ。ラリーを無事終えるという自分たちの目標に改めて焦点を置く必要があるし、チームのためにできるだけたくさんポイントを稼がないとね」
●ダニ・ソルド(ヒュンダイi20クーペWRC)
「タフなラリーが続いたから、今週末はラリー・ドイチェランドのターマックで僕たちのスピードとパフォーマンスを発揮して見せたいと願っていたんだ」
「午前中はSS2でステージ優勝を飾り、調子の良いスタートを切ったけど、コンディションは誰にとってもトリッキーなものだった。タイヤ選択も一筋縄ではいかなかった」
「僕たちは妥協することにして、ハードとソフトタイヤの組み合わせで走行することにした。今にしてみれば、マシンに自信が持てなかったから、ベストなタイヤ選択ではなかったね」
「それがSS4での事故につながったんだ。ブレーキングに苦労していて、土手に衝突して林の中に突っ込んで行ってしまった。僕たちの1日は終わった」
「ありがたいことに僕たちは無事だったし、メカニックはマシンを直すことができたから、土曜日にはラリーに戻るよ」
■シトロエン/シトロエン・レーシング
●クリス・ミーク(シトロエンC3 WRC)
「昨夜の馬鹿げたミスのせいで、今日の午前中は自信を取り戻して正しいリズムを掴むのに苦労したよ。雨と泥のせいでドライビングが余計に大変になった。ミシュランの新しいウエットタイヤを実戦で試すことができて嬉しいよ。とても興味深い経験だった」
「残りのラリーはもっと楽しめるといいんだけどね。マシンのパフォーマンスが良いことは分かっている。コルシカでのテストでもそうだったし、今日はアンドレアス(・ミケルセン)が証明してみせた。だからマシンのリズムを掴みたいと思っている」
●アンドレアス・ミケルセン(シトロエンC3 WRC)
「首位を目指して戦うのは素晴らしい気分だ。今日の僕の出走順から厳しい1日になることはわかっていた。幸い午前中にはそれほど雨は酷くなかった」
「でも午後の2回目の走行の時には土砂降りになり、道路はぬかるんで泥風呂のようだった。タイヤはフルウエットで行くという正しい選択ができたよ」
「1日を通じて先頭にいるには多くのリスクを取らなければならなかったけど、うまくできたと思う。明日は接戦になるだろうけど、このステージではなんでも起こり得るからね」
●クレイグ・ブリーン(シトロエンC3 WRC)
「今日がいい日だったとはとてもじゃないけど言えない。タイヤの選択は難しかったし、マシンから良い感触を得るのにつねに苦労していた」
「タイムを失うようなミスをいくつかしてしまったけど、ラリーに残ることはできている。明日は完全に違う路面を走行することになるだろうから、2回目の走行に出る前にリセットするチャンスがあると思う」
■トヨタ/TOYOTA GAZOO Racing WRT
●ヤリ-マティ・ラトバラ(トヨタ・ヤリスWRC)
「今朝のステージは乾いた部分と湿った部分が混ざり、タイヤのグリップレベルがつねに変化する難しい路面だった。しかしクルマのフィーリングはとても良く安定した走りをできていたから、サービスでセッティングを微調整すればさらに走りが良くなるはずだと期待していたんだ」
「しかし、SS5を前に点火系にトラブルが起こってしまった。サービスで問題は解決されたけど、強い雨によりコース上が水で覆われ、泥が広がった結果、午後は良いフィーリングが失われてしまったんだ」
「少しでも順位を上げるためにも明日は重要な1日になる」
●ユホ・ハンニネン(トヨタ・ヤリスWRC)
「良い1日になりました。午前中雨はそれほど強くなかったけど、それでも道はかなり滑りやすく、あるコーナーでコースを外れてブドウ畑の中に突っ込み、クルマのフロント部にダメージを受けてしまった」
「その後も走り続けることができたのはラッキーだったといえる。午後は雨が強くなったのでやや慎重に走りすぎたと思うけど、少し順位を上げることができた」
「このラリーに出るのは数年ぶりで、ステージを良く知らないため、今以上に攻めた走りをするのは難しいと思う。ミスをしやすいとても難しいコースだけど、クルマに関しては本当に満足している」
●エサペッカ・ラッピ(トヨタ・ヤリスWRC)
「左、右と曲がるコーナーで、イン側だけでなくコース上にも多くの泥があった。コーナーへの進入スピードが高すぎたためにクルマがスライドし、コーナー出口の壁に当たってサスペンションにダメージを負ってしまった」
「そのため、今日は競技続行を諦めなくてはならなかったんだ。それまではとてもうまく走れていたので残念だ」
「このような天候でのタイヤ選択は簡単ではなかったけど、それでも良いタイムを記録することができたよ。明日はきっと再出走できると思うので、可能な限り長い距離を走り、経験値を高めたいと思う」