トップへ

16歳のカリ・ロバンペラ、MスポーツのフィエスタR5でWRCデビューへ

2017年08月18日 16:52  AUTOSPORT web

AUTOSPORT web

いよいよ世界最高峰、WRCへのデビューが近づいてきた16歳のカリ・ロバンペッラ
10月に開催されるWRC世界ラリー選手権のイギリス戦、第12戦ウェールズ・ラリーGBで、期待のティーンエイジャー、カリ・ロバンペラがMスポーツのフォード・フィエスタをドライブし、待望のWRCデビューを果たす。

 今季からレッドブルとのアスリート契約を結んでいるカリは、8月初旬にMスポーツの所有するグレイストークのフォレストステージでフィエスタR5のテストを実施。

 BRCイギリス・ラリー選手権とWRC2への参戦を目指す2018年シーズンに向け、どのマシンを使用するべきか、マネジメントチームと含めて総合的に検討する段階へと進んだ。

 カリは10月1日に17歳の誕生日を迎えることもあり、すぐに運転免許試験を経て26日後のラリーGBのスタートに間に合わせたい考えだ。

 それ以前にも、元WRCドライバーのトニ・ガルデマイスターがドライブしたシュコダ・ファビアR5や、イタリアのFPFスポーツが使用していたプジョー208 T16などをドライブし、ラトビアとフィンランドの国内選手権での戦いを続ける予定となっている。

 彼のマネージャーを務める伝説の男、ティモ・ヨキは、Mスポーツが自分たちのマシンでカリをGBに送り込むことを歓迎しており、その先のプログラムについても前向きだと語った。

「我々にはいくつものオプションがあり、いまでも多くの人々と話を続けている最中だが、私の考えではフィエスタをドライブしてラリーGBに参戦する可能性が一番高いだろう。そして、来季に向けても同様にね」

 現時点で、カリは来季もR5カーでのコンペティションをメインに計画しているというが、ヨキによれば「WRカーでのテスト機会が得られる可能性が高いことも魅力的」だという。

「すでに彼はWRカーを走らせる準備ができている。もし誰かが私に電話を掛けてきて『カリをWRカーに乗せたい』と言ってきたら、それはまったく問題なく受け入れられるだろう」

「彼のことをよく知っているし、彼の才能についても同様だ。それに私には、才能ある若いドライバーの素質について、多くの経験から学んだ法則を持っている」

「カリはラリーについて学んでいるし来季はR5カーでOKだ。それ以外で我々に必要なのは、数kmの現行WRカーでのテスト、ということになるだろう」

 かつて、カリはMスポーツのマシンをドライブした際、チームプリンシパルのマルコム・ウィルソンに印象的な技術フィードバックをもたらしたことがあるという。

「当然、我々としても今回のラリーGBや、来季のBRC、そしてWRCプログラムにおいて、カリの才能を見ることをとても楽しみにしている」とマルコム・ウィルソン。

「彼とともにいくつかの挑戦をしようと思っているし、現時点でラリー界の話題を一身に集めるヤングスターでもある。そんな彼と一緒に仕事ができるのは本当に光栄だ」

「そんな話以前に、カリが若くしてとても才能に溢れたドライバーであることに一点の疑いもないのだけれどね」

 ヨキはかつて、師弟関係にあったミッコ・ヒルボネンやヤリ-マティ・ラトバラといったドライバーたちをMスポーツに送り込み、長い間チームと良好な関係を築いてきた実績がある。

 また、カリの父親であるハリ・ロバンペラも、1996年にWRCでセアトのワークスシートを得る以前、BRCではMスポーツのドライバーとして走ったこともある。

 ヨキはその歴史を踏まえつつ、10代のカリがMスポーツに加入することを「とても自然な成り行きだ」と表現した。

「我々とMスポーツ、そしてマルコム(・ウィルソン)との間には、長い信頼関係の歴史が積み重なっているのは間違いないからね」