シャボン玉石けんは8月16日、「香りに関する意識調査」の結果を発表した。約5割が「人工的な香りで体調不良を起こしたことがある」と回答していることなどがわかった。
調査は今年7月15日~20日、20代~60代の男女を対象に実施。598人から回答を得た。
「柔軟剤を使用して洗濯物を部屋干し後、夜から朝まで吐き気を感じた」
香りつきのものを使う理由には、「衣類に防臭・消臭効果をもたせるため」「嫌なニオイを抑えるため」などが多い。
しかし人工的な香りが、周囲への迷惑になることがある。「他人のニオイ(香水や柔軟剤、シャンプーなど)で不快に感じたことがありますか」と聞くと、「ある」と答えた人は79%に上っている。
また、「人工的な香りをかいで、頭痛・めまい・吐き気などの体調不良を起こしたことがありますか?」という質問には51%が「ある」と回答した。
香りつき商品についた人工的な香りで不快感を覚えたり、健康被害を受けたりすることを「香害」と言う。しかしこの言葉を「知っている」と答えた人は39%にとどまっており、認知はまだ進んでいない。
リリースでは、国民生活センターに寄せられる「洗濯用洗剤の匂いに関する相談」を紹介。2007年度には9件だったが、2016年度には206件にまで跳ね上がっており、相談件数は年々増加している。
具体的な相談内容として、「昨日夕方に柔軟剤を使用して洗濯物を部屋干し後、夜から朝まで吐き気を感じた」(20代)、など、自分が使ったことで異変を感じたケースのほか、「職場の同僚が柔軟剤をつけていることで気分が悪くなる」(40代)など、周囲の人の香りに悩まされているケースもあった。
マスクを使っても香りに含まれる化学物質をシャットアウトするのは難しい
リリースでは、化学物質過敏症支援センターの広田しのぶ氏が「問い合わせ内容の大多数が『香りつきの柔軟剤』『洗剤』による健康被害」と現状を明かしている。香害による症状は、吐き気、頭痛など多岐にわたり、人それぞれ出方が違うという。
また、現在異変がないから安心、というわけでない。同氏は、
「香料などに使用されている化学物質は長期間にわたって体内に蓄積されてしまうため、今症状が出ていない方でも、今後突然発症する危険性があります」
と注意を呼び掛けた。マスクなどを使っても香りや香りに含まれる化学物質をシャットアウトすることは難しく、「香りつきの商品の使用については見直しが必要ではないでしょうか」と述べた。