最近無性に、中学2年生のころに戻りたいと思うことがある。面白い先輩が何人かいたし、同級生も気心が知れていたし、可愛い後輩もいた。
一方、高校時代に戻りたいかと自問すると、マッハで「それはイヤ」となってしまう。高校ではとにかく放課後に暗くなるまで部活の練習に明け暮れる日々であった。夏は暑く、冬は震え上がるほど寒い、男所帯の駅伝部に特に良い思い出はない。イヤなことばかりだった。(文:松本ミゾレ)
「部活の良い思い出なんてないし、強制でなければしてなかった」
先日、ガールズちゃんねるを見ていたら「学生の部活って必要ですか?」というトピックを見つけた。トピ主の通っていた中学校では、部活をやるのが義務だったらしく、仕方なく運動部に入った。
「中学時代は周りの目を気にして、とても無理していました。部活の良い思い出なんてないし、強制でなければしてなかったと思います」と語るこの人物。よほど部活がイヤだったのだろう。
大体にして強制される時点で、何事も楽しめなくなるもの。部活なんて好きな人だけでやればいいのに、わざわざやる気がない人に強制してもしょうがない気がする。昔の学校なんてこういうところばっかりだったなぁ。
その上で投稿者は「部活は必要だと思いますか?」と質問を投げかけているわけだけど、僕はどちらかと言えばいらないと思う。
一応高校で3年間運動部をしていた経験を基にいうけど、別にやってて得したこともなければ、社会に出てその経験が役立ったこともない。「先輩との上下関係が学べる」とかいう人もいるかもしれないが、たかが学生の上下関係なんかおままごとだから、これもメリットにあたらない。
むしろ貴重な青春時代を、恋愛や遊びではなく、部活に費やしてしまうことの方が問題だったと、「ああ、もったいない3年間だったなぁ」と思う。もちろん、あくまでもこれは僕の意見に過ぎないけど。
「私は楽しかったけど、学校が辛い人は、部活もするって大変だと思う」
今回、このトピックには実に様々な声が寄せられている。いくつかご紹介していきたい。
「いらない。行きたい人だけクラブチームとか習い事すればいいと思う」
「ある意味ブラック企業みたいだよね」
「忍耐力や協調性、縦社会の基礎は身に付くので不必要とは言えないのでは?」
「私は楽しかったけど、学校が辛い人は、部活もするって大変だと思う」
こんな感じで、賛否は分かれる形になっている。ただ、なるべく公平に物事を考えたいとは思うけど、やっぱり、学生時代に部活動でことさら上下関係だとか、忍耐だとか、そういうことを身に付けなければいけないかというと、そうでもないと思う。
別に部活をしなくたって上下関係や最低限の忍耐は会得できるし、第一学生なんて社会人でもなんでもないんだから、そんな彼らの上下関係も理不尽極まりない一面はある。理屈が通ってないことに渋々従うような部員も何人か見てきたし、閉鎖的な部室で陰湿ないじめをしている現場も見た。
つまらないという気持ちを抱えながら3年近く続ける活動。その3年の間につまらないことを耐えてしまう強さを得るというのは、本来不要なんじゃないだろうか。もちろん、全ての部活がつまらない上に実りが少ないといっているわけではない。
楽しいと感じることができるなら、存分に部活に邁進すればいい。だけど、つまらないことを続けても、つまらないことに耐性が強い人間になるだけだ。