二輪ロードレースの最高峰、MotoGPの裏話を語る『2017MotoGP覆面座談会』を開催。今回もMotoGPに精通した関係者3人でお届け。2017年シーズンの前半戦を統括と世界で奮闘する日本人ライダーについて。3年ぶりの日本人ライダー誕生という噂も?
事情通A氏:自身もサーキットで走るという二輪界のパイオニア
事情通B氏:恐れ知らずでズバッと切り込むベテラン編集員
事情通C氏:ライダー情報に精通したベテランジャーナリスト
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■毎戦特性が変わるミシュランタイヤに各チーム苦戦
ーー2017年のMotoGPは、2016年並みに優勝者が出てますね。マーべリック・ビニャーレス、マルク・マルケス、ダニ・ペドロサ、バレンティーノ・ロッシ、そしてアンドレア・ドビジオーゾ。
C氏:すごいね、5人も優勝者が出てる。
B氏:2016年は9人の優勝者が出ていたけど、このままいったら2017年はもっと多くの優勝者が出るかもしれないな。
A氏:やっぱりこの混戦の最大の要因は、タイヤなんでしょうか。
C氏:ミシュランがコントロールしてるなんて説もあるけど……。
B氏:いや、実際にはセットアップが難しいタイヤなんだと思うよ。毎回バージョンアップのような形で変わるらしい。ミシュラン、一生懸命タイヤを造ってるから。
A氏:一生懸命造って、どんどん新しいタイヤをレースの度に持ってくる?
B氏:そうみたい。「なんだよ、このタイヤ」なんてチームが言うと、ミシュランは「新しいタイヤです」って出してくるらしい。
C氏:そのタイヤに合わせられたところが速いんだよね。今シーズンはチームでよかったり悪かったりするじゃない。あれって、タイヤとマシンを合わせられたかどうかなんだと思うんだよね。ほかに要因がない。あれだけいい、悪いが左右される要因は、タイヤしかないでしょ。
B氏:常にバージョンアップしていて、毎戦のように新しいタイヤを投入しているから、チームやライダーも合わせられないんだろうね。
A氏:それにうまく対応できたところが勝っているわけですね。さっきC氏がちらっと言っていた、ミシュランコントロール説は……?
C氏:いやいや(笑)。無理でしょ、それは。
B氏:昔はいいタイヤが回ってきたライダーがいい思いをしたり、その逆の思いをしたりっていう話も聞いたけれど。さすがに今はできない。FIMが任命したサーキットのオフィシャルたちがアロケーションしているからね。
A氏:ミシュランはミシュランで、もっといいタイヤを造ろうとしていて、純粋にタイヤが毎戦変わっていることが2017年の混戦を生んでいるんですね。
B氏:そう思ってるよ。あとは、タイヤ性能にかなりばらつきがあるのではないか? という説。同じハードタイヤでも、当たり外れがあるのでは……? と思っていたけど、リザルトを見ているとそうでもなさそうだ。
C氏:結果のいい、悪いがチーム単位だからね。たぶんあれはセットアップなんじゃない。
B氏:僕もそう思う。セットアップがうまくできたチームが速い。その説が濃厚だと思ってる。
A氏:そうすると臨機応変な対応ができるサテライトチームの方が結果が出そうですね。テック3の(ヨハン・)ザルコや(ジョナス・)フォルガーとか。
B氏:あれは本当にいいタイヤを出しちゃったのか!? と思うよね。
A氏:フランスGPでザルコが2位、ドイツGPでフォルガーが2位。どちらも母国GPでしたものね。
B氏:ミシュランコントロール……? なんて言われたら、確かに盛り上がってしまうけど。
C氏:つまり、今年のタイヤはセッティングが難しいんだろうねえ。データがないじゃない。おまけに常にバージョンアップしてるしさ。
A氏:そういえば、決勝レースになってコンパウンドを変更する、なんてことが今年は多い気がします。
B氏:17インチのスリックタイヤに特徴があって、それをうまく合わせるのが難しいところがあるのだと思う。フルタンクで序盤が遅いライダーもいればその逆もいる。
C氏:ホルヘ(・ロレンソ)なんかその典型だよね。「このレースはきたか!?」と思うけどずるずる落ちていくじゃん。
B氏:燃料が減って重量バランスが崩れてきたときと、タイヤが減ってきたときに合わなかったり、燃料がフルタンクで新品タイヤのときのセットがよかったり。今シーズンのタイヤは、そういった要因が1周のタイムに影響してくるモノなのかな。
C氏:それはセッティングが難しいよね。
A氏:タイヤコントロールはしていないけど、とにかく今年はタイヤの影響が大きいと。おかげで勝者が6人も出て、ランキングもすごく面白いことになっていますしね。
■苦戦が続くチャンピオン候補のビニャーレス
■日本人MotoGPライダーの誕生はほぼ確定?
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