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平手友梨奈が欅坂46に与える影響は? セカオワ対談に見るグループとの密接な関係性

2017年08月18日 08:52  リアルサウンド

リアルサウンド

 SEKAI NO OWARI(以下、セカオワ)がパーソナリティーを務める『真夏の夜のセカオワ』(NHK-FM)の8月13日放送分にて、NHK総合『SONGS』で7月27日に放送された平手友梨奈(欅坂46)とセカオワの対談の完全版が2時間にわたって放送された。


 同放送では、今年高校生になったばかりの平手が、学校生活や表現者としての悩み、大人への不信感などをセカオワに語るなど、普段見ることのできない16歳らしい素顔や平手の今を知る貴重なトークが展開された。


 欅坂46のセンターを務める平手も、私生活では16歳の普通の女の子。小学6年生の時に『映画クレヨンしんちゃん バカうまっ! B級グルメサバイバル!!』でセカオワの楽曲に出会い、そこからファンになったという可愛らしいエピソードを明かす。さらに学校生活の悩みは教室の席順と回答し、「私は女の子とより男の子と話していた方が楽なので、今は女の子に囲まれてるので、もうちょっと違う方に行っていろんなことをお話したいなっていうのが悩みです」と告白するなど、高校生らしい等身大の悩みを打ち明け、“欅坂46の平手友梨奈”とは違った人間性を垣間見せた。


 しかし、欅坂46にとっての“平手友梨奈”は、グループが今打ち出しているコンセプトの発端となった存在であり、彼女無くして今の欅坂46は生まれなかったと言っても過言ではない。


 同放送にて、SNSが嫌いで、大人には不信感を寄せていると明かした平手。「分かってくれる大人もきっといると思います。でも大体が分かってくれない」と考え、「何か理由も聞かないであれこれ言われたり、あとは影でこそこそ言われてるのが見えちゃってるので、もうハッキリ言ってほしいですし、こっちの気持ちも分かった上で、大人の意見を聞いて、一緒に話し合えたらいいなみたいな感じ」と語る様子からは、“大人への抵抗”や“未成年が抱く閉塞感”などを発信してきた欅坂46のパブリックイメージと、彼女のパーソナリティが密接に繋がっていることがわかる。


 対談を行うにあたり、平手のインタビュー記事を読んだというFukaseも、「(インタビュー内に)平手さんに、作曲者であり作詞家、要するに作り手が書かされているんだという表現があったんですよ。インタビュアーさんの見解として。平手さんを見たからこの曲が生まれてる、いなければ生まれてないっていう表現があって。確かになと思って」と、平手と楽曲の強い繋がりから、音楽家として新しい発見ができたとコメント。セカオワ曰く「時々ノイズが走る」平手の考えや、人を惹きつける純粋な感情が、欅坂46の楽曲にも影響を与えているのではないだろうか。



 特に印象的だったのは、「センターをやっていて大変なことは?」という質問に対し、当初は葛藤もあったが「今は吹っ切れた」と答えたこと。その変化のきっかけについては、「『二人セゾン』くらいの時なんですけど、悩んでる時間があったら、楽曲とか、もっと曲を伝えたいなと。そこからセンターなんて別にどうでもいいやと思ってしまって。だいぶ楽になりました」と、デビューからわずか1年で、アイドルから表現者へと進化していく心境の変化を吐露。表現者としての自覚の芽生えが、平手及び欅坂46の鬼気迫るパフォーマンスに繋がっているのかもしれない。


 「欅坂46に入って良かったことは?」という質問に、平手は「家族でもない、友達でもない存在ができた」とグループへの愛を感じさせる回答を述べ、将来は自分で曲や歌詞を書いてみたいと目標を語った。現状、平手のパーソナリティとリンクするように成長を続けてきた欅坂46。彼女が大人へと変化していく中で、グループにどのような影響を与えていくのか、見守っていきたい。


(文=本 手)