WRC世界ラリー選手権でセバスチャン・オジエ(フォード・フィエスタWRC)と激しいタイトル争いを繰り広げているティエリー・ヌービル(ヒュンダイi20クーペWRC)は、8月17日開幕の第10戦ドイチェランドではチャンピオン争いを優先。「クレバーな戦いをする」と明かした。
1月にモンテカルロで開幕した2017年のWRCは、ラリー・ドイチェランドを含めて残り4戦。ポイントランキングでは、ヌービルとシリーズ4連覇中のオジエが160点で並んでいるが、優勝回数の差でヌービルが暫定トップにつけている。
今季のレギュレーションでは、デイ2にあたる金曜日はランキング順でSSを走行するため、ラリー・ドイチェランドのデイ2ではヌービルが先頭走者、オジエが2番手走者を務める。
ターマック(舗装路)で争われるラリー・ドイチェランドでは先頭走者が“掃除役”となる不利益は生まれにくい上、デイ2のステージはマシンがコーナーイン側をショートカットするたびに道路脇のダートが散乱するため、出走順が遅いドライバーほど路面コンディションが悪化した状態での走行を強いられる。
ヌービルは、そのアドバンテージを理解しているものの、積極的にショートカットを多用する考えはないと明かしている。
「ショートカットできる箇所が多くあり、そこを通過するたびに路面コンディションは悪化していく」とヌービル。
「ただ、無理にショートカットを重ねてパンクするリスクを冒したくはない。速く走ればタイムは短縮できるし、ショートカットしてアグレッシブに行けばオジエを難しい状況に追い込めるけどね」
「攻撃の手を緩めるつもりはないけど、ここ7~8戦と同様にクレバーな戦いをする必要がある」
「そのうえで、オジエとの戦いがどう展開するか注視したい。僕の目標はドイチェランドで勝つことではなく、オジエよりも多くポイントを持ち帰ることだからね」