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東山紀之は、ジャニーズを牽引する“俳優”だーー『刑事7人』天樹悠役の進化を読む

2017年08月16日 16:43  リアルサウンド

リアルサウンド

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 少年隊の東山紀之と言えば、年齢を感じさせない美しい立ち振舞と華麗なダンスが魅力のベテランジャニーズだ。そんな東山が現在出演しているのが、ドラマ『刑事7人』(テレビ朝日系)の第三シリーズ。この『刑事7人』の“安定感”は今季のドラマの中でも断トツである。


参考:東山紀之、突然のキャラ変更で新境地 『刑事7人』は『相棒』に並ぶ人気作となるか?


 “安定感”を感じられる大きな理由のひとつが、実力派揃いのキャスト陣だ。主演の東山をはじめ、高嶋政宏、倉科カナ、塚本高史、吉岡鋼太郎、北大路欣也……と、そうそうたるメンバーが出演。演技のキャリアが長いキャストが多く、安心してストーリーにのめり込むことができる顔ぶれなのだ。


 特に注目したいのは、やはり主演の東山だろう。東山が演じるのは、“第11方面本部準備室”のメンバー・天樹悠(あまぎゆう)で、操作能力に長ける敏腕捜査員だ。「真実が分かる瞬間まで物事を決めつけない」というポリシーを持って捜査に臨み、鋭く被疑者を追い詰めていく。公私共に順風満帆かと思いきや、12年前に妻・清と娘・聖を事故で亡くしており、心に深い闇を抱えているという一面も見られる。第1シーズンから天樹のキャラクターは大きく変わっており、第2シーズン以降はクールな態度で事件を解決。事件関係者に対しても遠慮なく踏み込んでいき、しっかりと向き合う。そして真実を突きつけていく、という人物だ。


 8月9日放送の第5話でも口数は少ないものの、地道に足を使った捜査を重ね、事件の謎を解いていた。第5話の事件の真相はこうだ。他殺と言われていた被害者だが、実は幼馴染の妻を守るために憎む相手に罪を着せる細工をした上での自殺だった。さらに、幼馴染の妻は盲目と思われたが実は目が見えていた。しかし、被害者の気持ちを汲んで目が見えないふりをしていた、という展開である。この謎を解いた天樹は、「あなたの目は見えていますね」とクールに言い放ち、事件の真相を話しはじめたのであった。


 東山と言えばジャニーズの中でも舞台のイメージが強いが、これまで数々のテレビドラマにも出演している。『名奉行 遠山の金さん』シリーズ(テレビ朝日系)をはじめ、『源氏物語』(TBS系)、『ザ・シェフ』(日本テレビ系)、『Dear ウーマン』(TBS系)、『平成夫婦茶碗~ドケチの花道~』(日本テレビ系)、『喰いタン』(日本テレビ系)、『必殺仕事人』シリーズ(テレビ朝日系)など、上げればキリがない。そんなキャリアを積んできた東山にとって、舞台用の演技からテレビ用の演技に切り替えるのはお手の物である。


 しかも、演じてきたのは平安貴族、ニュースキャスター、医者、探偵など実に幅広い役。これだけのキャラクターを演じてきた東山だからこそ、どんな役でもスムーズに演じこなせる。さらに第2シーズンでキャラクター変更したことにより、普段の東山のイメージに天樹が近くなった。第1シーズンと比べて、さらにナチュラルな演技を見ることができている。


 今後、『刑事7人』では東山演じる天樹の過去に向き合うシーンも出てくるという。ますます目が離せない。そしてその大きな見せ場では、ジャニーズを牽引する俳優・東山紀之の姿が見られるのだろう。毎週水曜21時、テレビの前から動けなくなりそうだ。(文=高橋梓)